<芸人依存の弊害>お笑い番組はなぜ笑えないのか?
メディアゴン / 2017年6月16日 7時30分
高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]
* * *
見ている人に「笑ってもらうことだけ目的につくられている番組」が、今のテレビには皆無である。まったくない、ゼロである。
情報や感動など全くいらないし、とにかく笑いたいので探してテレビを見る。そんな視聴者が「ああ笑えた」と思う番組に出会うことはおよそない。
「笑点」という番組はそうではないか、という意見が出るだろう。でもこの頃の「笑点」は、もはや様式美を味わう古典芸能になった。大抵は1回も笑わないで30分が終わる。
松本人志の「IPPONグランプリ」はわかりづらい「笑点」だし、昔、大笑いしたほっしゃん(星田英利)の話が飛びだした「すべらない話」の方は、今や、民話を聞いているようだ。時間がもったいないので、音声生かしの倍速で見て丁度いい。
【参考】「アメトーーク」で白々しいボケが見抜かれた芸人は生き残れない
年に1回のお楽しみ「笑ってはいけない」は、ここ数年ジミー大西しか面白くないので、ジミーが登場したら呼んで貰うことにしているが、残念なことにジミーの使い方を間違っていたりする。
「コメディ・タッチのドラマ」を標榜するものがある。これは見ない方がいい。コメディ・タッチのタッチとは「コメディもどき」のことだからである。自分が作ったものではないのに見ていると首筋に寒気が走る。「タッチ」などと言わず、純粋な「コメディ」をつくって欲しい。
笑いはいま、作り手のディレクターの手を離れて、芸人に外部発注されている。それがおそらく笑いの衰退を招いている。
番組の作り手が、芸人や役者を使ってきちんと笑いを演出できるディレクターになれば、その人は天下を取れるのに。・・・と、筆者のような老残の放送作家は思う。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
松本人志は、革新的クリエイターにして天才的ヒットメーカー。『エンタの神様』演出家が脱帽した『すべらない話』、ありそうでなかった大発明『笑ってはいけない』の真髄とは
集英社オンライン / 2024年5月8日 17時0分
-
史上初めてシュールな笑いで天下統一した、〝カリスマ〟松本人志の影響力…「テレビの現場がお笑いの論理で動くようになり、お笑いがわかっている人が売れる時代に」
集英社オンライン / 2024年5月7日 17時0分
-
登録者173万人のラファエル「YouTuberはおもんないよ」 粗品の発言肯定もチクリ「明らかにプロの強い人間が言うと...」
J-CASTニュース / 2024年4月23日 19時29分
-
ビートたけし「伝説の超過激番組」放送禁止な舞台裏
日刊大衆 / 2024年4月12日 12時0分
-
林家木久扇86歳が"欽ちゃん”に明かした「笑点卒業」を決めた、妻のひと言
日刊SPA! / 2024年4月12日 9時0分
ランキング
-
1元インデペンデンスデイ内藤正浩、芸人引退へ 相方・久保田剛史さん急逝から1年「2人の楽しさには敵わず…」
ORICON NEWS / 2024年5月8日 19時19分
-
2仲村トオル 58歳の姿に衝撃広がる「えーっ!」「信じられん」「すっかり…」「めちゃ色気やば」
スポーツ報知 / 2024年5月8日 20時40分
-
3元天才子役・黒田勇樹、激変した42歳の姿「こうなって…」ドラマ美少年役から30年超、意味深投稿も
スポーツ報知 / 2024年5月8日 15時30分
-
4高嶋ちさ子、NHK番組での発言を“訂正&謝罪” 祖父へ「大変失礼な事を…」ファン「血って凄いですね!!」
ORICON NEWS / 2024年5月8日 15時38分
-
5稲垣吾郎、河合優実に「僕らが不適切だった」 『ふてほど』ネタぶっこみ会場沸く
ORICON NEWS / 2024年5月8日 19時41分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください