<あなたはどっち?>選挙の勝敗から考える「与党体質」と「野党体質」[茂木健一郎]
メディアゴン / 2016年7月12日 7時30分
茂木健一郎[脳科学者]
* * *
開票速報を見ていて、「ああ、そういえば」と思い出したことがあった。20歳で選挙権を得てから今日まで、おそらく20余回の「国政選挙」があったと思うが、自分が投じた側が「勝った」ことよりも、「負けた」ことの方が多いように感じる。
毎回、自分の投じた側が「負ける」と信じて投票しているわけではないのだけれども、だいたい、開票速報を見ていると、「あ〜負けなんだ」と思うことの方が多かった気がする。だから、選挙で「負ける」ことには実は慣れている。
それで、ふと思ったのだけれども、世間の人には、逆に毎回自分が投票した側が「勝つ」よ、という人もいるはずで、むしろそのような人の方が多いのだろう。そのような人が、「与党体質」だとすると、ぼくはきっと、「野党体質」なのだろう。
【参考】<三宅洋平氏落選>実態なき支持層が産み出した「選挙フェス」という都市伝説
「与党体質」の方が精神衛生上良い、という側面もあるだろう。何しろ、自分の考えたように、主張したように世の中が動いているのだから痛快である。自分が多数派に属しているという安心感もある。「野党体質」は、異議申し立て、少数派の方だから、なんだかいつも肩身が狭い。
「新卒一括採用」に賛成、「偏差値入試」に賛成で、新卒一括採用がいかに効率よく、すばらしいか、偏差値入試がいかに子どもたちの脳を育むか、という話ばかりしていたら、ぼくはもっとラクだったかなあ、と思う。まあ、そうも行かないので、こんな人生を送っている。
あと、社会の多数がある方向に行こうとしている時に、その時流に合った発言をしたがるのか、それとも敢えて異なる方向の発言をしたいのかという差もあると思う。私は、どちらかと言えば逆のことを言いたくなることが多いようだ。
「与党体質」か「野党体質」か、という視点でさまざまな組織、人を見ると、いろいろな人間模様がそこに表れて、面白い。
多様性の尊重、ということがしばしば言われるが、多数決の民主主義は実は野党体質よりも与党体質に優しいということは、与党体質の人は案外気づきにくいのだと思う。
(本記事は、著者のTwitterを元にした編集・転載記事です)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
自民党総裁選 JNNの取材で明らかになった国会議員票の動向でトップは小泉進次郎氏…あとを追うのは小林鷹之氏【news23】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月17日 12時37分
-
派閥解消でゲームチェンジの自民党総裁選~“カオス”選挙の行方を左右するものとは~【調査情報デジタル】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月14日 7時0分
-
越境攻撃下のクルスク州知事選で与党側勝利 プーチン政権、露統一地方選で「圧勝」演出
産経ニュース / 2024年9月9日 19時13分
-
茂木健一郎氏 悠仁様めぐる報道に「看過できない」「特権とかいうのは本当に心が貧しい」
東スポWEB / 2024年8月27日 17時39分
-
ベネズエラ最高裁、マドゥロ氏の大統領選勝利を認定
ロイター / 2024年8月23日 11時50分
ランキング
-
1遺体の頭を金属の棒で突き、頭蓋骨が崩れる…岐阜市斎苑「きれいに火葬するためだった」
読売新聞 / 2024年9月20日 12時33分
-
2一家3人殺害、孫を鑑定留置=来年1月まで―静岡地検支部
時事通信 / 2024年9月20日 15時6分
-
3救急車のフロントガラス壊す・酔った患者の家族が暴行、消防隊への妨害が5年で96件…東京消防庁
読売新聞 / 2024年9月20日 16時48分
-
4歌舞伎町で若い男女2人死亡 ホテルの外階段から転落か
毎日新聞 / 2024年9月20日 11時17分
-
5官僚に聞いた「首相になってほしい人物/なってほしくない人物」。“高圧的”と噂のある候補は軒並み不人気
日刊SPA! / 2024年9月20日 8時54分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください