ドラマ「ゆとりですがなにか」に感じるリアリティに欠ける違和感
メディアゴン / 2016年5月11日 7時40分
河内まりえ[ライター]
* * *
何が言いたいのかよくわからないけれど、なぜか見てしまうドラマ「ゆとりですがなにか」(日本テレビ)。
筆者はドラマの主人公と同じ1987年生まれであるが、早生まれなので、いわゆる「ゆとり世代」ではない。だが、年代が近いことから「ゆとり世代」というレッテルを貼られたことも度々あった。このドラマは「ゆとり世代」という言葉に惹かれて観たわけだ。
このドラマは、筆者としてはどうしても気になってしまうことがあって、途中から話に集中できなくなってしまった。
その気になってしまうこととは、坂間正和(岡田将生)がまったく部下に接しているように見えないという点である。
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第2話で同僚の山岸ひろむ(大賀)が電車に飛び込んだと勘違いした坂間は「それ、僕の部下です」と言う。第1話でまるで後輩のように接していたのに、急に「部下」という設定になってしまう。
そもそも、坂間は仕事ができないから、本社から店舗に異動させられたという設定だった。それなのに、部下がいるというのは不自然すぎる。それに、坂間の役職も明かされない。上司という設定であればなんらかの役職がついていないと説得力に欠けてしまう。
坂間のセリフも「部下」と言ってみたり、「後輩」と言ったりと統一感が全くない。相手によって変えているようにも見えるが、設定としては生かされていない。
坂間が山岸に接する態度はあくまで後輩に向けるものにしか見えない。もしかして、作り手側が会社のイメージを持っていなかったから、リアリティに欠ける設定になったのかもしれないと感じた。
また、このドラマは第四話まで観ても、視聴者に何を伝えようとしているのかが、いまいち、つかめない。主題歌『拝啓、いつかの君へ』(感覚ピエロ)の「あんたの正義は一体なんだ」という象徴的な歌詞もドラマと上手くリンクしていないように見える。
ドラマの主題がまだ見えてこない中で、ただ何となくゆとり世代の日常が流れていくことがおもしろさなのかもしれない。
「ゆとり世代」というキーワードやキャラクター設定などは興味深い。だが、このままの調子でラストまで話を動かせるのか少々心配になってくる。これからの展開に期待をしながら見守っていきたいと思う。
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