<「花咲舞が黙ってない」でコレが観たい!>オネエの金融庁主任検査官・黒崎と花咲舞の「直接対決」
メディアゴン / 2015年8月17日 7時10分
柴川淳一[郷土史家]
* * *
日本テレビのドラマ「花咲舞が黙ってない」の主人公、東京第一銀行臨店班行員「花咲舞」(杏)は持ち前の正義感から悪事を目にすると黙っていられない。
作者の池井戸潤は、
「どうせ、おっさんの小説家が若い娘の心理描写なんか出来るわけないからと居直って、『花咲舞』を思いっきり男前の性格に描いた。」
そうだ。初出は「ニッキン」(日本金融新聞)の新聞小説「花咲舞が黙ってない」である。
新聞小説の方が古く、テレビシリーズ化は何年か遅れてのスタートだった。初めてテレビで杏が演ずる花咲舞を見た時、あまりに小説のイメージ通りで驚いた。
先日、「花咲舞が黙ってない」第六話を見た。今回は敵が二人いる。東京第一銀行深川支店・田山支店長と本部検査部与信検査主任・氷室(東幹久)の二人である。支店長の悪事は舞と同期の支店融資課行員の奮闘によって証拠の借用書を入手することにより暴かれる。
田山支店長は相馬(上川隆也)に糾弾され悪事を認める。検査部氷室主任(東幹久)の悪行は「迂回融資」をした田山支店長を恐喝し口止め料50万円をせしめた事である。しかも、氷室は「東京第一銀行の正義」を振りかざしながら、裏では、立場を利用した恐喝の常習犯だった。
恐喝金員受領の現場写真まで見せられて、尚、居丈高に喚き散らす氷室主任に対して、舞は、
「あなたのような人がいるからこの銀行はいつまでたっても良くならない!!」
と言葉を浴びせかけてやり込めてしまう。与信検査の頂点で権力者として傍若無人に振る舞ってきた氷室主任が、ガックリとうなだれるシーンは東幹久の熱演であった。
きっと、支店長の迂回融資と検査主任の恐喝という二つの事件は実話をもとに書かれたに相違ない。俳優達の熱演が筆者にそんな想像をさせた。
余談ながら、今回、東幹久が演じた銀行検査部主任検査役と、ドラマ「半沢直樹」(TBS)シリーズで六代目片岡愛之助が演じた金融監督庁主任検査官とは全く別の役職である。
金融監督庁主任検査官は、日本の金融行政庁における金融機関の検査指導部門の最高権力者だ。その辺の銀行の頭取の首を飛ばすくらいのことは朝飯前だ。以前、大手都市銀行が銀行の内部資料を隠匿して「検査妨害」として金融監督庁より、ペナルティーを受けたことは記憶に新しい。
視聴者の夢だが、あのちょっとオネエの金融庁主任検査官・黒崎と花咲舞の「直接対決」を見てみたい。しかし、それは原作者の池井戸潤先生にお願いするよりないだろう。
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