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<問われるNHKトップのあり方>NHK籾井勝人会長に元理事たちが「痛烈な苦言」

メディアゴン / 2016年3月24日 8時13分

メディアゴン編集部

* * *

「NHK会長批判やまず」と3月23日付けの朝日新聞が大見出しを掲げて、NHK籾井勝人会長への苦言の内容を報じている。

苦言を呈したのはNHK経営委員たち。NHK経営委員とは「(NHKの)経営に関する基本方針、内部統制に関する体制の整備をはじめ、毎年度の予算・事業計画、番組編集の基本計画などを決定し、役員の職務の執行を監督する機関(NHKのHPより)」つまり、NHKの最高意志決定機関ということ。

籾井NHK会長には、これまでNHKのトップとして問題視された発言は多い。ちょっと思い浮かべるだけでも次のようなものがある。

 「(私用のゴルフで利用したハイヤー代金をNHKに立て替えさせたことについて)何が問題なのですか」
 「(会長就任時、国際放送について)政府が右と言うことを左というわけには行かない」
 「(従軍慰安婦問題について)いいとか悪いとか言うつもりは毛頭ないが、この問題はどこの国にもあったこと」
 「(全理事から日付空欄の辞表を集めたことには)一般社会ではよくあること」
 「(子会社によるおよそ350億円の用地取得計画を団円した理由については)まだオープンにすべきではない段階でもれて、このまま進めてもうまくいかない」

浜田健一郎NHK経営委員長は同局の予算案が衆院総務委員会において全会一致で承認されなかったことについて、

 「受信料で成り立つNHK大変残念なこと」

と述べた。また、NHK専務理事・塚田祐之氏からは退任挨拶で、次のように述べている。

 「この2年間は一体何だったのだろうかと言う思いが募っております。会長の就任記者会見以来相次いで発生する問題、課題への対応に追われ続け、その場その場の対症療法的な対応を迫られました」

その3ヶ月後に退任した理事・技師長の久保田啓一氏は、以下のような言。

 「(籾井会長が就任した)1月から続く異常事態は未だ収束しておりません。速場には少しずつ不安感、不信感、あるいはひそひそ話といった負の雰囲気が漂い始めています」
 「(会長の任免権を持つ)経営委員会こそが責任を持って事態の収集にあたって欲しい」

昨年理事を退任した下川雅也氏は次のような見解を出している。

 「戦前は実質“国営”放送で政府が右と言っても、左という勇気を持たなかった」

いまこそNHKは勇気を持つべきだとおっしゃりたいのであろうか。そもそも「勇気を持たない報道人」などはあり得ない。NHKは民放とは違って視聴率とスポンサー収益に依存した人気商売ではない(と言われている)。人気商売ではないから人心を集められない人物でもトップに居続けることが出来るというのであれば、残念な話だ。

報道機関が権力のチェック機能を有するという本来の存在意義を考えれば、そのトップであるNHK会長の人物のあり方が、今まさに問われているのかもしれない。

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