著者に聞く「ビジネスモデル虎の巻!」で儲かる仕組みをチェック
メディアゴン / 2019年3月5日 7時30分
知久哲也[放送作家]
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筆者の職域であるエンターテインメントの現場では、何かを企画をする場合、必ずといって良いほど「マーケティング」について問われる。そして、そのマーケティングはどのような「ビジネスモデル」に基づいて収益を上げるのか? について具体的に示さなければ、どんな面白い企画であっても、まず採用はされない。
筆者は放送作家としてテレビ番組だけでなく、イベントなどの様々な企画に携わっているが、特にエンターテインメントの業界では「効果的なマーケティング手法」と「具体的なビジネスモデル」の2点が非常に重要だ。
「ビジネスモデル」というキーワードでamazonの書籍検索をしてみると、なんとその数は1000以上と出る。「マーケティング」に至っては1万以上と、これら分野がいかに今日重要な関心事であるかがわかる。
そんな中、「ビジネスモデル=儲かる仕組み」という観点から書かれた本『ビジネスモデル虎の巻!』(渡邉均 著)が斬新だ。著者の渡邉均氏は、広告代理店最大手である電通の専属広告企画・制作会社で35年間にわたり、6万件にもおよぶ広告に携わってきた人物。内容も具体的であるというか、実に生々しい。こういった現実的な本は意外とない。
『ビジネスモデル虎の巻!』の著者、渡邉均氏にビジネスモデルについて話を聞いた。
<以下、インタビュー>
知久哲也(以下、知久):ビジネスモデルってわかっているような、わからない言葉ですよね。
渡邉均(以下、渡邉):ビジネスモデルをひと言で言えば「儲かる仕組み」です。日本でビジネスモデルという言葉が使われ始めたのは比較的に新しく、2000年頃と言われています。ですから「マーケティング」のような言葉ほど、一般的にはまだまだ十分に理解されていると言えません。しかし、なぜか言葉だけが一人歩きして、理解されぬままに濫用されています。
知久:帯に「わかりやすく、読みやすい解説本」と書いてあったのですが、確かに2時間もかからずに読みきれました。
渡邉:「わかりやすさ」にはこだわって書いていますので、誰でも簡単に通読できるはずです。本書の使い方としては、軽く通読するだけでなく、経営に関して「気になった項目」を読み返してみる、という使い方もオススメです。
知久:ネタバラしてはまずいので詳細は控えますが、本書のキーポイント「ビジネスモデル9項目」について教えてください。
渡邉:ビジネスモデルは思いつきやヒラメキで作るものではありません。ビジネスモデルを構成する要素はたった9項目です。この9項目をチェックするだけで、自社の儲かる仕組みが作れます。
知久:たった9項目だけですか(汗)
渡邉:例えば、あなたの商品やサービスの売上が減少している場合、そこには必ず『減少する理由』があります。その理由は、他社の優れた商品が発売されたからかもしれない。この場合は、売上減少のスピードは速くなります。または、お客様の「嗜好性」が変化したからかもしれません。この場合、売上減少のスピードは比較的緩やかになります。あるいは、同業他社がネット通販を始めたからもしれません。このように、あらゆることには、原因になる理由があります。その売上減少の理由が「何か」を見つけるためのチェック項目が、たった9つなんです。
知久: 9項目をチェックすることで、売上減少に対する明確な答えが見つかり、苦難から脱出できたというご自身の経験を教えてください。
渡邉:前職は広告会社の社長でしたが、その当時はまだ『ビジネスモデル』を知りませんでした。やはり、売上の減少や、利益の減少に悩んだ時期があります。しかし、経営に関わる様々な要素を経験的に調べ上げていった結果、チェックすべきポイントがあることに気づきました。それによって、何が原因なのか見つけられるだけでなく、正しい判断で原因に対処することができ、再び、売上や利益を確保できるようになりました。それが結果的にビジネスモデルの9項目だったんですね。
知久:ビジネスモデルの9項目をチェックすれば、マイナスの原因を見つけることができ、マイナスをプラスに転嫁することもできるということですが、9項目をチェックするだけで課題や問題は解決しますか?
渡邉:ビジネスモデルの9項目をチェックするだけですから、何を、どうすればいいのかわからない、といった不安は解消されます。ただし、9項目のチェックだけして何も行動しなければ問題や課題は解決しません。当然ですが、問題や課題の原因をチェックして発見できたら、その原因を解決するための行動は欠かせませんからね。
知久:なるほど・・・知識だけでなく行動も伴わせろよ、と(汗)
渡邉:その通りです。ビジネスモデルは会社にとって『儲かる仕組み』です。それを構成する9項目を理解すれば、マイナスの原因を発見し、プラスに転換することができます。得体の知れない不安から脱出して、根拠のある、儲かる仕組みを作ることができるのです。
<以上、インタビュー>
放送作家やプランナーといった仕事で「売る」ものはアイデアや企画であって「モノ」ではない。よってマーケティングやビジネスモデルといった「稼ぐ方法」「儲かる仕組み」が何よりも重要。筆者もこの点にいつも苦労させられてきたので、本書は目から鱗の一冊だ。
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