<1冊3分は可能?>速読を超える「瞬読」を検証
メディアゴン / 2018年11月11日 7時30分
知久哲也(放送作家)
* * *
「速読」の技術やノウハウを紹介した本は多い。読んでいるとは思えないスピードでページをめくるような人もいるが、「本当に理解しているの?」と疑問になるようなものもある。
放送作家という職業上、本や資料を読むことは多いので、インチキ的なノウハウや情報商材であっても「速読」と聞くとつい気になってしまう。
筆者が構成を担当したある企画でも、ページを高速でめくっているとしか思えない「神業的な速読」の人が、その本をどの程度理解しているのか検証したことがある。しかし、その時の理解度はなんとも怪しいものだった。「読む」というよりは「見る」という印象。やっぱりそんな甘くないかな・・・といつも思わされている。
さて、先日面白い本を見つけたので手にとってみた。タイトルは山中恵美子 「瞬読」(SBクリエイティブ)である。「速読」ではなく「瞬読」。どんなスピードなのか、どの程度理解ができるのか、など気になってしまい、思わず手にとった次第だ。
筆者が本書で注目した点はスピードというよりも、「99%忘れない」というところである。早く読めることに越したことはないが、別に速読芸人を目指しているわけではないので、むしろ「そこそこ早く読めて、ちゃんと身についている」ということが重要だからだ。
さて、瞬読メソッドは「速読術」というよりは、「脳の潜在能力を引き出す」という脳力開発であるらしい。確かに、従来の「速読術」のように、ページの中でどこを見れば良いとか、目や視線をどう動かせば良い・・・といった動体視力に依存するものではなかった。新しい発想である。
眼球移動や動体視力の鍛錬ではなく、脳力開発が基本なので、記憶力や問題処理脳力なども高めることができ、それが結果的に「速読」そして「瞬読」へと繋がってゆく仕組みである。これまでの速読術と言えば、時間のないビジネスマンのための動体視力を駆使したマッチョなテクニックだったが、瞬読メソッドであれば、子供でもできるように感じた。むしろ、脳力開発という意味で、早いうちから取り組んだ方が良いかもしれない。
脳力鍛錬という意味では、高齢者のボケ防止・・・にも役立つのではないかとさえ思う。「瞬読」という言葉につられて購入したものの、速読だけではなく、脳力鍛錬にも効果が高そうである。
ネタバレを避けるために、詳細は本書を読んでいただきたいが、本書で提案されている「瞬読」に、地頭や動体視力などの良し悪しは関係ない。誰でもがトレーニングのよって「瞬読」を目指すことができる。
筆者はやり始めたばかりなので、うたい文句にある「1冊を3分程度で読み切る」ということが実現するかどうかはまだわからない。しかし、購入したばかりであるものの、普段の自分よりもかなり早く読めていることは事実である。もちろん、中身もよく覚えている。読後に頭がクリアになっている、という印象だ。
速読を超え、「瞬読」になることを目指したいが、中身が理解できる、クリアに覚えているということの方に筆者はむしろ着目したい。
1日試してみただけであるが、速読を超える「瞬読」とは言わないまでも、通勤電車の中だけで、苦もなく一冊読み切れるスピードにはなれている。そう考えれば、速読術としても相当有能であることは間違いない。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
速すぎて“危険すら感じる”ハムスターの動きに「スゴすぎ…」「早送りとしか思えない」 チョロQのような俊足が話題
ねとらぼ / 2024年6月29日 8時30分
-
【発売1週間で1万部突破!王様のブランチでも紹介!】星 友啓 著『スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長が教える 脳が一生忘れないインプット術』
@Press / 2024年6月22日 13時0分
-
【人事・教育担当者対象】メディアに多数出演する勉強の専門家が試験に受かる勉強法を解説!5月FP1級学科試験の傾向も分析【参加特典あり】
PR TIMES / 2024年6月21日 13時15分
-
だれでも読書スピードが4倍速になる…医学博士が認めた「脳科学的に正しい速読」5つのポイント
プレジデントオンライン / 2024年6月8日 16時15分
-
本を読むのが速い人は、なぜ速く読めるのか…読書をがんばる人ほど「速読」から遠ざかってしまう理由
プレジデントオンライン / 2024年6月6日 16時15分
ランキング
-
1「なぜその格好...」ルーブル美術館を貸し切った米モデル、名画の前に佇む写真に「マナー違反」「不衛生」と批判殺到
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月3日 17時10分
-
2『イッテQ』いとうあさこ、スタッフに「絶対触らないで」 とっさの“気遣い”が反響呼ぶ
Sirabee / 2024年7月2日 12時45分
-
3反町隆史 50歳の「POISON」に酔いしれる視聴者続出「イケおじ」「かっこよ」「激アツ」
スポニチアネックス / 2024年7月3日 21時53分
-
4夏クールドラマで「月・火」連続の「学生の妊娠」扱われる 春は「記憶喪失」多く...流行りなの?
J-CASTニュース / 2024年7月3日 20時18分
-
5元純烈・小田井涼平の“年表の1行”に空目する人続出 「違和感ない」「知らなかった」
Sirabee / 2024年7月2日 12時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください