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<NHK大河「いだてん」>やりすぎる番宣は逆効果?

メディアゴン / 2019年1月13日 7時30分

<NHK大河「いだてん」>やりすぎる番宣は逆効果?

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

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2019年1月6日にNHK大河ドラマ「いだてん」初回が放送された。

今回の大河ドラマ「いだてん」は2013年度(平成25年度)上半期の朝ドラ「あまちゃん」のスタッフが担当している。脚本は宮藤官九郎のオリジナル。音楽・大友良英、演出・井上剛、制作統括・訓覇圭という布陣だ。

これだけ同じであれば(特に音楽と脚本が同じ場合)通奏低音は相当似かよってくるだろうと思ったが、案の定のテンポ。筆者はまだついていける(心地よい)が、年寄りはきついだろう。どうせ同じスタッフなら、のん(能年玲奈)も出演させてほしいと感じた。渥美清が山田洋次の「寅さん」以外の作品にゲスト出演したように。

日本頑張れ、日本人頑張れの一色に染められている作品が筆者は大嫌いである。しかし、この頃テレビはその風潮に絡め取られており、視聴率も良い。個人的には嫌な傾向であると思っている。そして「いだてん」がナショナリズムを鼓舞する国威発揚番組の頂点になってしまうのではないかと危惧していた。

初回を見て「まだ、大丈夫」であった。それは、スポーツバカを馬鹿にしている感じが香ってくるからである。これからの宮藤脚本に期待したいところだ。ところで、想像力の旺盛な宮藤脚本には、執筆時に邪魔な史実があるのではないか、つまらない史実が邪魔をして想像力が羽ばたかないとしたら大変だ。筆者の敬愛する作家・吉村昭氏は「ストーリに邪魔な史実は切る」と言っている。

松尾スズキが主宰する「劇団大人計画」の俳優・阿部サダヲ主演の脚本を、「大人計画」座付き作家である宮藤官九郎が書く。志ん生役のビートたけしはキャスティングミスではなかったのか。志ん生のモノマネである必要はないが、志ん生の破天荒さは表現してほしい。志ん生の落語がドラマのナレーション代わりになる構造だが、そのナレーションを若き日の志ん生(森山未來)もやる。2人がかりのナレーション。わかりにくい。わかりにくいよりも、ビートたけしの不必要さが際立ってしまう。

今回はNHKの番組宣伝もものすごい。

『ごごナマ』では、「いだてん大特集!」と題して、演者の中村勘九郎、阿部サダヲ、綾瀬はるか、勝地涼らがドラマの見どころや撮影の舞台裏を。『チコちゃんに叱られる』でも、「いだてん」とのコラボ番組を放送。阿部、綾瀬、そして生田斗真。『ファミリーヒストリー』では、宮藤官九郎の、宮藤姓の謎などを特集。さらに続けて『いだてんが駆け抜けた時代』というスペシャル番組を放送している。『ダーウィンが来た』にまで、勘九郎、阿部サダヲ出演。『鶴瓶の家族に乾杯』では、生田がゲスト。

そんなに番宣を頑張ると逆効果になると感じる業界関係者は筆者だけではあるまい。注意点はビートたけしが一切番宣ゲストになっていないこと。筆者は、番宣番組の殆どを見たからだろうか、初回放送は再放送を見るようであった。

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