<キラキラネームは日本の伝統>月(るな)黄熊(ぷう)time(とき)woman(おんな)[茂木健一郎]
メディアゴン / 2016年4月27日 7時40分
茂木健一郎[脳科学者]
* * *
先日、朝日新聞のオピニオン欄に、「月」を「るな」と読む名前を知って驚いた、という90歳の女性の投稿が掲載されていた。そのようなお名前をつけた親御さんに対して、好意を持ちつつ、日本語の変化に驚いていらっしゃる。
「黄熊」と書いて「ぷう」と読ませたりなどの新しい名前は、「キラキラネーム」と呼ばれることがある。時に批判的な文脈で言及される方もいるけど、私はいいのではないかと思う。何よりも、実際にそのような名前のお子さんがいらっしゃる。
ぼくが「キラキラネームもいいのではないか」と思う大きな理由は、そもそも、日本人は、漢字という「外国語」に日本語を当てはめる「訓読み」を「開発」してきたという歴史があるからである。
【参考】メディアが「報道」ではなく「広報」になった国は必ず衰退する[茂木健一郎]
例えば、「開く」の「開」を「カイ」と読む「音読み」は漢字本来の読みだが、それを「ひらく」と読むのはもともと日本語にあった「ひらく」という言葉を、関連した漢字という外国語にあてはめただけである。
そのロジックで言えば、timeに「とき」と振ったり、womanに「おんな」とよみがなをふってもいいはずだが、残念ながら、英語(アルファベット)との関係は、歴史的にそこまで成熟していないということだろう。
「月」に「るな」と振ったり、「黄熊」を「ぷう」と読むのは、漢字と異なる言葉を組み合わせるという日本の伝統的なやり方の延長である。ただ、時代の流れとともに、やまとことば以外の外来語をふるようになったのだろう。
また、そもそも、外来語は日本語においては発音が原音とは違う。「るな」や「ぷう」は、ラテン語のluna や英語のPoohとは音が違っていて、その意味で、すでに「やまとことば」になっているとも言えるだろう。
(本記事は、著者のTwitterを元にした編集・転載記事です)
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