名護市長選の基地容認派勝利で安倍政治の暴走加速が心配
メディアゴン / 2018年2月7日 7時30分
上出義樹[フリーランス記者/上智大学メディア・ジャーナリズム研究所研究スタッフ]
* * *
<辺野古の米軍基地建設に反対する稲嶺市長3選ならず>
注目の沖縄県名護市長選は4日、投開票され、同市辺野古の米軍基地建設に反対する現職の稲峯進市長が、安倍晋三政権の与党の自公両党などが推す基地容認派の渡具知(とぐち)武豊氏に苦杯をなめた。
沖縄での米軍ヘリの事故・トラブル続発で野党の批判にさらされていた安倍政権にとって、鬼門の名護市長選に勝利した意味は大きい。昨秋の衆院選で自公合わせ3分の2の議席を突破した政権与党は、国政全般でも弾みをつけそうだ。
<自公の組織選挙を反映してか過半数が期日前投票>
今回の名護市長選投開票結果は、投票率がほぼ前回並みの76・92%。初当選した渡具知氏が2万389票、民進や共産などが推薦し、立憲民主が支持した稲嶺氏が1万6931票で、3458票と予想外の大差がついた。
【参考】<またも沖縄で米軍ヘリ墜落>選挙の争点は「モリカケ」「原発」「沖縄」の徹底確認
興味深いのは、期日前投票と不在投票が投票総数の過半数を上回る2万1660票もあったことで、この数字は有権者数全体の44%にも当たり、自公両党が、支持固めをした票を逃さないように囲い込んだことが読み取れる。
<渡具知陣営は基地問題に触れない徹底した「争点隠し」>
沖縄タイムスの2月5日付電子版などによると、渡具知陣営は基地問題に一切触れない徹底した「争点隠し」に終始。稲嶺氏は涙声で市民の「辺野古疲れ」を敗因に挙げた。
その一方、自民党は米軍基地容認の見返りとして名護市への交付金支給をちらつかせるなど利益誘導的な選挙戦を展開。「基地は経済発展の邪魔になる」と訴えてきた翁長雄志沖縄県知事は「争点はずしは残念」「中央の組織は強い」と、厳しい結果に沈痛な表情を見せた。
<米軍ヘリの飛行容認だけでなく国民不在の政治増長か>
「基地反対」の後ろ盾を失った翁長知事ばかりでなく、中央政治にも影響が出そうだ。勢いづく安倍政権は沖縄での米軍ヘリ飛行再開の容認のみならず、保守系メディアの後押しも受け、国政全般で国民不在の暴走政治をさらに加速しかねない。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「沖縄を戦場にしない」が原点 総選挙後に伝承すべきものとは[金平茂紀のワジワジー通信 2024]
沖縄タイムス+プラス / 2024年11月1日 14時12分
-
[社説][2024 衆院選]自公過半数割れ 日本政治の大転換図れ
沖縄タイムス+プラス / 2024年10月29日 4時0分
-
[社説][2024 衆院選]沖縄選挙区2勝2敗 基地・経済ともに解決を
沖縄タイムス+プラス / 2024年10月28日 4時0分
-
[社説][2024 衆院選]きょう投開票 未来選ぶ1票投じよう
沖縄タイムス+プラス / 2024年10月27日 4時0分
-
政権選択を前面に 沖縄1~4区の16候補、主張を貫く[衆院選2024]
沖縄タイムス+プラス / 2024年10月27日 3時57分
ランキング
-
1標津川で「流された」男児が死亡 通報から3時間後に下流で発見
毎日新聞 / 2024年11月23日 20時56分
-
2神戸港沖合で貨物船と押し船衝突、押し船の3人投げ出され2人救助されるも1人死亡…1人不明
読売新聞 / 2024年11月24日 0時6分
-
3石破首相、日朝首脳会談に意欲「会いもせず非難しても始まらない」…家族会は「タイムリミットがある」
読売新聞 / 2024年11月23日 19時13分
-
4【物価高】年末年始のおせちにも影響か サケ不漁でことしはイクラが高い!? 《新潟》
TeNYテレビ新潟 / 2024年11月23日 17時55分
-
5【裁判詳報】不可解な関係 20年にわたり売春の収入を”渡し続けた女”と”受け取り続けた女” 強盗致死事件 共謀はあったのか”渡し続けた女”が証言
RKB毎日放送 / 2024年11月23日 15時4分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください