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2019年を日本政治再生の元年にしよう-植草一秀

メディアゴン / 2019年1月5日 16時37分

植草一秀[経済評論家]

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今年は元号が変わり、その直後に参院選が予定され、10月には消費税率の引き上げも予定されている。激動の1年になることが予想される。

第2次安倍内閣が発足して丸6年の時間が経過した。この6年間に日本の改変が急激に推進されてきた。2013年の参院選で安倍内閣与党が参院過半数を獲得して以来、政治の暴走が加速して、その勢いが止まらない。「衆参ねじれ」が政治の暴走を防ぐ安全弁として機能していたが、その安全弁が消滅して、政治の暴走が加速してしまったのだ。この暴走列車にブレーキをかけるには、7月の参院選で安倍内閣与党を敗北させることが必要だ。

日本の主権者は、年頭に当たり、このことをしっかりと認識しなければならない。私たちが目指すべき方向は、明るい日本の復活である。

第2次安倍内閣が発足してからの6年間、日本経済は超低迷を続けている。メディアはアベノミクスが成功したかのような錯覚を与える報道を展開するが、現実の経済統計が日本経済の超停滞をはっきりと示している。

経済成長を示す最重要の経済指標は実質GDP成長率である。第2次安倍内閣発足後の実質GDP成長率平均値(前期比年率成長率の単純平均値)は+1.3%。日本経済が超低迷していた民主党政権時代の成長率平均値+1.7%を大幅に下回っている。労働者にとって最重要の経済指標である実質賃金指数は、第2次安倍内閣発足後に約5%も減少した。民主党政権時代は、実質賃金指数はほぼ横ばいの推移を示していた。その一方で、大企業収益だけは史上最高値を更新し続けている。

経済が超低迷を続け、労働者の実質賃金が大幅に減少する一方で、大企業収益だけが突出して拡大を続けた。これがアベノミクスの実態である。大資本にとっては夢のような経済推移だが、労働者である一般国民にとっては悪夢の6年間が経過したということだ。資本が栄えて、民が亡ぶ推移が続いてきたのは偶然の所産ではない。安倍内閣が意図して、民を下流に押し流すことによって資本を潤わせてきたのである。

この政治運営を、日本の主権者がどう評価し、次の選挙でどのような判断を示すのかが問われている。この安倍政治をYESと考えるなら、安倍政治を続投させるように投票行動を示す必要がある。この安倍政治をNOと考えるなら、参院選では安倍内閣与党を過半数割れに追い込むべきである。

本年の通常国会は1月28日に招集される可能性が高い。その場合、会期末は6月27日になる。参院選は7月4日公示、7月21日投票となる可能性が高い。6月28-29日には大阪でG20首脳会議が開催される。この国際会議を選挙の宣伝に活用することが目論まれていると見られる。同時に、この日程は、7月21日の衆参ダブル選の可能性を温存するものでもある。日ロ平和条約、消費税増税再々再延期などを大義名分にして衆参ダブル選が仕掛けられる可能性を否定できない。

安倍政治をNOと考える主権者は、この国政選挙に勝利するための方策を考え、確実に実行しなければならない。野党勢力の足並みが乱れている現実を踏まえる限り、主権者が前面に出て、選挙戦を主導することが必要になる。

私たちの子や孫の世代に明るい時代をもたらすために、この戦いに負けることはできないのだ。

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