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創価学会・池田大作名誉会長の死  学会葬当日に学会員らの声聞いた「いつかは寿命が。もう何年も前から心の準備していました」「(選挙は)まったく今まで通り、心配いらない」

MBSニュース / 2023年11月24日 12時53分

 11月15日に逝去した創価学会の池田大作名誉会長。23日午後1時半から東京・巣鴨の東京戸田記念講堂で「創価学会葬」が行われ、全国約1000の会館と中継を結んで厳粛に執り行われたという。戸田第2代会長以来となる学会葬で、創価学会ホームページによると、学会葬は池田第3代会長の95年の生涯を追想する映像が上映されるなどしたという。

 国内会員数827万世帯、世界192か国・地域に拡がり、学会員数約280万人、池田氏は3代目の会長として創価学会を日本最大規模の宗教団体にまで育て上げた。まさに日本宗教界の「巨星墜つ」。

 それにより今後どのような影響が出てくるのか。永田町界隈でも創価学会の求心力低下や、公明党の支持母体としての「政治」や「選挙」活動の熱量にも陰りが出てくる可能性、ひいては政権与党の枠組みなど政界にも余波が出るのではないかと囁かれている。

 しかし、本当のところはわからない。こと宗教団体の話となると、ファクトがつかみづらく、なんともぼんやりした話になってしまう。政治取材を担当する私の仕事にとって、池田氏の死による影響がどうなるのかは関心事ではあるのだが、わずかながらの手触り感を得るために、まずは今、学会員の方が何を感じ、考えているのか聞いてみることにした。

「池田先生は道を示してくださった」入信約50年の男性

 学会葬が行われた23日、東京・信濃町の創価学会本部周辺施設では池田氏の逝去よりも前から決まっていた行事が行われていた。午前11時と午後2時半と2回に分けて行われたいわゆる「研修会」のような場には全国から多くの学会員がつめかけていた。仲間や家族と連れ立って来ていて、池田名誉会長のお別れの会というものではないが、喪服姿の人も見られた。世界中に学会員がいるという創価学会、外国人の学会員の姿も見かけた。

 行事終了後、会場から出てきた学会員に声をかけた。愛知県から来たという69歳の男性。20歳で入信してから50年近く経つという。池田名誉会長の死に直面して今思うことを聞くと「悲しいことは悲しいが、また原点に回帰して池田先生と同じく決意も新たに恥ずかしくないよう取り組みたい」と話す。そして「池田先生は道を示してくださった、私も自分と戦いながら今後の人生を送りたい」という。

選挙は「今まで通りやっていくので心配いらない」

 また、東海地方から来た70代の女性2人組からも話が聞けた。

 「池田会長を失ったことは残念ではあります。でも、お年がお年だから、当たり前だけど人間なのですから、いつかは寿命が来るでしょう。私たち信者はもう何年も前から心の準備はしていましたから」と意外にも冷静な受け止めを示した。

 池田氏はどんな存在だったのか聞いてみると。「創価学会を大きく飛躍させていただいた方だし、特別な存在です。池田名誉会長の思いをしっかりと継いでいかなければならない」と力強く語った。

 気になる「選挙」。活動は今後どうしていくつもりなのか?「それは変わらないですよ、まったく今まで通りやっていきますから。心配はいらないです」と答えた。

「高齢の方、投票依頼が固定的に」若い学会員は課題を指摘

 高齢の学会員が、これまでと変わらない「忠誠」を誓う一方で、若い世代からは変わらないといけない部分もあるのではという声も聞かれた。埼玉県から来ていた35歳の男性。池田氏の死の影響について「創価学会の顔としてはあり続けていましたが、15年くらい前から表舞台には出られなくなっていた。突然亡くなられたように見えますが、教団としては混乱をきたさないよう池田先生が不在となっても組織として回していけるようにある種の準備をしてきていたから、大きな混乱は無いと思います」という。

 祖父母の影響もあり入信したというこの男性、幼い頃は教団幹部と学会員の距離も今よりも近かった印象があり、ある意味、「ハンドメイドな教団」なところもあると感じていたが、いまやすっかり「大企業」になったと分析する。

 よって「選挙」における創価学会の活動はシステム化されており池田名誉会長の死が影を落とすことは少ないのではと考えているという。ただ、課題もあると話す。「同じ人が同じ方に投票依頼するのである種ルーティーンになっていて、フレンド票といいますが、高齢の方は頼む方が固定的になっています。今後、そうした人がいなくなっていった時に結果として大きな影響が出てくるのではないでしょうか。そういう意味ではやり方や方針は変えないといけないところもあります」

台湾から駆け付けた学会員の声

 1960年に会長の座についた池田氏は1964年に公明党を創設、その後1975年には創価学会インタナショナル(SGI)を設立した。海外への拡大戦略を評価する声は強い。

 台湾から急遽駆け付けたという女性学会員(50)に話を聞いた。シンガポールで働いていた時に友人の勧めで参加した集会をきっかけに入信したという。「池田先生の死はすごく突然やってきて、弟子である自分がさらにがんばらねばと決意しています。亡くなられた後に先生の教えである世界平和、人類の幸せというのが継続できるのかどうかこの目で確かめにきました」と話す。

 「いま台湾での教団の活動のあり方に疑問が生じています。いまこそ創設から3代までの会長の精神を取り戻す時だと思う。信仰を伝えること、折伏(しゃくぶく)を実践していきます」と強い信仰心の一端を見せながら、「最高幹部が80歳前後に高齢化していて新しい人材で新しい改革をやっていけるかがカギになる」と語り、これからの創価学会に変化も求めた。

 「永遠の師匠」と称される池田名誉会長の死。今後、一人一人の学会員の心のありようが行動に表れ、その総体として組織に変化が政治的にも出てくるのか。つぶさに見ていきたい。


執筆:大八木友之(毎日放送 東京報道部記者兼解説委員 元JNNパリ支局長 東京を拠点に政治関連を中心に取材活動)

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