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<ベッキーが芸能活動復帰?>不倫よりも「人が見ていないところでは態度が違う人」と思われていることが問題

メディアゴン / 2016年5月12日 7時30分

矩子幸平[ライター]

* * *

「ゲスの極み乙女。」川谷絵音との不倫騒動・・・というよりも不倫やその報道を茶化した「卒論騒動」による影響でタレント活動休業中のベッキー。5月11日に複数のスポーツ紙が「ベッキーが『金スマ』で芸能活動復帰」を報じた。

『金スマ』とは、SMAPの中居正広が司会を務め、ベッキーが不倫騒動で休業するまでレギュラーを務めていた「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS)のことだ。すでに収録にも参加し、撮影を終えているとの報道もある。はたまたこれから都内で撮影の予定という報道も。

真実はすぐに判明するのであろうが、いづれにせよ、極めて近い段階で、ベッキーの芸能活動復帰は叶うことになるのだろう。

休業の発表からおよそ3ヶ月という期間が不倫問題を起こしたタレントの「禊(みそぎ)期間」として短いのか、長いのかは判断の分かれるところだ。しかし、筆者としては、不倫という「大人の情事」などは大した問題ではなかろうが、「騒動の重みを軽視した言動」「優等生キャラの裏の顔」という部分に関しては、不倫そのもの以上に心象も悪く、「禊期間」は長引くように思う。

【参考】<誰が一番「下衆」か>ベッキー、ゲス川谷、川谷妻それとも視聴者?

不倫報道後でもLINEで繰り返された騒動・報道を茶化したり、軽く見たりするようなメッセージが流出したことで、「略奪愛」「不倫」云々といった問題以上に、社会からのベッキーへの信頼感は著しく低下した。

復帰に際して、どんなに誠意をもった表現や言葉を駆使した記者会見をしようが、「でも、LINEでは何を言ってるかわかりゃしない」「陰では不満を言ってるんでしょ?」と思われることは確実だ。

嘘をつく、表裏がある、陰口を言う、人が見ていないところでは態度が違う・・・などなど、人間として信頼されなくなる条件にはいくつかある。不倫もさることながら、シビアな騒動を茶化したり、相手をバカにしている「本心」がバレてしまうと、人間としての信頼性は致命的に低下する。

ベッキーが失った信頼と視聴者からのニーズは、「不倫をしたこと」にではなく、むしろ「人が見ていないところでは態度が違う表裏がある人」と思われてしまったことにあるはずだ。

もちろん、一時期の批判のピークは過ぎ、「炎上状態」も鎮静化しているようにも感じる。所属事務所としても稼ぎ頭であるベッキーを1日も早く「騒動以前」に戻すために、どうにかして復帰のタイミングや方法を探っているはずだ。ただし、不倫を「炎上」させたベッキーにとって、その道は通常の「芸能人の不倫問題」とは比べものにならない困難を伴うはずだ。

不倫という「どこにでもある問題」が、人格否定/全否定にまで至る「炎上」となった引き金は、ベッキー&ゲス川谷のLINEのやりとりの流出だ。「卒論」「センテンススプリング」「レッツ・ポジティブ」などのキーワードに象徴される、ベッキーのテレビでの「優等生ぶり」とは異なる印象が露呈したLINEでのメッセージ群。

これまで「優等生キャラ」であっただけに、その反動も大きい。ピークは過ぎたとはいえ、まだまだ炎上要素は残りそうだ。果たして彼女の「炎上」は鎮静化しているのか、あるいは鎮静化するのだろうか。

「だからデザイナーは炎上する」(中公新書ラクレ)の著者で、ネット炎上に詳しい東洋大学・准教授の藤本貴之氏は次のように述べる。

 「ネットで批判されたり騒がれる程度では『炎上』ではありません。『炎上』とは、リアルな社会や生活にまで波及してゆく状態のこと。そう考えると、『炎上』とはそうそう起きない。むしろ、マスコミは『炎上』という言葉を乱用しすぎかもしれません。一方で、本当に『炎上』してしまった場合、その結末は凄惨です。五輪エンブレム騒動の佐野研二郎氏、STAP細胞問題の小保方晴子氏などを見ればそれは明らか。そして本当に『炎上した』場合の最大の困難は、その批判のエネルギーに賞味期限がない、ということです。忘れたと思っていても、いつでも時間差を感じさせないエネルギーで再燃する。何かあれば時間を超えて、昨日のことのように話題にされ、引き合いに出される。つまり鎮静化しないのが『炎上した』なのです。ベッキーさんの場合、典型的な『炎上した』パターンでしょう」(東洋大准教授・藤本貴之氏)

確かに、過去の例を見れば、本当に「炎上した」のか、それとも「単なるネットで批判」であったのかは、その後の経緯を見れば明らかだ。例えば、タレント・矢口真里は、不倫騒動が「炎上した」ことで、騒動から3年を経た現在でも、視聴者の反発からCMの放送中止騒動が起きている。

【参考】<ベッキー不倫報道>「離婚届」を「卒論」と置き換える隠語利用の「下衆」なイメージ

今後、早い段階でベッキーの復帰プロジェクトは様々に画策されてゆくだろう。また、彼女を支持したり楽しもうとする層も決して少なくないだけに、提供される機会やチャンスは決して少なくないはずだ。

しかし、「炎上したベッキー」が、そのチャンスを生かそうとするたびに批判され、苦情が起き、続々とそのチャンスは塞がれる危険性は濃厚だ。「炎上」が簡単に再燃する可能性も小さくない。

復帰の機会とチャンスが多そうなだけに、それがことごとく「民意」によって潰されてしまうネット世論が形成されてしまうとすれば、ベッキーの苦難は、これまでになく長引いてしまうかもしれない。

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