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<熊本震災 便乗犯罪に要注意>放送作家・安達元一氏「震災の被災現場で聞いた気分の悪い話、嬉しい話」

メディアゴン / 2016年5月1日 7時30分

<熊本震災 便乗犯罪に要注意>放送作家・安達元一氏「震災の被災現場で聞いた気分の悪い話、嬉しい話」

メディアゴン編集部

* * *

熊本地震の被災地に向けて、多くの有名人がSNSなどのインターネットを通じて激励のコメントを発表している。

熊本地震でいち早く、自身のブログのコメント欄を「被災者や関係者の伝言板に活用してください」と呼びかけた市川海老蔵。Twitter上で被災地へ向けた激励メッセージ、冷静に行動すること、割れたガラスに注意すること、トイレの故障などを懸念して浴槽に水を溜めておくことなどをツイートしたGACKT。

このような応援の輪が広がってゆく一方で、芸能人や著名人などのSNSによる情報発信に対して、「不謹慎だ」とか「売名だ」といった批判や糾弾も散見される。

そんな中で、放送作家の安達元一氏が少し角度の違った発信をして話題となっている。

「閲覧注意!東日本大震災の現場で聞いた気分の悪い話をします、熊本地震復興の役になにか立てればと思って(http://www.youtube.com/watch?v=FsWldqv9kBc)」、「熊本地震被災現場で頑張っているボランティアの方々に、東日本大震災の現場で私が体験した、いい話を共有します(http://www.youtube.com/watch?v=pZQWhzOp7mE)」と題した安達氏のよる2本のYoutube動画だ。

【参考】<熊本地震で民進党ツイッターが炎上>「中傷ツイートは職員の責任」理論は炎上が加速するだけ

本稿では、動画のエピソードについて、安達氏に直接聞いた。

(安達元一氏)

2011年の東日本大震災直後の現場にボランティアとして活動した安達氏。安達氏がその現場で体験・見聞きした「気分の悪い」エピソードを、熊本地震の現場の注意喚起になればと紹介している。

 「これは私自身も気分悪い話なのでしたくはありません。そして聞いた人も気分が悪くなると思います。嫌な方はこの先は聞かないで下さい」

と前置きしつつ、次のように説明する。

震災直後の現場で、いわゆる「火事場泥棒」が横行したという話。だが、安達氏が話した内容はそんな生易しいものではない。

被災した地域で住民たちが避難してしまっている中、たまたま幸いにも自分の家が無事であった人たちが、自宅に残っているところへ、窃盗団が押し入って住人を殺害して物品を奪うという事件が少なからずあった、という話だ。

地震で死亡したのか、窃盗団に殺されたのか、わからないような混乱の中での恐怖の出来事を、被災者から直接聞いたそうである。熊本の被災現場では、この様なことがないように注意喚起したい、という。

更に驚きなのが、ボランティアを装ったレイプ事件まであったことだ。

ボランティアスタッフを名乗る男達が避難所に訪れ、

 「お風呂の準備が整いました、順番にお連れしますのでこちらへ」

と、被災者の女性を車に乗せ、人気のないところに連れて行き乱暴をしてしまう、という聞くだけでいたたまれない事件だ。

これが事実なら、人の困窮につけ込んだ許されざる悪行だ。もちろん、これは風評や噂の類の話ではなく、安達氏が実際にボランティアとして現地に赴き、現地の人たちから直接聞いた話であるそうだから非常にリアリティがある。

安達氏が現地で直接見聞きした話であるだけに、同じ様なことが熊本の被災現場では絶対にないようにと訴えている。過剰に不安を煽るべきではないが、それでも余震が落ち着きつつある今だからこそ、改めて注意が必要だろう。

【参考】炎上ブーム時代のテレビ作り『だからデザイナーは炎上する』

一方で、安達氏は「気分の悪い話」だけではない、「良い話」も紹介している点は救いだ。ボランティアスタッフが被災者とどのように接すれば、互いが笑顔になれるのかを、自身の経験から示唆している。

東日本大震災の被災地に、ボランティアスタッフとして駆けつけた安達氏は、被災者の方々から「わざわざ助かります、ありがとうございます」と言われるものの、彼らに笑顔になってもらことが出来ず、もどかしい日々を送っていたという。

「笑顔になってもらうなんて、こんな直後に無理なんだろうな」と感じ始めていた時、被災者の方々が笑顔になって、表情が生き生きと輝いた瞬間があったそうである。

それは、被災地に乗り込んだ車が、故障で動かなくなってしまった時のことだ。

「ボランティアが被災地で迷惑かけるなんて最悪だ」と焦っていたところ、現地の『腕に覚えあり』の被災者たちが集まってきて「そこが悪いんじゃないか?」「あの部品を取っ替えよう」「○○さん呼んできてよ、彼なら直せるよ」と、顔をつきあわせて見事修理してくれたのだという。

その時の被災者たちの顔が、笑顔と喜びに溢れていたのだという。

「御迷惑かけてスミマセン。でもなんか、楽しそうでしたね?」と問いかけたところ、「私たちはボランティアのみなさんに、なにかをしてもらうのを本当にありがたく思っています。でも、人が本当に嬉しいのは、誰かのためになにかをしているときなんですよ」と、目から鱗の言葉が返ってきた。

 「誰かになにかをしてもらうのより、誰かの役に立っているときがいちばん嬉しい」

この教訓を元に、熊本で頑張るボランティアスタッフに「被災者にのためになにかをするだけではなく、一緒になにかをする、もっと言えば、可能なら被災者にやってもらう」そんなボランティアの姿勢はどうかと提案している。

一日も早い復興を祈る気持ちは全国民共通であろうが、著名人・有名人による被災地支援の発言の多くが「不謹慎狩り」されてしまうことも事実。だからこそ、少し違った角度からの発信をする安達氏のような発言には注目したい。

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