ジャニーズ、元SMAP3人への圧力問題 各局のテレビ報道は?

メディアゴン / 2019年7月20日 7時30分

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奥村シンゴ(ライター)

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草なぎ剛、稲垣吾郎、香取慎吾、元SMAP3人をテレビ出演させないよう圧力をかけたと公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いがあるとしてジャニーズ事務所を注意という報道が流れ、衝撃が走った。キー局の報道姿勢はまちまちで相変わらずジャニーズへの忖度を感じる局、番組、MC、コメンテーターが多い印象をもった。

一方、少しずつ変わろうとする姿がみられる局や番組やMCなどもいる。ライターとしてテレビや芸能記事を書き、たまにテレビの仕事も手伝い元SMAP3人を尊敬する一人として考察する。

<元SMAP3人独立後、キー局の異常なまでのジャニーズへの配慮>

18日になり、NHKが民放関係者の証言を公開した。

「ジャニーズ事務所に所属タレントの出演を依頼した際、事務所の幹部から元3人が関わっている場合、所属タレントは出演させられないと圧力をかけられた」(NHKニュース「ジャニーズ事務所から圧力 民放テレビ関係者が公取に証言」2019年7月18日より引用)

また、元KAT-TUNの赤西仁が次のようTwitterに投稿した。

「こうゆうのが蔓延ってるから日本のエンタメがどんどんつまらなくなっていくの。日本TVの作品もずっと同じクオリティでぐるぐる。でも”圧力をかけている“という風に見えないように忖度を自主的にさせるように仕向けてたとしても、ちゃんと独禁法にひっかかるのだろうか?」(「元KAT-TUN赤西仁のツイッター」2019年7月17日より引用)

ジャニーズ側は「テレビ局などに圧力をかけた事実はなく、公正取引委員会からも独占禁止法違反行為があったとして行政処分や警告をうけたものではない」と否定。ジャニーズがテレビ局などに圧力をかけたのを否定しているが、筆者は圧力をかけ忖度はあったと思う。

3人がSMAPを独立して以降、ジャニーズへの異常な忖度を感じる場面や関係者から話をき聞いたことがある。3人のレギュラー番組は、香取がテレビ朝日『SmaSTATION!!』、フジテレビ『おじゃMAP!!』、草なぎ剛がテレビ朝日『「ぷっ」すま』、稲垣がTBS『ゴロウ・デラックス』と続々と放送終了。

楽曲『雨上がりのステップ』や『星のファンファーレ』、映画『クソ野郎と美しき世界』、CM『星のドラゴンクエスト』を発表してもキー局の報道は一切なし。キー局がジャニーズへ忖度しているのか、ジャニーズ側に指示されているのか不明だが、不遇な扱いを受け続けているのは確かだ。

しかし、大阪・名古屋・福岡など地方局では放送されており、私の知人のテレビ関係者曰く「ジャニーズは大阪・名古屋・福岡までみてないだろうし注意をうけることはないので流していると思う」と言っていた。地方局は元SMAP3人が独立後もSMAP時代とほぼ変わらず放送しており、キー局のジャニーズへの配慮が異常なのだ。

<NHKとTBSのみトップ扱いで踏みこんだ報道>

一番最初に17日の『NHKニュース9』がトップに報道し、昨年9月3人がパリへ行ったVTRを流しながら「独立後レギュラー番組が次々と打ち切り、現在民放の番組なくなる」、草なぎが独立後に話した「よくわからない大人の事情とかあるのでみんな望む場所に到達できていない面もある」のコメントを引用しテロップで流した。そして、スタジオではNHKの解説委員が今回の経緯をパネルを使い説明した。

NHKに続き民放でトップで唯一報道したのは17日放送TBSの『NEWS23』。『NEWS23』は星浩キャスターが「公正取引委員会は最近、従来は慣行とされた取引にもメスを入れる傾向。この問題が事実なら不公正な取引そのもの。芸能界ではよくあるということで済まない。TBSも調査にしっかり協力して欲しいと思います」とコメント。さらに、今回の件について渋谷でインタビューを実施し街頭の若い女性が「自由にテレビに出させてあげてほしい」と答えた部分を放送した。

