<言い間違い?それとも本音?>NHK「おはよう日本」キャスターのひとこと
メディアゴン / 2017年9月2日 9時3分
高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]
* * *
「言い間違えには本音が潜んでいる」とは、かの精神分析学者ジークムント・フロイト先生が喝破したことであるが、8月31日朝7時からのNHK「おはよう日本 」でキャスターから次のような発言があった。
伝えたのは次のようなニュースである。VTRはこうであった。
*今、小学生中学生の夏休みの短縮を考えている自治体に静岡県吉田町がある。
*ゆとり教育の見直しで、授業時間が増えた。教員の労働時間の削減という観点からも、6時間授業などを増やすよりも夏休みを約16日間に減らして対応する方が良いのではないかと町は考えた。
*町長は「競争社会の中に出ていく子どもにはすぐれた子どもになって欲しい」と、考えを述べる。
*子どもは夏休み短縮が嫌だと言い、地域のサッカークラブに所属する中学生は「練習時間がとれない」と嘆く。
このVTRを受けて、男性キャスターは次のように発言した。
男性キャスター「VTRでは、夏休みの短縮に否定的、戸惑う声も出てきましたが実際はどうですか?」
普通の人は聞き逃してしまうかもしれないが、筆者はテレビ台本を書いてきた放送作家という職業柄か、男性キャスターの「実際はどうですか?」という発言が気になった。「実際」とは、言うまでもなく、 「物事のあるがままの状態」「 想像や理論でなく、実地の場合」のことを意味するからだ。
つまり、男性キャスターの発言を説明すれば、
「VTRは、そうつくってあったけど、ホントはどうなのよ?」
との、意味になるからだ。もちろんこれは意地悪で重箱の隅をつつくような指摘かもしれない。男性キャスターは「賛否両論ありそうですね」とでも言っておけば良かったわけで、単なる用語選びの間違いなのかもしれない。
だが、この文章の冒頭に戻ると「言い間違えには本音が潜んでいる」ことになる。
【参考】<パソコン未所有と貧困は無関係>NHKが描く「貧困女子高生」のリアリティの低さ
NHKは「実際にはそうではないVTRが氾濫しているからこういう言い間違えをする」と取られかねない。作り手としては注意が必要だ。
さて、筆者がこの本稿で言いたいのは両論併記のVTRのつまらなさである。コンプライアンスとか放送法の公平原則とやらでやたらと気を遣うが故に、テレビマンは縮こまってしまって中立で両論を併記する愚にもつかないVTRをつくることが多くなってはいないだろうか。
主張のないVTRほど、つまらないものはない。
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