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<いい加減だらけで今年も暮れる>働き方改革、公選法、入管法、桜田大臣、片山大臣・・・

メディアゴン / 2018年11月25日 7時30分

<いい加減だらけで今年も暮れる>働き方改革、公選法、入管法、桜田大臣、片山大臣・・・

両角敏明[元テレビプロデューサー]

* * *

またまたデータ集計ミス発覚です。春、働き方改革の厚労省に続いて、秋、入管法改正案の法務省。どちらもミスというより改竄のニオイ・・・。いずれであろうが、あまりにいい加減です。

公選法のいい加減さに驚きました。選挙では宛名のない領収書がOKなんですね。香川県の選管に確認したという平井卓也新科技相の説明です。平井新大臣は四国新聞や西日本放送の社長だった方ですので、両社では記者さんやディレクターさんの取材費精算では宛名のない領収書がOKなのかもしれません。宛名のない領収書などは論外、上様もダメ、修正があってもダメという世間の常識とかけ離れています。

公選法ではなく消費税法では「受取人」の記入が領収書の要件ですが、いくつかの例外はあります。たしかにコンビニの少額レシートにいちいち宛名を書いてもらう必要はなさそうです。ところが、この平井大臣の場合、1枚で141万円の領収書などを含む計61枚、総額約700万円、選挙時支出のほぼ5割が宛名なし、うち27枚はただし書きもない領収書というのですから驚きです。ここまでいい加減で良いのでしょうか。

それにしても、平井大臣の事務所はなぜ領収書に宛名を書いてもらわなかったのでしょう。筆者には支払いをいくつかの事務所や個人に割り分けるためとしか考えられないのですが、いずれにせよたとえ公選法では合法でも、法の精神を考えれば平井新大臣が「合法だ!」と記者会見で胸を張るようなことでもありますまい。

桜田義孝オリパラ、サイバーセキュリティー担当新大臣の発言のいい加減さはすでにおなじみです。ナイツの漫才じゃあるまいし、45秒の「原稿朗読」で8カ所の言い間違いです。ナイツじゃないよ、政界の出川哲朗だよと言う人もいます。たしかに芸でもなければ人はあれほど言い間違えられるものじゃありません。

【参考】<障害者雇用水増し事件>不祥事をしながら「省庁横断の試験実施で」と論理すり替えに怒り

揚げ足とりだ何だと野党の質問を批判する向きもありますが、桜田大臣発言のいい加減さは閣僚として許容すべきレベルを遙かに超えています。オリンピックの政府予算もUSBも、詳しく知らなくてもかまいませんが、あれで森喜朗組織委員会会長、小池都知事、IOC、JOC、関係各省庁などの間で調整役などできると考えられますか。ロンドンオリンピックでは実際にサイバーテロによりあわやメイン会場の全電源喪失という危機に襲われ、間一髪で回避したとか。日本は対策が立ち遅れていると言われるこの分野のトップがUSBポートを『穴』などと言い、世界的に嘲笑されるような方で各国から信用されるのでしょうか。

いい加減さの質と量で桜田大臣をはるかに超えるのが片山さつき地方創生大臣でしょう。100万円口利き疑惑を皮切りに、超エリート経歴にしてはセコい話がてんこ盛り。それぞれ違法にならないギリギリのキワをねらっているズルさがミエミエです。国会答弁もごはん論法や的外し、法廷を楯にするなどズルく体をかわすばかりですから説得力がありません。秘書としての入構証を与え、名刺も持たせ、自身の名代として挨拶もさせ、国内外を問わず要人との面談に同席させても、N氏は秘書ではないとあれこれ言い訳をひねり出すのは自慢の頭の使い方が間違っているのでは。

片山大臣、数々のセコ疑惑の中でも筆者が強い興味を持ったのは府中市のお祭りの一件です。お祭りは寄進があれば、その人の名前と内容を紙に書き貼り出しますが、そこにははっきり「一、麦酒一箱也 奉片山さつき様」と書いてあるのです。公選法違反のはずですが。これについて頭の良い片山大臣がどう言い逃れるのか楽しみです。まさか同姓同名の別人なんて言うのではないでしょうね。ある新聞社の世論調査で、片山大臣の説明に納得できる方は10%以下、納得できない方は70%超でした。この数字はモリカケ問題で安倍首相の説明に納得できる方10%前後、納得できない方70%超という数字とそっくりです。片山大臣、ここは総理並みです。

こう見れば、なによりもいい加減なのは今回の組閣。「適材適所で全員野球」と言った総理の言葉こそ意味不明、いい加減の極みでは。そしてその後もいい加減な言葉が飛び交っています。注目の入管法改正について自民党岸田文雄政調会長の国会での質問、

『移民政策と今回の取り組みは違うと言っておられます。では、日本に移民政策を導入した場合と、政府の取り組みを導入した場合と、どう違ってくるのでしょうか?』

これに山下法務大臣は、

『深刻な人手不足が生じている分野に限って外国人のニーズにも応えるものであります。日本人との共生という視点からも適切な制度の運用が期待できると考えております。』

答えにならないまったくいい加減な答弁で、さすがに岸田氏も苦笑するばかり。さらに山下大臣は『(今回の制度は)技能実習制度とまったく異なる制度であります』と言い切りますが、技能実習制度から新制度へ無試験で移行する外国人が50%というのですから完全連動です。どうにも話はいい加減です。

【参考】<公文書偽造事件>ついでに政府は憲法も「書き換え」か「改ざん」か!?

そして安倍総理。「日米安保」の祖父岸信介、「沖縄返還」の大叔父佐藤栄作、に比してこのままでは歴史に「モリカケ」の安倍晋三と残ると焦ったのかもしれません。安倍総理は、さも重大な合意が為されたがごとく、私とプーチン大統領の間で平和条約問題に決着をつける、と重々しく言明しました。どうやら、ロシアと平和条約を結んだ上で2島(先行?)返還を実現することでプーチンと握ったとおっしゃっているようでした。ところが翌日、またまたプーチンから冷水浴びせの発言があると、安倍さんはこう言いました。「従来の日本政府の方針と変わりがない」と。

これまで一貫した政府方針は、4島一括返還、帰属問題を解決した後に平和条約、だったのでは。総理の言葉がいい加減でわけがわかりません。この問題についての安倍総理発言については、「ひるおび」八代英樹氏のコメントに尽きるのではないでしょうか。大意を記します。

「2島を先行して返してもらうのは、何もないよりいいのかもしれない。しかしそこにもし国後・択捉は諦めてね、という口が裂けても言えない意図が含まれているなら、2島の後に国後・択捉返還もありそうな空気を出しつつ国民に説明するのは無しにしてもらいたい。」

これはいい加減な言葉に対する警鐘コメントではなく、逆に巧妙な言い回しや、言い換えなどを駆使して国民の目を眩ませてきた安倍総理に対する警鐘コメントです。政治家は、いざという時は、言葉を正確に国民に事実を理解させ、判断を仰がねばなりません。政治家が、いい加減な言葉、不正直な言葉で国民を惑わせば国の行く末を誤ります。

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