<杉田発言と差別>男は「種馬」で女は「産む道具」か?
メディアゴン / 2018年8月14日 7時30分
山口道宏[ジャーナリスト、星槎大学教授、日本ペンクラブ会員]
* * *
国会議員の自民党・杉田水脈(みお)氏は、男は「種馬」、女は「子を産む道具」とする確信的な差別主義者で、矛先はLGBTだけでない。子どもが出来ない、子どもは要らない、子どもは終わった、生涯独身をも非難するだけでなく、社会から排除しようというからその罪は重い。
即ち、種馬でない男は、産め(ま)ない女は、「殺して食用に回せ」といわんばかりだ。こうしたおぞましい優性思想は2年前に発生した「相模原事件」とも通底し、後者で容疑者は「社会に必要ない」「役に立たないから」と施設に入居する障害者19人の命を奪っていた。
「日本で一番生産性のないのはお前だ。アホか!」と件の杉田議員を叱るのは意外にも元・日本維新の会代表の橋本徹だ。杉田はかつて日本維新の会にも所属していた。むしろ、現在所属する自民党はその杉田発言に寛容だからその党の「体質」に世間が驚いた。
発言内容は優性思想に繋がることから国内外で人権問題として報じられ、再びの「ニッポン死ね!!」を招来する事態に。杉田は安部首相に面と向かって「子供のいない安部さんは、生産性がない。非国民だ」と説教しなくては一貫性がない。もはや「水脈」(みお)は切れているのか。
【参考】「仕事を持ち、結婚し、夫と子供の両方を養う女性」と「結婚して、仕事を辞めて、子育てをする男性」
先頃、女性の出産退職は年間20万人と発表があった。待機児童問題では保育所不足は依然深刻で「子育て環境」すらいまだ確保できずにいることが明らかになった。子供を産んだところでその始末で、今度は子供をつくらない、できない2人を「生産性がないから」とバッシングする。
我が国の女性には「不生女」(うまずめ)とよばれ長い間世間から差別された歴史があった。沢山の女性が子供を産めないことを理由に不条理にも離縁されたことなど杉田は知る由もないだろう。
杉田は「男女平等は反道徳の妄想だ」「完璧に男女平等というなら男に子供を産んでもらうしかない」が持論だ。さらに杉田は「保育所増設は日本の家族を崩壊させる」と公言している。
そもそも人のライフスタイルは多様で子どもを持つも持たないも当該の「夫婦」の問題だ。その夫婦のきめことに国家が介入すべきでない。それは人権無視、自由はく奪はもとより、国会議員の行動規範ともいう憲法99条(国会議員が憲法を守る義務)にも反している。
「産めよ増やせよ」は戦中の日本軍の兵士づくりで、今回の「生産性」発言は自民党政権のために殉職するほどの「労働者」がほしいからか。なにしろ「Karoushi」で知られる国だ。「ニッポン死ね!!」は続いている。
この記事に関連するニュース
-
日本の皇位継承が国連勧告を受けるという恥をかかせた元凶…明治時代「男系男子限定」に誘導した人物の名前
プレジデントオンライン / 2024年11月22日 9時15分
-
「女性蔑視が透けて見える」子宮摘出“発言”で謝罪の百田尚樹氏、火に油注いだXでの反論
週刊女性PRIME / 2024年11月12日 17時30分
-
自公過半数割れ、野党大躍進にも素直に喜べないワケ(ラサール石井/タレント)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月31日 9時26分
-
マッカーサー草案を翻訳した日本国憲法は「誤訳」だらけ…改正議論の前に「校正」が必要である理由
プレジデントオンライン / 2024年10月27日 7時15分
-
《落選してほしい議員ランキング》「殿さま気取り」猛批判の杉田水脈を抑えた断トツの1位
週刊女性PRIME / 2024年10月26日 21時0分
ランキング
-
1【物価高】年末年始のおせちにも影響か サケ不漁でことしはイクラが高い!? 《新潟》
TeNYテレビ新潟 / 2024年11月23日 17時55分
-
2【裁判詳報】不可解な関係 20年にわたり売春の収入を”渡し続けた女”と”受け取り続けた女” 強盗致死事件 共謀はあったのか”渡し続けた女”が証言
RKB毎日放送 / 2024年11月23日 15時4分
-
3【ふたご座流星群 まもなく始まる】 観察のポイント&撮影のコツ【スマホで流星を撮るには】
MBC南日本放送 / 2024年11月23日 15時10分
-
4標津川で「流された」男児が死亡 通報から3時間後に下流で発見
毎日新聞 / 2024年11月23日 20時56分
-
58歳女の子含む6人が重軽傷…朝の高速道路で乗用車3台と軽乗用車2台が絡む事故 伊勢湾岸道下り・湾岸弥富IC付近
東海テレビ / 2024年11月23日 13時59分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください