社会の多様性を許容することは「自分自身の幅」を広げること-茂木健一郎
メディアゴン / 2017年2月3日 7時30分
茂木健一郎[脳科学者]
* * *
現代社会において大切な価値観の一つは「多様性」である。さまざまな傾向、資質を持った人たちが集まらないとシステムとしても力を発揮できないし、社会全体としての頑健性も増すことがない。
「同じである」というモノカルチャーは安心感はあるかもしれないが、発展性がない。破壊的イノベーションは、集団の中にさまざまな個性をもった人がいることで初めて起こすことができる。だからこそ、異質な他者に対して寛容である必要がある。
ここで重要なのは、多様性は他人の中にだけでなく、自分の中にもあるということである。社会をモノカルチャーとして見がちな人は、自分自身も単純にとらえがちだ。しかし、実際には、一人の人間の中に異なるさまざまな傾向があるのである。
【参考】<「やる気」は不要>「やる気が出ない」を言い訳にして何もしない人たち
自分の中に強さと弱さと、がんばり屋となまけ者と、勇気ある者と臆病な者と、勝利者と敗者と、愛する者と憎む者と、さまざまな人間が共存していることを見ることができる人は、結果としてそのような自分の中の多様性を活かすことができる。
社会の中に多様な人がいることを許容できる人は、それらの多様さが自分の中にも鏡のように映されていることを感じることができる。さまざまな色、響きに呼応する自分の中の何かがあるからこそ、それらのものを許すことができるのである。
社会の中の多様性を許容することは、自分自身の幅を広げることにつながる。つまり、多様性に向き合うことが、自分の可能性を耕すことに結びつくのである。
(本記事は、著者のTwitterを元にした編集・転載記事です)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
やる気が出ないときにやってはいけないこととは?脳の「やる気スイッチ」の入れ方も解説
ハルメク365 / 2024年6月25日 11時50分
-
「コロンブス」のMV、なぜ誰も「待った」をかけなかった? Xでは「意思決定」のハードルを想像する声相次ぐ
J-CASTニュース / 2024年6月24日 10時0分
-
都知事選の全裸ポスター騒動 脳科学者「みんな怒ってるけど…何を今さら」
日刊スポーツ / 2024年6月21日 10時4分
-
「失礼なことを聞くようだけど……」外国人が不思議に思う、日本人女性の徹底した「白肌信仰」
オールアバウト / 2024年6月20日 19時0分
-
なぜ"映画の早送り"に親や上司の昭和脳が過剰反応するのか…Z&ゆとり世代がウケる"不適切"な思考回路
プレジデントオンライン / 2024年6月19日 16時15分
ランキング
-
1NYで人脈構築の小室圭さん、対照的な生活の眞子さんは「ほとんど外出せず」紀子さまが抱える“複数”の不安
週刊女性PRIME / 2024年7月4日 7時0分
-
2実刑判決で「頭が真っ白に」 法廷に両親の涙 静岡バス置き去り死
毎日新聞 / 2024年7月4日 20時58分
-
3「紅麹」サプリ問題、調査中の死亡事例81人に…先月末から5人増
読売新聞 / 2024年7月4日 20時59分
-
4介護従事者が利用者の『財産搾取』 80代の姉妹は生命保険を解約、自宅を売却...金銭的支配の実態をスクープ「(養子縁組を)させられたんや」
MBSニュース / 2024年7月3日 11時28分
-
5「魚民」の大量閉店は“大正解”か。運営企業「モンテローザ」の“稼ぐ力”は他社を圧倒
日刊SPA! / 2024年7月4日 8時53分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください