<トランプ・安倍会談>世界を覆う強欲資本主義
メディアゴン / 2017年2月13日 7時40分
保科省吾[コラムニスト]
* * *
「会社でゴルフの話をして、ゴルフ場で仕事の話をする」
これこそ日本のサラリーマンの実態である。そして、トランプ米大統領と安倍晋三首相の会談を見ていて思い出した警句でもある。この警句通りにならないことを祈っている。
民主主義の中にあるポピュリズムの及ぼす危機についての議論が喧しいが、それを深く論じるのはあまり意味がない。問題は、むしろ、民主主義はいま、蝕まれており、蝕まれた民主主義で肥大しすぎた強欲資本主義をコントロールできるかということなのである。
いま世界は、
*ロシア・プーチン大統領の独裁強欲資本主義と、
*アメリカ・トランプ大統領の軍金融複合体強欲資本主義と、
*中国・習近平国家主席の共産強欲資本主義と、
*EUの西欧中心強欲資本主義と、
*イギリスの高齢者強欲資本主義と、
*イスラム教スンニ派の石油強欲資本主義と、
*ISの宗教原理主義強欲資本主義と、
*インドのカースト制強欲資本主義と、
*安倍晋三首相の追従強欲資本主義等に覆われている。
つまり、これからの時代は、これら格差を生み世の中を不安定化する強欲資本主義を民主主義がどうコントロールしていくかが課題なのである。今のところ、人類は民主主義と資本主義以外のそれを乗り越える社会システムを発明していないから、これを使い回すほかないのである。
明治元年(1868)、江戸幕府は瓦解し、天皇親政とは名ばかりの明治天皇を頂く薩長政権が生まれた。薩長政権を支えたのは天皇の詔勅で「元勲」とされた伊藤博文・山県有朋・井上馨・桂太郎ら長州の4人と、黒田清隆・西郷従道・松方正義・大山巌ら薩摩の4人。そして公家出身の西園寺公望を加えた総勢9人。この9人でいわば元老政治(概念で言えば賢人政治と同じ)が行われた。
【参考】<コレジャナイ>東京五輪公式アニメグッズの絶望的なダサさ
最後の元老と言われた西園寺公望は昭和15年1940年11月24日逝去した。そのわずか、1年後の日本時間1941年(昭和16年)12月8日未明、日本海軍は真珠湾を攻撃、太平洋戦争が開戦する。
その後、1945年8月、ソ連は日ソ中立条約を破棄し、日本の同盟国の満州国へ侵攻を開始。ソ連により北方四島は占拠された。アメリカは8月6日8時15分に広島市への原子爆弾投下、次いで8月9日11時2分に長崎市への原子爆弾投下が行われて、8月14日、終戦の詔書が発され、日本はポツダム宣言を受諾。8月15日正午、昭和天皇の玉音放送が全国民にむかって放送された。敗戦である。
降伏文書の調印に先立つ8月30日、連合国最高司令官ダクラス・マッカーサーが厚木に到着。トルーマン大統領から米国史上空前の全権が与えられていたマッカーサーは、天皇制維持のまま、大日本帝国憲法の全面改正を命じ、日本は民主主義国家となった。
トランプ大統領のもとに駆けつけた安倍首相は「(日本に民主主義を開眼させたエイブラハム・リンカーン大統領を生んだ)米国こそ民主主義のチャンピオンであります」と称える。その国から教えてもらって、ようやく日本国民は民主主義を我が手にしたのである。
憲政の神様、尾崎行雄をに言わせれば「莫大な戦費を使い、膨大な戦死者の血の上に築かれた民主主義」である。
われわれ日本人は、この民主主義を武器に、世界の強欲資本主義をコントロールせねばならないのである。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【実話】愛人が掃いて捨てるほどいたから、あだ名は「ホウキ」。日本の初代総理の“濃すぎる素顔”
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月30日 8時0分
-
大型爆撃機を空母から「片道出撃」もう戻ってこれない 米海軍が採った驚きの方法 どうにか積みたかった巨大爆弾とは?
乗りものニュース / 2024年4月30日 6時12分
-
パックン 麻生太郎氏がトランプ氏と会談「安倍さんは金ピカのゴルフクラブ…早いうちに“もしトラ”対策」
スポニチアネックス / 2024年4月24日 9時14分
-
「原爆の父」オッペンハイマーの伝記映画が、現代のアメリカに突き付ける原爆の記憶と核の現実
ニューズウィーク日本版 / 2024年4月22日 17時20分
-
映画「オッペンハイマー」と無条件降伏=改めてルーズベルトの遺産の大きさを思う
Record China / 2024年4月9日 7時30分
ランキング
-
1幻の魚イトウの聖域に風力発電 原発相当計画に「最大級」の懸念
毎日新聞 / 2024年5月4日 6時0分
-
2696年後の日本は子ども1人?…推計の東北大教授「少子化で絶滅する最初の国になるかもしれない」
読売新聞 / 2024年5月4日 13時35分
-
3岩田明子氏、「ウェークアップ」で自民党「3補選全敗」を解説…「党内からは次の衆院選挙では『岸田総理では戦えない』こんな声が公然と出ています」
スポーツ報知 / 2024年5月4日 10時52分
-
4参加する馬は去年の半数に…骨折した馬の殺処分に批判相次いだ『上げ馬神事』4日から壁を無くすなどして開催
東海テレビ / 2024年5月4日 12時34分
-
5同僚女性、男の聴取後に不明 付きまとい巡り、山梨遺棄
共同通信 / 2024年5月4日 15時54分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください