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「ポケモンGOの人気も下火になりましたね」と言いたがる人たち

メディアゴン / 2016年9月22日 7時30分

茂木健一郎[脳科学者]

* * *

このところ、ランニングしていたり、歩いていたりして、前からよく知っている公園を行くと、今まで見たことがないような感じの人たちがあちらにもこちらにもいて、「ああ、ポケモンGOか」と思うことが多い。

先日のお台場の件や、上野公園のことなど、「ポケモンGO」人気はまだまだ健在のようだ。そもそも、位置情報とARを組み合わせたゲーム、ないしは関連技術という「鉱脈」は今後絶対に定着するから、「ポケモンGO」はその一例、先駆けにすぎない。

にもかかわらず、面白いのは、いろいろなところに「ポケモンGOの人気も、下火になりましたね」とか、「ブームもあっという間に落ち着きましたね」と言っている人を見かけることだ。そのような時、私は、黙って、そのように言っている方のプロファイリングを始めることにしている。

【参考】<「ポケモンGO」が生み出す>テレビが作り出せなくなった一体感

一般に、人が何か印象を言うときには、厳密に統計をとっているケースはまずなく、その人の掴み取った現実の一部が、拡大解釈されていることが多い。つまりはその人なりのバイアスが投影されているのであって、だからこそ面白いとも言える。

人々が、「ポケモンGOの人気も、下火になりましたね」と言いたがるのはなぜか? 初期の圧倒的な印象が薄れた、ということかもしれないし、そもそもポケモンGOに好意を持っていないのかもしれない。あるいは、位置依存ARという新しい技術に、警戒心を持っているのかもしれない。

誰かが、「ポケモンGOの人気も、下火になりましたね」と言う時、体重がどれくらい乗っているか、その口調などに注意を向けていると、「ポケモンGO」ブームの客観的な消長よりも、その発言者自身がどのような人かがわかる。似たようなことは、他のさまざまな事象について言えるだろう。

 (本記事は、著者のTwitterを元にした編集・転載記事です)

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