1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

<無知か?暴論か?>続出するテレビに出る人たちの「びっくり発言」

メディアゴン / 2016年7月16日 7時30分

両角敏明[テレビディレクター/プロデューサー]

* * *

舛添さんが発した珍妙な釈明の数々にも驚きましたが、それ以降もあちらこちらでぬけぬけとびっくり発言が続いています。

沖縄で落選した島尻安以子沖縄・北方領土担当相は選挙戦で基地問題にはほとんどふれない戦術をとりました。何の罪もない女性が殺害される悲惨な事件があり、地位協定の改定などが問題化している中で、「台所から政治を変える! と訴えたが浸透しなかった」という敗戦の弁も沖縄での選挙を戦った政治家の発言としてはびっくりです。ましてや現職の沖縄担当大臣です。

7月10日の参議院選開票特番では、テレビ東京の池上彰さんの質問に驚きの発言が次々と出て来ました。

元SPEEDのメンバーで沖縄出身の今井絵理子さんは立候補するまで沖縄の問題にあまり関心がなかったことを恥ずかしげもなく堂々と発言。

三原じゅん子さんは、神武天皇を神話上の存在ではなく実在した人物とした上で、神武天皇が建国したときからの歴史を受け入れた憲法を作りたい、と発言。

まだまだあるのですが自民党は大丈夫でしょうか。

【参考】<三宅洋平氏落選>実態なき支持層が産み出した「選挙フェス」という都市伝説

そう言えば、都知事選で小池百合子さんへの支援を封じるために自党議員に出した「都知事選挙における党規の保持について」という文書にはびっくりです。

自民党都連会長の石原伸晃経済再生担当相や都連幹事長の内田茂都議らの連名で出されたものです。この文書には党公認・推薦候補者以外の者を応援してはならない、とした上で、

 「各級議員(親族含む)が非推薦の候補を応援した場合は除名等処分の対象となる」

と明記されています。これではトンデモ文書と言われても仕方がないのでは。それにしても親族まで縛るというのは本気なのでしょうか。

憲法草案ではかなり私権を制限しようとしている自民党ですから、現行憲法で保障された政治信条の自由などは無視されるのかもしれません。

この文書を出した石原伸晃さんが13日にTBSラジオの『荒川強啓デイキャッチ』に出演されました。この時の発言はなんとも意味不明でした。

番組中、この文書について石原氏は、

 「間違った報道です。家族まで関係するとか、そういうことはなくて。党の推薦候補が決まったら、党人は全員応援するのが当たり前です。違う人を応援したいというのは自由だが、党の組織の中にはいられなくなるのも事実です。(中略)政党人は、自分の行動に責任をもって行動している。ましてや、ご家族が除名になるなんていうことは、一般のかたで、今まで一人もいませんし、そんなこともありません。」

まず、一連の報道のどこが「間違った報道」なのかがまったく不明です。この文書には「各級議員(親族含む)が」と明快に書かれています。報道はそのまま伝えているだけです。それを理由も示さず報道が間違っていると強弁するのは報道に対してたいへんに失礼です。

さらに石原さんは、「ましてや、ご家族が除名になるなんていうことは、一般のかたで、今まで一人もいませんし・・・」と言っていますが、これも良くわからない発言です。

自民党議員の親族が必ずしも自民党員とは限らないのですから、党員でもない「一般のかた」を党が「除名」できるわけがありません。それ以前に、そもそもこの文章を素直に読めば、除名されるのが「一般のかた」とはとても受け取れない文章です。

 「各級議員(親族含む)が非推薦の候補を応援した場合は除名等処分の対象となる」

という文言は、議員の親族が非推薦の候補を応援した場合には議員本人が除名処分等の対象となる、と読める文章です。仮に、石原伸晃さんに奥様やお子さんがいらして、その方が小池さんや鳥越さんを応援したら、石原伸晃さんご自身が除名処分の対象となる、と書かれた正式文書です。それを石原伸晃さんがお出しになったということです。

【参考】<選びようがない都知事選>76歳の記者・鳥越俊太郎、クールビズ・小池百合子、単なる官僚・増田寛也

憲法で保障された基本的人権を無視し、一族連帯責任を記した時代錯誤と受け取れる文書を天下の公党が正式文書で出して、その責任者が根拠もなく「報道が間違っている」と言い張り、さらにとんちんかんな弁明を続けるのはいかがなものでしょうか。

未だこの文書は取り消されていないようです。

もうひとつ都知事選に絡んでどっきりした発言をご紹介します。14日のテレビ朝日系列『ワイドスクランブル』のコメンテーター、内科医で作家という肩書きのおおたわ史絵さんのコメントです。鳥越俊太郎候補の「ガン検診100%を実現したい」という主張を受けてのものです。

 「がん検診率を100%にしたら発見率が上がりますね。そうすると病気の早期発見の方が増えて助かるのは良いんですが、そこにかかわってくる医療費というものは莫大なものに膨れあがります。検診を受ける助成金だけでも莫大なのにプラス医療費が莫大になる。今でも足りない医療費をどこから持ってくるか、どこにしわ寄せが来るのか・・・(後略)」

もしかして財源まで含めて語れ、というご主張なのかもしれませんが、そうだとしても舌足らずで、この発言では、予算が莫大になるので行政は検診などせずに放っておけ、という主張とも受け取られかねません。

命や健康を守ることこそ行政の基本中の基本で、お金の問題で疎かにして良いものではありません。しかもガンにかぎらず病気は検診などによりできるだけ早期に発見し、初期のうちに治療する方が医療費は縮減できる、というのが一般的に言われていることだと思います。

おおたわ史絵先生のお言葉は、命と健康を守るお医者さんの発言だけに聞いていてびっくりしました。おそらくは誤解とおっしゃるのでしょうが、誤解を生まないロジックで話をする能力もテレビコメンテーターには必須の素養でしょう。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください