<模倣は文化?>釜山で日本のテレビを覗き見する韓国のテレビマン
メディアゴン / 2017年10月3日 7時30分
間宮武美[ライター]
* * *
筆者は5年間、韓国ソウルで暮らしていた。そのため当時はNHKのBS1、BS2の放送しか見ることが出来なかった。BS1は国際ニュースとスポーツ中継、BS2は連続ドラマや情報番組をもっぱら楽しんでいた。
今にして思えば、日本のテレビ番組といえば、民放よりも十分な予算を掛け、十分な取材でしっかり制作したNHKの番組だけを見慣れていたことになる。
NHK-BS2の朝ドラも出社前の生活習慣として毎朝「おはよう日本」に続いて見ていたが、日本に帰国し、定年退職して生活が大きく変わったこともあり、ほとんど見なくなった。以前より自由になる時間が出来たが、安易な制作姿勢と視聴率を目指したタレント総出演の金太郎飴的な番組などに至っては、全くと言っていいほど見なくなった。
ところで、韓国の民放番組は改編時期になると企画者達が釜山に出張して、日本の民放番組を漏れ電波(スピルオーバー)で視聴し、それをヒントに企画書を書き番組制作をしている。そのためか、最近では日本で見るようなバラエティ番組が韓国でも増えた。
【参考】<メディア取材でも違法>接待大国・韓国で2800円以上の接待が禁止に
特に島田紳介風の司会者や、ダウンタウン浜ちゃん風のタレントは当たり前。他にも、元シルム(相撲)上がりのカン・ホドンなどの素人で器用なキャラクターは、さながらボクサーあがりのガッツ石松を彷彿とさせる。セリフの吹き出し多用の演出も、日本の見よう見まねであろうが、不思議と自然に馴染んで見ている。
さてそんな中、最近、筆者が熱心に見ている日本のテレビ番組といえば、テレビ朝日系の「やすらぎの郷」だ。シルバー世代という新しい狙いのドラマがポストシニア層まで好評を得ているようだ。大御所と呼ばれる主役級の俳優さんたちが、それぞれ肩を並べて出演している点もすごい。
もちろん、韓国のテレビ企画者たちは、すぐに釜山のホテルで漏れ電波から「やすらぎの郷」をのぞき見するはずだ。そして、しばらくしたら日本のシルバー向けの番組(つまり「やすらぎの郷」)に似たドラマが流れるように思う。模倣の文化はすぐそこにあるのだから。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
STARTO社タレントも出場なしの『紅白歌合戦』、選考基準に疑問の声も? 今後のサプライズはあるのか
オールアバウト / 2024年11月21日 20時15分
-
《翌朝の仕事が気になる時間なのに…》日曜22時台に5作の連ドラが乱立 「ドラマだけじゃない」激戦の様相
NEWSポストセブン / 2024年11月10日 7時15分
-
NHKスペシャルでは描けなかった…番組に出演してわかった「ジャニー喜多川氏の性加害」が野放しにされたワケ
プレジデントオンライン / 2024年11月8日 8時15分
-
迫る九州場所…BSの大相撲うんちく番組×2「どすこい研」「たっぷり総研」が見逃せない
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月3日 9時26分
-
テレビ解説者・木村隆志のヨミトキ 第80回 夜の再放送は「ニーズ」か「やりすぎ」か…大谷翔平出場のワールドシリーズ中継をめぐるテレビの思惑と課題
マイナビニュース / 2024年10月29日 6時0分
ランキング
-
1車動き出し下敷き、71歳妻死亡 群馬の温泉旅館駐車場
共同通信 / 2024年11月24日 1時16分
-
2斎藤元彦氏側が知事選で「広報全般を任された」会社に報酬支払い、SNSでは違法との指摘相次ぐ
読売新聞 / 2024年11月24日 1時20分
-
3所持金616円でタクシーに約3時間乗車 ゴールは警察署 自称作家の女 詐欺の疑いで逮捕
STVニュース北海道 / 2024年11月24日 9時49分
-
4セブン&アイ「9兆円MBO案に潜む“危険な賭け”」。非上場で外資による買収は回避できるけど
日刊SPA! / 2024年11月24日 8時52分
-
5石破首相、日朝首脳会談に意欲「会いもせず非難しても始まらない」…家族会は「タイムリミットがある」
読売新聞 / 2024年11月23日 19時13分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください