なぜ民放のバラエティ番組はテレビの画面を「汚す」のか?
メディアゴン / 2016年11月27日 7時50分
茂木健一郎[脳科学者]
* * *
時々、地上波テレビの「悪口」(笑)を書くが、それだけ、未だに重要なメディアであり、しかもメディアとしてはまだ存在しているのだから、できるだけ良くなってほしい、という思いからである。一種の「応援」だと思って欲しい。
最近つくづく思うのは、「日本のアニメ>>>日本の地上波テレビ(特に民放のバラエティ)」ということである。同じ国で、なぜ、これだけクオリティの違うものができるのか不思議なくらい、前者は最近めざましく素晴らしく、後者は惨憺たるありさまである。
民放のバラエティがダメになった理由はいくつかあると思うけれど、一つは、常々指摘している、馴れ合い、ゆるさで席巻しているお笑いの文化のせいだろう。社会的な批評性を伴わないゆるい笑いは、一つのあり方だが、それがモノカルチャーになるとさすがにきつい。
グラミー賞やアカデミー賞の授賞式を見ていればわかるように、向こうのコメディアンは、エンタメのど真ん中でも、きちんとその時々の社会状況や普遍的価値を背景にした批評性を決めてくる。これが日本の地上波テレビにないのは、ほんとうにキツイ。
【参考】ジャンルなき「その他」でしかない日本のバラエティ番組に未来はあるか?
もう一つ、最近の日本のテレビでどうしても理解できないのは、画面、音の「汚さ」である。なぜ、あのように字幕やテロップを多用して、画面を「汚す」のか。芸人さんたちの、つまらぬ間の手や笑い声を強調するのか、全くよくわからない。
映画『君の名は。』が、あれほど画面の隅々まで心を配って絵作りをして、音楽も美しく作り上げているのに、同じ日本の地上波テレビが、なぜ、あれほど汚い画面作り、音作りをしているのか。私には一秒たりとも理解できないのである。
民放のバラエティなどは、以前から公言しているように一秒も見ないが(すぐれたドラマや、ニュース、スポーツ中継などは見ることもある)、たまたま食堂などでかかっていると、絵の汚さ、音の汚さですぐわかるのは、さすがというか、悲しい話だと思う。
民放の制作担当者の方々だって、『君の名は。』とか、『この世界の片隅に』を見て感動したのだろうから、それならば、同じクリエーターとして、誇りを持って、良いものをつくっていただきたい。汚い大文字のテロップや、タレントさんの馴れ合いなんて、視聴者は別にテレビに期待していないと思う。
(本記事は、著者のTwitterを元にした編集・転載記事です)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【めちゃユル密着】西野亮廣、吉本興業の中に入れない?岡村隆史と30分近くの押し問答
ORICON NEWS / 2024年7月2日 23時9分
-
【めちゃユル密着】岡村隆史、板野友美&野添義弘との異色3ショットに喜び
ORICON NEWS / 2024年7月2日 22時25分
-
《相次いで放送》ついに幼稚園でも開催、“かくれんぼ”番組はなぜ支持を集めるのか
NEWSポストセブン / 2024年6月24日 7時15分
-
川谷絵音、サーヤ&高比良くるまの“非教育的”番組テーマ曲制作「即答でYES」
マイナビニュース / 2024年6月20日 19時0分
-
「“わからない”を小説で問う」木下昌輝×朝井まかて『愚道一休』
集英社オンライン / 2024年6月20日 11時0分
ランキング
-
1NYで人脈構築の小室圭さん、対照的な生活の眞子さんは「ほとんど外出せず」紀子さまが抱える“複数”の不安
週刊女性PRIME / 2024年7月4日 7時0分
-
2実刑判決で「頭が真っ白に」 法廷に両親の涙 静岡バス置き去り死
毎日新聞 / 2024年7月4日 20時58分
-
3「紅麹」サプリ問題、調査中の死亡事例81人に…先月末から5人増
読売新聞 / 2024年7月4日 20時59分
-
4新潟上越市でマンホール点検中の男性死亡 夕方になっても帰社せず捜索、マンホール内で意識不明の状態で発見
新潟日報 / 2024年7月4日 23時40分
-
5「魚民」の大量閉店は“大正解”か。運営企業「モンテローザ」の“稼ぐ力”は他社を圧倒
日刊SPA! / 2024年7月4日 8時53分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)