<ユニセフと日本ユニセフ協会で違う募金の行方>恵まれない子どもに必要なのはお金ではなく教育だ
メディアゴン / 2015年9月27日 7時30分
江川達也[漫画家]
* * *
「黒柳徹子さんの『ユニセフ』とアグネス・チャンの『日本ユニセフ協会』の違いが酷すぎる!!!」というインターネットの記事を読んだ。
(編集部註:「ユニセフ」および「日本ユニセフ協会」は恵まれない子供たちなどに対し、寄付された募金を送金し支援を行う慈善団体である。しかし、国連ユニセフから親善大使として任命された黒柳徹子氏が窓口を務める「ユニセフ」は募金を100%海外の「ユニセフ本部」に送金しているのに対し、アグネス・チャン氏が親善大使を務める「日本ユニセフ協会」は集めた募金の約25%を経費として計上していることを当該記事で指摘している。さらに当該記事では、アグネス・チャン氏の豪華な自宅を公開し。そういった理由により、両団体の違いがネットで話題となっている、という内容)
サイトの信憑性はおいとくてしても、募金には気をつけよう。
その昔、筆者も「交通遺児育英募金に協力してくれ」と同級生に頼まれたので、募金箱を持って元気よく募金活動をしていたら、ある人に「募金活動せずにおまえが働いてお金を寄付しろ。」と道ゆく人に言われた。
筆者もバイト代から一万円、交通遺児育英募金に寄付したのだが、その後、その募金活動を頼んで来た同級生が贅沢な旅行に行くのを知って愕然とした。「わたしだって、楽しみたい」って言っていたが、内心「俺より遥かに贅沢か」と思った。
その同級生は、交通遺児育英募金を貰ったり、返さなくていい奨学金をもらって大学に行っていたが、バイトもしてそれなりに収入ができたのだろう。だが、せめて、何らかのお金を貰っている期間は、贅沢はひかえるべきではないか、と思った。貰わなくなった時点で稼ぐようになってから贅沢すべきではないか。
ところで、募金して集めたお金がほとんど困っている人に渡されず、集めた人が贅沢な生活をするために使っている組織が多いようである。いくつか、そういう集団を知っているが、名前はあえて言わない。ネットで調べると結構出て来ると思う。
本当に恐ろしい世の中である。というか、実際仕事でも、仕事している人には賃金は払われず仲介業者が殆ど持って行ってしまうのが世の中でもある。
ホワイトカラーというのは「仕事が泥棒のようだ」と思う。クリエイターを名乗る人も他から泥棒してきて、さも「自分が作りました」みたいなこと言って大金を貰っている。
最初にクリエイティブなことした人は、大体が不遇でお金も入らない。ただし、誰も知らないけど「誇り」を自身で持てる幸せがある。それだけだ。栄光なき矜持がそこにある。
本当に誰かのために出した募金がちゃんと困っている人を助ける為に有効に使われているかどうかきちんと確認した上で募金すべきだろう。ネットの記事もどこまで信用出来るかわからない。
アグネスチャンさんも悪い人じゃない可能性も高い。中傷かもしれない。いろんなことを吟味してから募金はするべきだろう。
困っている人を助けるとそれ以降、その困っている人が乞食やタカリになってしまうこともある。自分で生きられる自立した状態に持って行くことが必要だ。
だから、教育が一番大事だとは思う。しかし、「学校を作ればいい」とだけ思っている人も間違いだ。大事なのは、その教育内容だ。
教育内容や目標。そしてどうやって教育するかの具体的方法を考えることが最も必要なことである。そこら辺を考えるためには深い勉強が必要になって来る。
お金を出せばいいってもんじゃない。すべては、教育。育教だ。目指す哲学が大事なのだ。黒柳徹子さんの通っていた巴学園はとても素晴らしい学校だな、って思う。一方で、アグネスチャンさんのいつもの発言はとんちんかんで同意出来ないものばかり。
これが筆者の意見だ。
筆者が読んだサイトの真偽はわからない。読んだ人がご自身で判断してほしい。筆者は筆者の判断でどこかには募金はしている。みなさんもみなさんの判断で募金すればいいし、したくなければしなければいいと思う。
しかし、募金より商売や教育や創作活動で社会貢献したほうが良いというのが筆者の考えである。
(本記事は、著者のFecebookエントリを元にした編集・転載記事です)
(江川達也)
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