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スピルバーグ監督の老いを感じる残念な映画「レディ・プレイヤー1」[ネタバレ注意]

メディアゴン / 2018年4月27日 7時23分

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保科省吾[コラムニスト]

* * *

スティーヴン・スピルバーグ監督作品・映画『レディ・プレイヤー1(Ready Player One)』のストリーは簡単である。

「2045年。今から27年後である。世界はあらゆる面で荒廃していた。スラム街で暮らす人類の大半はオアシスと呼ばれる仮想現実(ヴァーチャル・リアリティ)の世界に入り浸って楽しむことだけが生きがいだ。オアシス内では現在、発案者である亡きジェームズ・ハリデーの遺言により、オアシスの所有権と5000億ドル(日本円で56兆円)相当のハリデーの遺産を巡って戦いが繰り広げられている。戦いにリードするスラムの若者ウェイド・ワッツと5人の仲間達の前に立ちはだかったのは強欲資本主義を奉ずる世界的大企業IOI社社長ソレントと、その邪な組織力であった。」

・・・という話だから、つまりは近未来SFの王道で、しかもよくありすぎる話である。原作ものだが、スピルバーグ監督はこの映画に厚みを与える努力を全くしていない。アメリカのサブカルや日本のオタクが喜ぶであろうその世界の住人をこれでもかこれでもかと登場させるが、そこに熱狂する人以外には、たとえば筆者のような人物には、さほど魅力的に映らないだろう。

つまり登場するサブカルのヒーローをここに書くこと自体がネタバレになってしまうようなサブカルの使い方で、ただ登場させるだけで工夫がない。『アベンジャーズ』の方が正面から描いている分まだ楽しめる。老いたりスピルバーグ監督と思わされる。

【参考】映画「グレイテスト・ショーマン」単なる成功物語では物足りない

オアシスでの戦いで勝利を手にするのは当然ながら若者のグループである。いまや、スピルバーグ監督自身が強欲資本主義(といってまずければ、富裕層の側にいる)のであるから、この結論は、ご都合主義である。

しかも、最悪なのは説教臭いことである。自分たちがオアシスを運営することになった若者達はルールを決める。

「ヴァーチャルに遊ぶ者はリアルを大切にしなければならない、週に2日間はオアシスを休止する」

筆者は途中で眠くなっていたが、あまりの安っぽさに目が覚めてしまった。『レディ・プレイヤー1』というくらいだから『レディ・プレイヤー2』もつくるのだろうか。どんでん返しの大改稿を望む。

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