ピエール瀧「作品に罪はない」が自粛は必要
メディアゴン / 2019年3月21日 7時30分
メディアゴン編集部
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麻薬取締法違反の疑いでのピエール瀧容疑者の逮捕に伴い、所属する「電気グルーヴ」のCDはもとより、様々なコンテンツが配信・公開停止や回収・差し替え・取り下げの事態になっている。
活動の幅が広かったピエール瀧容疑者だけに、その影響は計り知れず、「作品に罪はない」という立場から、機械的な自粛には識者や著名人からの批判も多い。
たしかに、制作者や関係者が逮捕されたからといって、その作品自体に何か変化があるわけではない。違法薬物の利用者が作った作品を視聴することで薬物中毒になるわけでも、感染するわけでもない。しかも、コンテンツ制作は一人だけでできる上がるものではなく、様々な場面に多くのスタッフが関わっている。「たった一人の参加者」の罪によって、貴重で素晴らしい「罪のない作品」が機械的に自粛に追いやられることに異論や疑問、違和感を持つ人は少なくない。
一方で、違法薬物は絶対に許してはならない「犯罪行為」であるという現実も忘れてはならない。薬物犯罪はどんな状況・事情であっても決して許してはならないし、社会が一丸となって撲滅してゆかなければならない問題だ。特に情報発信を担う影響力の強いメディアに関していえば、その役割はどこよりも重くあるべきである。表現の自由の次元を超えて、違法薬物の利用を助長したり、容認していると誤解されるような表現はしてはならない。
よって、制作者や出演者など、コンテンツ制作で中心的な役割にある人たちは、「もし自分が違法・不正に手を染めれば、『罪のない作品とその周辺』にも甚大な影響を及ぼす」というリスクをより強く自覚すべきだろう。自分一人の勝手で責任な行為が「罪のない貴重なコンテンツ」を社会から消し、それに関わる多くの人たちにも計り知れない迷惑をかけてしまうのだ。その社会的な罪は本人の薬物犯罪以上に重い。
その意味では、「作品に罪はない」とはいえ、制作者が逮捕されれば、作品が社会から消し去られてしまうというリスクを自覚させることで、著名人たちの違法薬物への意識を高めてもらうことは必要ではないか。
薬物犯罪の問題の大きさ、罪の大きさを理解させ、社会から違法薬物をなくしてゆくためにも、「たった一人の浅はかな行為は、こんなに大きな、取り返しのつかない問題を起こすのだ」ということを知ってもらうためにも、「罪のない作品」が消えてゆく場面を見せてゆくべきであるように思う。
これを世間では「見せしめ」というが、近年の芸能界などの薬物疑惑や問題を見ると、「見せしめ」も必要ではないかと思う。若者たちを中心に、社会的な影響力の強い芸能人やコンテンツ制作者たちなのだから、「見せしめ効果」は決して小さくはないはずだ。もちろん、それによって、「見せしめに巻き込まれたくない人」による監視も強化されるだろう。
薬物犯罪というものが、貴重な「罪のない作品」が社会から消されてしまうほどに、大きなそして重い罪であるということを周知させる契機にすべきではないか。心当たりのある芸能人は、休暇を装って証拠隠滅やヤク抜きをしている場合ではないのだ。
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