ピコ太郎「PPAP」がネット上で爆発的に広がった理由
メディアゴン / 2016年10月31日 7時40分
茂木健一郎[脳科学者]
* * *
ピコ太郎さんの「PPAP」(Pen-Pineapple-Apple-Pen)が世界を席巻している。本稿ではこのミーム(文化の遺伝子)について考えたい。
ジャスティン・ビーバーさんが「今インターネットではまっている動画」とツイートしたことがひとつのきっかけだと言われているが、ネットのミームを集成するサイトの流れを見ると、それ以前にネット上では広まっていたことがわかる。
鍵となるのは、「本家」であるピコ太郎さんの動画はもちろんだが、多くの「カバー」、「パロディー」が生まれて、それらの動画も多くのビューワー数を稼いでいった、という点にある。「本家」+「カバー」のパワーで、PPAPは一気に広がっていったのだ。
PPAPはカバーやパロディーが、lip dub(口パク)で作りやすかった、ということも一つの大きなポイントかもしれない。ピコ太郎さんの音声トラックを用いて、さまざまな人がそれぞれのPPAPをつくったことで、ミームが一気に広がった。
【参考】ちゃんとしていた「レコード大賞」はテレビとともに消えた?
「本家」であるピコ太郎さんの独特の存在感がブームに火をつけたことは言うまでもない。ヒョウ柄で、サングラスをかけ、ちょっと「こわそう」だけれども、意外とチャーミングで、ナンセンスなことを言う、そのギャップが受けたのだろう。
PPAPのミームは、ドリフターズの荒井注さんのThis is a penに始まる、日本人の拙い英語、という流れを下敷きとしているものの、世界でこの動画を見ている人たちは、必ずしもそのような文脈では見ていないようである。
PPAPを見た子どもたちの反応を集めた動画を見ても、子どもたちは普通に「おもしろい人」「面白いおじさん」と見ていて、そこに、英語が苦手な日本人というローカル的な認識はあまりないようだ。そこがミームとして跳躍している点だろう。
コピー、カバーのやりやすさから、PPAPはネット上に無数の派生動画を生み出しているが、9つの異なるスタイルでPPAPをやる動画が私には面白かった。よく知らないミュージシャンもいて、そっちの勉強にもなったからだ。
(本記事は、著者のTwitterを元にした編集・転載記事です)
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