NHKは公共放送で受信料経営のため公正な報道をするのは当然かもしれないが、草なぎのコメントや解説委員を呼び事の経緯を説明したのは評価したい。

TBSは星が「芸能界だからと済まされる問題ではない」とハッキリコメントした上に街頭インタビューまで実施し、キー局では一早い決断で随分大胆な報道に踏み切った。ただ、TBSはTOKIOの国分太一がMCを務める『ビビット』では一切スルーしていたのをみると、『NEWS23』が特別だっただけかもしれない。

<ニュースを淡々と読んでいるだけの日テレ、テレ朝、フジ>

日テレ(スッキリ除く)、テレ朝、フジの報道姿勢は相変わらず変化がない。各局、ワイドショーなど情報番組を多数もつがジャニーズが元SMAP3人に圧力をかけた恐れがあるとニュースを淡々と読んだだけ。解説委員やコメンテーターにコメントを求めたり深掘りするのは今のところみられず、報道機関として情けない限りだ。

しいていうなら、18日放送の読売テレビ『ミヤネ屋』でMCの宮根誠司が「僕の見解ですが、完全にテレビ局の忖度。今の時代、『出さないでね』とかそういうことは聞かない」と私見。さらに、「横並びのテレビ局の忖度じゃないですか?僕らは分かりませんよ、僕らは出入り業者ですから。この3人(草なぎ・稲垣・香取)がミヤネ屋出るって言ったら、全然みんなウェルカム」と笑いながら3人の出演を懇願。『ミヤネ屋』は日テレで放送されてはいるが、大阪・読売テレビ制作の番組で以前関係者かから「ミヤネ屋は元SMAPの話題も割と積極的に扱っている。東京で放送されているけど、変な忖度がないんじゃないかな」と話していた。

<芸能人で唯一ジャニーズへハッキリ物申した加藤浩次>

ジャニーズに及び腰かと思われた日テレの番組で唯一ハッキリと物申した人物がいた。

日本テレビの『スッキリ』でMCを務める加藤浩次だ。加藤は「ジャニーズ事務所に限らず、みなさんもう周知の(事実)なんですよ。大手の事務所を独立したタレントは何年かテレビに出られなくなるというのは、僕は、テレビを見ている方で気づいている方はいると思う。僕らもこういう仕事させてもらい、そういうのが暗黙にあるのがわかっている」と芸能界やテレビ業界に長く根づいている慣習を認めた。

そして、「今の時代で考えたら、おかしいという部分、僕は実際にある。テレビ局、事務所関係、この業界全体がこれから新しく変わっていく、次に向かっていくきっかけになればいい」と今後のテレビ業界や芸能界の変化に期待を寄せた。

吉本興業という大手芸能事務所に所属し、妻と子供がいて家庭を守らないといけない。さまざまな葛藤があっただろうが、ここまでジャニーズへハッキリ物申せる加藤浩次。コメンテーターや評論家という立場でありながら物申せない人たちが多数の中、本当にテレビ業界や芸能界にはびこる旧慣習を変えたいという強い思いが伝わってきた。

今回、『スッキリ』MCの加藤浩次や『NEWS23』星浩の発言のように番組やキャスターの中に「今までのジャニーズへの忖度を変えよう、新しいテレビ業界や芸能界を作ろう」と気概がある人たちがいるのは明るい兆候だ。このような人たちが増え声をあげ続けていくことが、元SMAP3人をキー局のレギュラー番組、CM、映画など宣伝告知復活や過去に干された芸能人のカムバックも期待できるのではないだろうか。

本当に実力や才能があり魅力的な人たちがテレビに生き残り活躍する日が一日も早く来るのを願ってやまない。

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