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<該当者は誰?>お笑いで「スーパースター」になる5つの条件

メディアゴン / 2017年1月3日 7時40分

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

* * *

長く「笑い」の放送作家として活動してきた経験から、「笑い」をベースにしてスーパースターになる人は次の5つの点で優れていると考えている。

1.動ける

2.面白い

3.異性にモテる

4.音楽的センスがある

5.芝居が出来る

この5つがすべて、図抜けて出来るのはチャーリー・チャップリン(Charlie Chaplin)である。もちろん、20世紀最大のスーパースターになった。

バスター・キートン(Buster Keaton)はどうか。彼も多くのものを持っているので筆者を含めて熱狂的なファンがいる。しかし、人気という点ではキートンよりもチャップリンよりも、上だったのはハロルド・ロイド(Harold Lloyd)であるように思う。

日本であれば、榎本健一さん(エノケン)がすべてのものを持っていた。もう少し、時代が下がれば、植木等さんはすべてを持っていた。

そして、「フーテンの寅さん」こと渥美清さん。後年は映画でしか姿を見なくなってしまったが、渥美さんはすべてを持っている。とくに動き。自然な流れの中も芝居でいわゆる体技で笑いが取れるという点では森繁久弥さんと双璧をなす。

関西では松竹新喜劇の藤山寛美さん、吉本新喜劇の花紀京さんがそうである。

では、萩本欽一さんはどうか。欽ちゃんは1.動ける、2.面白い、3.異性にモテる、「この三つを若い頃はすべて持っていた」と自己分析する。年齢を重ねたときはこの3つを分業化するためにファミリーを作った。

タモリさんは、1.動ける、2.面白い、4.音楽的センスがある。

ビートたけしさんは、1.動ける、2.面白い、3.異性にモテる、5.芝居が出来る、だ。

明石家さんまさんも同じく、1.動ける、2.面白い、3.異性にモテる、5.芝居が出来る、である。大竹しのぶさんと結婚して、3.異性にモテるの部分が欠けたが、離婚で逆にパワーはアップした。

【参考】出演者のマンザイがうまくなってた「THE MANZAI 2016」

笑いと親和性の高い桑田佳祐さんはコメディアンではないが、2.面白い、3.異性にモテる、4.音楽的センスがある、の3点を満たしている。新曲の「「ヨシ子さん」はそんな曲だ。

松本人志さんは、1.動ける、2.面白い、3.異性にモテる、の3つであるが、結婚して、3.異性にモテるの部分が欠けてきた気がする。

岡村隆史さんに期待している。1.動ける、2.面白い、3.異性にモテる、5.芝居が出来る。岡村のライバルといえば、1.動ける、2.面白い、4.音楽的センスがある、5.芝居が出来る、を持っている宮迫博之さんであろう。

ところで、笑いで活躍する条件には「有名になってナンボ」という側面がある。いくら面白くても有名になっていないと物にならない。1.動ける、2.面白い、3.異性にモテる、4.音楽的センスがある、5.芝居が出来る、のうちどれが1つでも図抜けて有名になれば、その後の条件は自然についてくるとも言える。

もちろん、有名なればぬるい笑いでも笑ってくれるようになるがそれに甘えてはいけない。

近年、筆者が注目しているのは東京ヴォードヴィルショーの劇団内ユニット「大森カンパニー」だ。有名声優や有名女優を客演に迎えて人情喜劇とカラっとした芝居コントを交互に公演している。

ただ、人情喜劇の方はもう少し物語に厚みが欲しい。藤山寛美さんの舞台を見て鼻の奥がつーんときてぼろぼろ泣いてしまうような浄化のある厚み。一方、芝居コントは完成の域に達している。

あとは「有名になってナンボ」である。

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