<ビビりではなく演技?>「アメトーーク」の「ビビり芸人」は本当はビビりではない可能性
メディアゴン / 2015年7月5日 7時10分
高橋維新[弁護士]
* * *
2015年7月2日放映の「アメトーーク」(テレビ朝日)のテーマは、「ビビり-1グランプリ」であった。
ビビりの芸人がビビるリアクションの模様をバカにして楽しむという企画である。これは、筆者の二分法に基づけば「何かをバカにする回」に当たるため、おもしろかった。
しかしながら、新鮮味があるわけではない。誰かがビビる様を楽しむというコンセプトの企画で、真っ先に思い付くのは、日本テレビ「ガキの使いやあらへんで」(以下、ガキ)のヘイポー(斉藤敏豪氏)である。
知らない人のために説明しておくと、ヘイポーというのは「ガキ」のスタッフ(制作会社のディレクター)であり、極度のビビりのくせにスケベで虚言癖があり、自分より弱いと判断した者にはとことん態度がでかくなるコントキャラクターのような人間である。
これが現実にいるから困るのだが、とにかくビビる様は常軌を逸しており、ガキではよく暗い中で独りぼっちにさせられる。
ヘイポーを何度も相手にすることで培われた「ビビらせ」のノウハウを同番組のレギュラーメンバーに応用したのが、「笑ってはいけない」のラストを飾る「怖がってはいけない」である。
ただ、ヘイポーをビビらせる企画も「怖がってはいけない」も回数を重ねすぎているため、少なくとも筆者は飽きている。そういう意味でもこの種類の笑いに新鮮味はない。
話を少し変えるが、「怖がってはいけない」を見ていると、田中は他の4人よりもビビりであることが分かるが、あとの4人は「普通」である。ビビる様を笑うという企画が成立しているのは、ギミックに工夫が凝らされているからである。
「普通」の人でもビビってしまうような仕掛けがきちんと用意されているからである。となれば、大事なのはむしろ人選よりもギミックの方なのである。
今回の「アメトーーク」に出てきた5人の芸人も、ビビりという触れ込みではあったが、仕掛けの方をちゃんとできるのであれば出場者をビビりに限定する必要はない。
前述の通り、ビビりの人でなくてもギミックさえちゃんとしていればおもしろいリアクションが撮れるので、実力で出演者を選んだ方がやりやすいと思われる。極端なことを言えば、こういうのに全く動じない芸人でも、ビビるリアクション(=演技)ができる人間ならいいのである。
今回も、前列に千原ジュニア・宮川大輔・フジモンこと藤本敏史(FUJIWARA)という奇跡的な実力派が揃っていたが、ここまで奇跡的だと、このうち何人かは本当はビビりじゃないような気もする。ただ単にお笑いの実力だけを買われたキャスティングだった可能性はある。
3人より実力に劣る後列の2人は、マジのビビりの可能性が高いと思われるが、村上健志(フルーツポンチ)も少しリアクションのわざとらしさが目立ったので、やっぱりマジのビビりではない可能性がある。
番組の最後では、同じく「ビビり」らしい宮迫博之(雨上がり決死隊)にも番組が用意したギミックが牙を剥いていた。ただ宮迫は、ビビり芸人の5人がビビっている段階では、高笑いしながら動じずに5人を苛めていたので、やっぱりビビりが演技の可能性がある(宮迫であれば、演技力には申し分がない)。
MCの宮迫とビビり芸人たちが同じ土俵に立ってつぶし合うことで、また違った面白さが生まれていたので、そこは良いのだが、それをやるのであれば宮迫はもっとビビるリアクションを前からしていないとダメだった。
5人を苛めていた時は平気そうだった宮迫が急にビビりのリアクションをしていたため、わざとらしさが鼻についたのである。
あとは、ビビり芸人をバカにする回なので、ともすれば可哀想になって笑えなくなってしまうのが難しいところである。そこは演者とスタッフのバランス感覚が必要なのだが、宮迫は少しSっ気が出過ぎていたので、ビビり芸人たちが若干可哀想だった。
芸人同士の付き合いならあれぐらいきつい感じでも笑っていられるのだろうが、一般人からすると少々引いてしまう。宮迫は、もう少し笑いを押さえた方が良かったと思う。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
パンサー向井が涙!? 『アメトーーク!』芸人ドラフト会議で攻めた指名も続々
マイナビニュース / 2024年9月18日 12時30分
-
『アメトーーク!』芸人ドラフト会議にノブ・ザキヤマ・澤部 パンサー向井は思わず涙
ORICON NEWS / 2024年9月18日 12時0分
-
出川哲朗、“2度とやりたくない番組”を告白 無茶ぶりな「カンペ」に観客から悲鳴が…
Sirabee / 2024年9月14日 9時15分
-
「M-1出ない」発言の準優勝コンビは第2の千鳥になれるか?東京進出成功のカギは意外と“コンビ仲の悪さ”
女子SPA! / 2024年9月12日 15時46分
-
土田晃之 上島竜兵さんは「リアクション嫌がってた」も…“対戦相手”知ると「だったらやるよって」
スポニチアネックス / 2024年9月6日 12時48分
ランキング
-
1「なぜ干されない」不倫を繰り返す斉藤由貴に不公平の声、芸能界からなぜ消えない
週刊女性PRIME / 2024年9月19日 20時30分
-
2「さらば」森田哲矢、600万円貸している後輩芸人と共演で暴露「税金が払えなくなったって言って…」
スポーツ報知 / 2024年9月19日 22時47分
-
3「ポケモンへのリスペクトもクソもない」 蒸し返される「パルワールド」開発会社代表の過去投稿...任天堂の提訴で
J-CASTニュース / 2024年9月19日 19時46分
-
4ワンオクTaka 味スタライブに“音聞こえない”苦情殺到し釈明「デシベル制限が…非常に難しいんです」
スポニチアネックス / 2024年9月19日 17時51分
-
5松本まりか怪演『カテコワ』は3位!今「見逃し配信」で見られている人気ドラマランキング!
女子SPA! / 2024年9月19日 15時46分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください