たった2分のためにVRゴーグルを2万個配布するベイクルーズ社の漢気
メディアゴン / 2017年4月20日 7時40分
![たった2分のためにVRゴーグルを2万個配布するベイクルーズ社の漢気](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/mediagong/mediagong_22663_0-small.jpg)
メディアゴン編集部
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アパレル業界「冬の時代」と呼ばれる今日。多くのファッションブランド、アパレルショップが赤字を続け、ファストファッション以外は全く売れていない。「着れればなんでも良い」という感覚が蔓延しつつあることは否定できない日本は、もしかしたら「ファッション後進国」になりつつあるのかもしれない。
本来、衣服などは「寒さをしのぎ、安全を確保」することができれば、その役目は充分に果たせることも事実。言い換えれば、ファッションとしての衣服は、「余計なモノ」「余分なモノ」なものなのかもしれない。
しかし一方で、ファッションに限らず「余計・余分」にこそ、文化の高めたり、文化的な豊かさを楽しむ人間らしい要素が詰まっている。音楽しかり、絵画しかり、すべての文化的な営みは、すべて、生活からはちょっと抜け出した「余計なモノ」「余分なモノ」として発展してきたからだ。
「余計・余分」が忌避されたファストファッション華やかりし今日。アパレルのキャンペーンといえば、「1つ買ったらもう1つ」やら、「80%OFF」やら・・・といった、生活感を増幅させることで、関心を集めようとするものばかりだ。
ブランドによっては、新作発表した3ヶ月後にはキャンペーンやセールが必ず開催されて、いきなり半額以下で特売されるため、誰も新作を定価で買わず、キャンペーンまでちょっと待つ、といったことが恒常化しているものさえある。もはやキャンペーン(宣伝活動)の意味をなしていない。
そんな中で、10周年を迎えるアパレルのネット通販大手の「ベイクルーズストア」が4月13日から面白いキャンペーンを展開している。ベイクルーズ社といえば、アパレル26ブランドを中心に展開する大手ファショングループだが、前期150%増、今期142%増と、真冬状態のファッション業界の中でも急成長をしている数少ないアパレルの一つでもある。
通常、アパレルブランドのキャンペーンといえば、上述したように、服が安く買えたり、ポーチやトートバッグ、小物といったようなノベルティ(非売品)がもらえたり・・・というのが相場だろう。しかし、現在展開している「ベイクルーズストア10周年(https://baycrews.jp/info/201710th/)」のキャンペーンは異様だ。
まず、キャンペーン期間中に「ベイクルーズストア」で1万5000円以上を購入すると、ノベルティがもらえる。ここまでは通常のアパレルとなんら変わりはない。なお、1万5000円という価格は、1万円〜2万円前後を主力の価格帯とするベイクルーズストアのブランドラインナップでいえば、だいたい「1着分」の金額である。
つまり、期間中にベイクルーズストアで買い物をした人は、ほとんどの人がノベルティをもらえることになる。その点は非常に良心的だ。
【参考】<ファストファッションの正体?>ファスト化しないベイクルーズが急成長の理由
さて、肝心のノベルティである。このノベルティが、なんとフランス「HOMiDO社」のVR(ヴァーチャルリアリティ)ゴーグルなのである。アパレルとはいえ、さすがにVRゴーグルに合わせる服を販売するわけではない。ヘッドフォンやスマホケースのような、ファッションにも使いまわせる「便利なアイテム」とはわけが違う。
もちろん、「シャネルのロゴが入っている」といったような希少性があるわけでもない。わりと普通の実用的なスマホ設置型VRゴーグルである。配布個数も2万個だというから、「コレクター用」というわけでもないのだろう。完全に実用品だ。
しかし、いかに実用品とはいえ、VRゴーグルを日常的に利用するような人はめったにいない。逆に、VRゴーグルを日常的に利用しているような人が、そんなにファッションに熱心であるとも思えない。
ではなぜ、ベイクルーズストアは購入者にVRゴーグルを配るのか?
なんと、「ベイクルーズストア」では、10周年キャンペーンのためだけに、VR動画を国内第一線で活躍するクリエイターたちを集めて制作し、配信しているのだ。その動画を見るため「だけ」に2万個のVRゴーグルをノベルティとして用意しているのである。
360度フルCGで制作された動画に没入し、同社ブランドの服を着たモデルとのヴァーチャルな一瞬を過ごせる。その時間、わずか1分。2本の動画制作されているが、それでも2分だ。
このたった2分のために膨大な予算をかけているベイクルーズストアの10周年キャンペーン。ファストファションに侵食され、「余計なモノ」「余分なモノ」が削ぎ落とされ、生活感にあふれてしまった日本のアパレル業界の中で、なんとすごい「余計なコト」をしているのだろう。
ファッションが魅力的であり、楽しい行為である最大の理由は、それが「余計なモノ」「余分なモノ」であり、豊かさの象徴でもあるからだ。たった2分のVR動画を見るためだけに2万個のVRゴーグルを配布する漢気溢れるベイクルーズストア。
なんと素晴らしい「余計・余分」だろう。
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