<都知事選>泡沫候補だけを集めたテレビ討論会の可能性
メディアゴン / 2016年7月13日 7時50分
高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]
* * *
7月12日に放送されたTBS「Nスタ」が都知事選に出馬表明している、小池百合子氏、宇都宮健児氏、増田寛也氏、鳥越俊太郎氏による討論会をいち早く実施した。その志を筆者は賞賛したい。
NHKに先んじて4人を揃えたスタッフはすばらしい機動力である。裏番組は大相撲だから、視聴率は取れないだろうが、こういう真正面からの企画を続けることが将来の番組の力になるのは間違いない。
4者の討論会は、それぞれが「都知事という職務」に具体的イメージをきちんと持っているかどうかが分かって興味深かった。
【参考】<AKBな都知事選>石田純一という「軽い神輿」を誰がかつぐのか?
筆者がこのような時に、誰を選ぶかの判断をする基準にするのは「前の仕事が行き詰まって立候補したのかどうか」である。前の仕事が行き詰まって立候補した人にろくな者はいない、というのが筆者の考えだ。4人の出馬表明者のうち、誰が「前の仕事が行き詰まって出馬表明した人か」はここでは言及を避けておこう。
さて、次の話は鳥越俊太郎氏のことではない、と断って論を進める。よくジャーナリストやコメンテーターから立候補する人がいるが、この場合大抵、マスコミ人として行き詰まったからである。その上ジャーナリストは「外側から見る仕事」なので、内側の仕事になる政治家としてはあまり向いていないのではないか、と筆者は思う。ジャーナリスト出身で大物政治家になった人はいない。
行き詰まり系には他に、元プロレスラー、元学校の先生、元女優、元歌手、元オリンピック選手、元小説家などがいる。これは過去の「話題の立候補者たち」の顔を思い浮かべてみれば分かる。
さて、テレビ放送による公開討論会は候補者同士が意見を交わし合う、一方的な意見陳述ではない分、候補者のことがよく分かる、選ぶ参考になる。これはぜひ、どんどんやって欲しい、というのが筆者の考えだ。
【参考】<三宅洋平氏落選>実態なき支持層が産み出した「選挙フェス」という都市伝説
しかしながら、今回の「Nスタ」のテレビ討論は、告示前だから出来た番組である。なぜなら、7月14日の告示後は公職選挙法によってこれが行えなくなるというのがテレビ業界の弱腰の判断だからである。(公開討論は長崎県知事選挙の時、長崎文化放送が放映したことなどがある)
その根拠とするのは公職選挙法第151条の5 「選挙運動放送の制限」である。
「何人も、この法律に規定する場合を除く外、放送設備(広告放送設備、共同聴取用放送設備その他の有線電気通信設備を含む。)を使用して、選挙運動のために放送をし又は放送をさせることができない。」
もうひとつは、候補者に対する公平性についてである。今回の都知事選では4氏の他にもいわゆる泡沫候補がたくさん立候補するだろう。しかし、これらの人々を無視して4氏だけの公開討論会を放送するのは不公平だ、という考えだ。
ならば、と言うことで「構想日本」が面白い提案をしている。深夜に長時間の枠を取って「泡沫候補だけの討論会」を実施すればよい、という提案だ。テレビ屋の感覚として、これは面白い番組になる、と思う。視聴率も取れるはずだ。
これを実施しておけば、有力候補だけの討論会をやっても不公平にはならないだろう。これを実現させる勇敢なテレビ局が登場してほしいものだ。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
自民党総裁選、高市早苗氏大躍進で永田町騒然! 数千万円かけた「DM大作戦」の中身
週刊女性PRIME / 2024年9月19日 17時30分
-
事前運動すら制限できず...「刷新感」なし やりたい放題の自民総裁選に元「泡沫候補」失望
J-CASTニュース / 2024年9月18日 12時0分
-
岩田明子 さくらリポート 自民総裁選「史上最大の乱戦」に 重み増す党員の地方票 世論調査で人気の石破氏・小泉氏・高市氏、有力3候補の〝強みと弱み〟
zakzak by夕刊フジ / 2024年9月11日 6時30分
-
まともな候補が一人もいない…元東京都知事が「小池・蓮舫・石丸の三氏はいずれも問題がある」と断じる理由【2024上半期BEST5】
プレジデントオンライン / 2024年9月3日 16時15分
-
「新鮮味ない」立憲代表選、自民"お祭り騒ぎ"に埋没 政権交代にらみ「昔の名前」ばかりが前面に
東洋経済オンライン / 2024年8月29日 8時0分
ランキング
-
1【世良公則インタビュー】桑田佳祐発案“同学年コラボ”の裏側「無条件にあなたの案に乗るよと言ったら1週間後には“こんな曲でやりたい”と持ってきてくれた」
NEWSポストセブン / 2024年9月23日 6時59分
-
2藤ヶ谷太輔、中居正広の“謎行動”告白 キスマイとの食事会秘話明らかに
モデルプレス / 2024年9月23日 11時24分
-
3「チクショウ、と思った」菅田将暉、大先輩・役所広司への恨み
スポーツ報知 / 2024年9月23日 8時30分
-
4「朝ドラ史上最高傑作」が再放送スタート ネット反響「初回から泣いた」「冒頭3秒で涙」「主題歌ビックリ」
スポーツ報知 / 2024年9月23日 12時10分
-
5暴露系インフルエンサー「滝川ガレソ」 星野源関連の投稿を謝罪 アミューズは文書を公表
スポニチアネックス / 2024年9月23日 4時53分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください