<木村拓哉主演『グランメゾン東京』>もしオマージュならドラマ冒頭でそれを示すべき
メディアゴン / 2019年11月2日 7時40分
物部尚[エッセイスト]
***
『二ツ星の料理人』(原題: Burn、監督・ジョン・ウェルズ、脚本・スティーヴン・ナイト、主演・ブラッドリー・クーパー)は、特に大したことのないアメリカ映画である。ストーリーの概略。
主人公アダムは、パリのレストランで天才の名をほしいままにした料理人である。一方で、天才ゆえのトラブルメカーであった。麻薬と酒に溺れてヤクザらしき男たちから多額の借金をした。しかし、心機一転、アダムは、ロンドンに渡り、ミシュラン3つ星のレストランを作る決意をする。ロンドンで店の調理スタッフを集めようとするが、かつての悪行や、すぐにキレるという性格から仲間はなかなか集まらない。店を始めたアダムのもとにヤクザたちが迫る。
言ってしまえば、誰でも思いつきそうな話である。誰でも思いつきそうな話でも、役者の芝居や、そこに導入されるエピソード、映像、音楽などで、傑作になり得るものだが、残念ながら浅い。
筆者がこの『二ツ星の料理人』を見たのは、木村拓哉主演のTBS『グランメゾン東京』を見たからである。『グランメゾン東京』は筆者が「ドラマの脚本家に漫画原作を書かせた新しい発明」とたたえた作品だが、ネットを見ると数多くの点で『二ツ星の料理人』との類似点が指摘されている。
[参考]木村拓哉『グランメゾン東京』脚本家に漫画原作を書かせたTBSの発明
結論から言うと「大変良く似ている」。ストーリーの骨子が同じである。主人公のキャラクター設定が似ている。ただし、アイディアの類似はただちに咎められるべきものではない。オマージュ(hommage、リスペクトrespect尊敬・敬意とほぼ同義)ということもある。
筆者の考えでは、もし、オマージュであるならば、ドラマ冒頭にオマージュであることを示すべきだと考えるが、その表示は『グランメゾン東京』にはない。
ということは、偶然の一致だったと考えることもできるが、筆者の見た感じでは偶然の一致説は、可能性が低いように感じる。
たくさんの過去作品を見ることは、ドラマ制作者にとって必要不可欠であるが、『グランメゾン東京』の製作者はおそらく、『二ツ星の料理人』を見ている。善意で解釈すれば『二ツ星の料理人』は『グランメゾン東京』の製作者の身になってしまったのだろう。
脚本は、現時点で4話か5話かまでできていると思われる。願わくば『グランメゾン東京』は『二ツ星の料理人』とは、全くちがう展開を示して、独自性を表現してほしい。「ミシュラン三ツ星取れてよかったね」という結論を筆者は最も望まない。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月21日 9時26分
-
「恋愛作品がハマる・見たい」と思う50代男性俳優ランキング! 2位「木村拓哉」を抑えた1位は?
オールアバウト / 2024年11月17日 12時40分
-
「影響力がある」と思う50代男性俳優ランキング! 2位「福山雅治」を抑えた1位は?
オールアバウト / 2024年11月14日 10時50分
-
過去最多掲載「ミシュラン東京2025」を読み解く 「世界で最も星が多い」東京であり続ける理由
東洋経済オンライン / 2024年11月9日 9時10分
-
「ミシュランガイド東京2025」掲載店発表! 星付き&ビブグルマン選出のレストランをおさらい
マイナビニュース / 2024年10月27日 11時0分
ランキング
-
1「すごくひねくれてる」広瀬すずが大河俳優に“余計なひと言”で批判殺到、蒸し返される“音声さん”炎上
週刊女性PRIME / 2024年11月19日 21時0分
-
2「まだ若いのに老害への第一歩」藤田ニコル、後輩への“厳しいグチ”連発に世間は冷ややか
週刊女性PRIME / 2024年11月23日 9時0分
-
3二宮和也、「いいニノさんの日」にSNS投稿再開でファン歓喜…「盗撮記事の件になります」と2日に休止を発表
スポーツ報知 / 2024年11月23日 7時25分
-
4《再放送が話題》今からでも間に合う!「カムカムエヴリバディ」を“はじめての朝ドラ”に推す3つの理由
CREA WEB / 2024年11月22日 6時0分
-
5菅野美穂が持参した“差し入れ”に「ウソだろ」衝撃 コンビニなどにある「アレ」をまるごと…
Sirabee / 2024年11月23日 10時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください