<エルサレムをイスラエルの「首都」と一方的に宣言>米トランプ大統領にノーと言えない日本政府と及び腰の報道
メディアゴン / 2017年12月16日 7時35分
上出義樹[フリーランス記者/上智大学メディア・ジャーナリズム研究所研究スタッフ]
* * *
<世界の反発を買ったエルサレム「首都」宣言>
「何でもあり」のトランプ米大統領だが、エルサレムをイスラエルの「首都」と一方的に宣言したニュースには、世界が驚かされた。国連安保理事会は12月9日(日本時間)、緊急会合を開催。各国の代表から米国への厳しい批判や反対論が飛び交った。
欧州諸国がストレートに「ノー」を表明したのに対し、日本は盟主の米国に配慮。閣議後の閣僚会見などでも、中東情勢への「懸念」を示すのが精いっぱいだった。そんな安倍政権の対応を批判する報道も、歯切れが悪かった。
<盟主には「反対」できない対米追随外交>
報道によると、安保理事会で日本の別所浩郎国連大使は、「中東和平の環境悪化が心配」と述べると同時に、トランプ氏が中東和平に強く関与したことへの謝意を示すなど、対米追随の姿勢を強くにじませた。12月8日の閣議後会見でも河野太郎外相や世耕弘成経産相から中東情勢の悪化や日本への影響を危惧する発言は聞かれたが、どの閣僚もトランプ氏を直接批判する言葉は口にしていない。
<イエスマンの安倍政権を厳しく批判しないメディア>
一方、12月8日の在京各紙は、米国の今回の「首都」宣言を、「無分別な決定」(朝日・社説)、「無謀な判断」(産経・主張)などと、こぞって批判。しかし、その米政府に安倍政権が「ノー」と言えないことを厳しく指摘する記事は、ほとんど見当たらない。
それを、ちゃんと報じたのは、私の知る限りTBSの12月10日のニュース番組「サンデーモーニング」くらいだろうか。いつもの繰り返しになるが、日本のメディアは、報道の自己規制が過ぎる。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
“またトラ”で中東どうなる? ~ハマス幹部が私たちに語ったこと【ロンドン子連れ支局長つれづれ日記】
日テレNEWS NNN / 2024年11月22日 16時40分
-
ノーベル平和賞を狙う?...第2次トランプ政権の中東政策の行方
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月19日 14時30分
-
トランプ勝利が招く国際混乱…米中関係、ウクライナ戦争、中東情勢すべてが波乱含み
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月8日 9時26分
-
ネタニヤフ首相とアッバース議長がトランプ氏に祝意表明、米国の中東情勢対応に注目(イスラエル、パレスチナ、米国、イラン)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月7日 14時15分
-
パレスチナ指導者、トランプ氏に和平呼びかけ ガザでは不安の声
ロイター / 2024年11月7日 1時14分
ランキング
-
1斎藤元彦氏側が知事選で「広報全般を任された」会社に報酬支払い、SNSでは違法との指摘相次ぐ
読売新聞 / 2024年11月24日 1時20分
-
2車動き出し下敷き、71歳妻死亡 群馬の温泉旅館駐車場
共同通信 / 2024年11月24日 1時16分
-
3石破首相、日朝首脳会談に意欲「会いもせず非難しても始まらない」…家族会は「タイムリミットがある」
読売新聞 / 2024年11月23日 19時13分
-
4所持金616円でタクシーに約3時間乗車 ゴールは警察署 自称作家の女 詐欺の疑いで逮捕
STVニュース北海道 / 2024年11月24日 9時49分
-
5セブン&アイ「9兆円MBO案に潜む“危険な賭け”」。非上場で外資による買収は回避できるけど
日刊SPA! / 2024年11月24日 8時52分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください