<日本は大丈夫か?>英国のEU離脱論議に見る民主主義の原則[茂木健一郎]
メディアゴン / 2016年6月23日 7時30分
茂木健一郎[脳科学者]
* * *
EU離脱をめぐる英国の国民投票が、現地時間の6月23日(木)に行われる。残留、離脱の議論が拮抗していて、どういう結果になるか予断を許さない情勢である。
そのEU離脱をめぐる議論は、英国内で延々と続いており、EUを離脱した際の英国のメリット、デメリットや英国の将来の国家像などが論争されている。その中で、人々は自分なりの判断をして投票することになるのだろう。
EU離脱に賛成か、反対か、ということは議員のレベルで見れば、保守党、労働党などの党とは関係なく、個々人の判断になっている。たとえば保守党党首で現首相のキャメロンさんはEU残留派だが、同じ保守党で前ロンドン市長のジョンソンさんは、EU離脱派である。
EU残留か、離脱かという、国政の重大事については、
(1)十分な期間をとって、明示的な議論をする
(2)議員は所属政党に関係なく、それぞれの良心、見識に従って投票をする
という「原則」が貫かれている。これは当然のことだろう。
さて、日本の政治を見ると、憲法改正の是非がどうやら「隠れた」争点のようである。なぜ「隠れた」かというと、今回の参議院選で、表立った争点としては提出されていないからだ。
【参考】EU離脱をめぐる英国の議論に見る「日本の民主主義」の未熟さ[茂木健一郎]
さらに、事前に、改憲に積極的な政党と、消極的な政党の議員数が争点だと報じられている。しかし、そもそも憲法改正という重大事は、個々の議員の判断で決まるべきであり、政党の議員数の数合わせだけで結果が予測できるというのは、おかしな話だろう。
国政の重大事については、(1)十分な期間をとって、明示的な議論をする(2)議員は所属政党に関係なく、それぞれの良心、見識に従って投票をするということは、立場に関係なく認められるべき「原則」であるはずだ。日本の「民主主義」において、これらの原則が守られることを、心から望む。
(本記事は、著者のTwitterを元にした編集・転載記事です)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「石丸新党、ヒヤヒヤ、ドキドキしながら見守る」国民民主党榛葉賀津也幹事長
Japan In-depth / 2024年11月23日 0時5分
-
外務政務官就任の英利アルフィヤ氏、「日本保守党攻撃の呼びかけ」デマ拡散「偽情報です」
日刊スポーツ / 2024年11月18日 9時10分
-
「玉木雄一郎首相説」が爆誕する体たらくぶり…万事休すの石破茂首相を待ち受ける「最悪のシナリオ」
プレジデントオンライン / 2024年10月31日 17時15分
-
「石破首相」を選んでも地獄、「野田首相」を選んでも地獄…国民民主・玉木代表がこれからたどる"いばらの道"
プレジデントオンライン / 2024年10月30日 11時45分
-
「投票したい政治家も、政党もない」と絶望している人たちへ…ひろゆき「ダメな政治家から自分を守る方法」
プレジデントオンライン / 2024年10月27日 7時15分
ランキング
-
1池袋暴走事故の飯塚幸三受刑者(93)が死亡 松永拓也さん「後悔や経験の言葉を託された。死を無駄にしたくない」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月25日 11時38分
-
2兵庫・斎藤知事、違法性改めて否定 PR会社へ金銭支払い
日テレNEWS NNN / 2024年11月25日 16時13分
-
3和歌山知事が国民民主党を批判 年収の壁巡り「無責任」
共同通信 / 2024年11月25日 16時28分
-
4「佐渡島の金山」の追悼式には不参加 韓国側が佐渡市で独自の追悼行事 《新潟》
TeNYテレビ新潟 / 2024年11月25日 12時1分
-
5「自らアピール」が自爆、斎藤兵庫県知事をPRしまくった女性社長が慌てて削除したもの
週刊女性PRIME / 2024年11月25日 11時51分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください