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<SNS時代が生んだ美尻ブーム>山口達也に坂口杏里…芸能人の騒動から見る「見えない部分」こそ美しく

メディアゴン / 2018年6月28日 7時30分

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知久哲也[放送作家]

* * *

とある美容室の店前に、「酒が人をアカンようにするのではなくその人が元々、アカン人だということを酒が暴く」という看板が立っている。実に名言である。

本年4月に発生した元TOKIOの山口達也による女子高生への強制わいせつ容疑に始まり、NEWSメンバーらの未成年者とのパーティー騒動が明るみに出るなど、ジャニーズ事務所所属タレントによる酒絡みの不祥事が相次いでいる。同事務所は、再発防止と社会人としての自覚を徹底するための「全員参加必須」のコンプライアンス講習を開いているという。ジャニーズが講習会? それを聞くだけでも事態は深刻だ。

SNSの普及により、芸能人と一般人の距離が急激に縮まっている今日、「タレントの品格」がアイドルにさえも求められている時代なのかもしれない。もちろん、「タレントの品格」が問われる事件はアイドルばかりではない。大女優・坂口良子の娘である元タレント・坂口杏里など、元々は毛並みが良いはずのタレントが信じられないほどに「堕ち」ている。

キャバクラ嬢、風俗嬢、AV嬢・・・などを転々とし、今月16日には東京・浅草ロック座で踊り子舞台デビューを予定していたが、公演2日前に出演中止を発表。

ネットではすぐに、「坂口がドタキャンか?」という批判の声が多数上がった。本人は自身のインスタグラムで「ドタキャンされたのはこっちなんだけどね。」と反論しているが、結論から言えば、坂口のパフォーマンス力不足からロック座が出演中心を判断したという。

どちらに問題があるのかはさておき、彼女の印象の悪さもあって、「坂口に問題アリ」という声の方が圧倒的に多いのは事実だ。失われた「タレントの品格」が信頼性を取り戻すのは簡単ではない。

整形手術を繰り返しつつ風俗嬢、果ては逮捕者にまでなり、信頼性まで失った坂口杏里。本来は毛並みの良いセレブタレントであったはずなのに。「わがまま」とか「世間知らず」といった指摘だけでは説明できない坂口の理解しがたい挙動。なぜこうまで堕ちてしまうのか。

そのヒントには整形を繰り返したり、ホストにちやほやされたい、という表面ばかりに関心を持つ、典型的なイマドキ女性の生態にあるように思う。

例えば、彼女が2年前にAVデビューをした際、作品の内容よりもお尻の汚さがネットで話題になった。その際、「お尻が汚い女性は、生活もだらしなそう。」「見える場所ばかりに関心を持つのは、結局、美意識が低いのではないか」といった指摘が散見されたが、筆者はそれを見てひどく感得した記憶がある。

顔などの見える場所は美しく保っているが、お尻などの見えない場所のケアは怠っている=人前ではいい人間を装うが、裏での素行はよくない、という論法はどこか理にかなっているような気がするからだ。その認識は意外にも若い女性の間に徐々に広まっているようで、お尻ケアなどの「見えない部分からの美意識」への関心は広がっている。

日本人のお尻を調査・研究している日本美尻スト協会(https://bijirist.com)は次のように分析をしている。

「自分以外に見られる可能性が一番低い体のパーツはお尻です。最近では、普段、誰にも見られることのないお尻だからこそ、あえて、念入りにケアをする女性が増えてきています」

また、同協会の野口綾子代表理事は次のように述べる。

「SNSを多用している10代〜20代の女性は『自分の何が、いつ、どこで晒されるか分からない』という危機感を日常的に持っているようです。普段誰にも見られることがないお尻に特化した美容・健康グッズが今、爆発的に売れているのも、こういった背景が後押ししているのかもしれません」

確かに近年、雑誌やネット記事、有名人のSNSなどで「お尻」に関する話題が以前と比べて格段に多く散見されるようになってきた。例えば、今月6月25日には、MXTV「東京電波女子」で美尻特集が組まれ、美尻ジェルや美尻グッズが紹介されるなど、美尻ブームは加速している。

今の美尻ブームの背景には、スマホやSNSの普及に伴い、「自分の何が、いつ、どこで、晒されるのか分からない」時代だからこそ、見えない場所も美しく保たなければいけないという女性の危機感が少なからず影響していることは間違いなさそうだ。

逆を言えば、「お尻など誰にも見えない場所のケアを怠らない」という精神が、いつどこで何をしている時にスマホで撮られ、どこに晒されるか分からない今の時代を攻略する意外な成功方法なのかもしれない。

表面ばかり、見える場所ばかりに関心を持ち、見えない部分に目をそらす。それがやがては、自分自身を直視したり、客観視することを困難にさせる。近年の芸能人やタレントの不祥事の本質がそこにあるのではないか。

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