<「少年ジャンプ」の構造>ヒーローの正義は暴力を使って殺人する「言い訳」
メディアゴン / 2015年9月30日 7時30分
江川達也[漫画家]
* * *
幼稚園の頃から、正義のヒーローを漫画や映画で見ると、
「これを作っている人は頭が相当悪いんだなぁ。」
と思っていた。
「正義は、暴力を使って殺人をしたがっている人の『言い訳』でしかない」
と思っていた。暴力的な欲求を満たす為に「正義」は使われる。そうじゃないものを殆ど見ない。
基本的にヒーローものの主人公はジャイアンなのだ。まわりの知能の低い「仲間」がその下衆な欲望を支持してくれるというおまけ付きの。
「少年ジャンプ」の人気漫画は、下衆な欲求を主人公が満たす為に、たくさんの言い訳を用意して描かれている。その構造に読者が気がつかないほどよく売れる漫画だ。
「少年ジャンプ」だけではない。すべてのエンターテイメントはそういう構造になっている。そういう構造を読者に自覚させるととたんに人気は落ち、連載は終了する。
現実社会を生きるにあたって、「醜悪なる正義の構造」の客観度をあげて、他のいろんな視点から見ることができるような人じゃないと世の中は読めない。
自分の主張を熱くなって語る人は、基本的に馬鹿だと思っていい。
・・・と、幼稚園の頃に思った。漫画家として生きにくい世の中だ。
(本記事は、著者のFecebookエントリを元にした編集・転載記事です)
(江川達也)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
カズレーザー、ある欲求を叶えるため店員に“まさかの一言” 「殺人じゃねぇかよ」
Sirabee / 2024年11月20日 17時45分
-
「世の中の不条理や人間の欲望」を浮き彫りにする…イ・ウォンテ監督、韓国ノワールの傑作『対外秘』を語る
ORICON NEWS / 2024年11月20日 8時30分
-
書き進めるうちに感じた、自分なりの警察小説への手応え『こぼれ落ちる欠片のために』本多孝好
集英社オンライン / 2024年11月10日 11時0分
-
半グレの恐喝、薬物や賄賂。裏社会の取材で学んだ“生きるヒント”とは
日刊SPA! / 2024年10月29日 15時53分
-
かつての“勧善懲悪”は廃れ…時代劇の復活は本物か?『八犬伝』『十一人の賊軍』が趨勢を占う(金澤誠/映画ライター)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月29日 9時26分
ランキング
-
1八戸5歳女児死亡の初公判、検察側「母親らは一日一食しか与えず隠れて食べていた女児に暴行」
読売新聞 / 2024年11月26日 15時45分
-
2【速報】共同通信の社長が外務省に謝罪 生稲晃子外務政務官の靖国参拝めぐる誤報問題で
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 19時51分
-
3求人サイトで公募した市長後継候補、原因不明の急病で辞退…あす現市長が記者会見
読売新聞 / 2024年11月26日 16時1分
-
4コロナ新しい変異株「XEC株」はどんなウイルスか 「冬の対策とワクチン接種の是非」を医師が解説
東洋経済オンライン / 2024年11月26日 9時0分
-
5石川県西方沖でM6.4の地震 最大震度5弱 津波被害の心配なし
ウェザーニュース / 2024年11月26日 22時47分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください