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北の富士・舞の海・NHKアナがトリオで大相撲コント?

メディアゴン / 2020年12月8日 7時30分

北の富士・舞の海・NHKアナがトリオで大相撲コント?

高橋秀樹[放送作家/発達障害研究者]

***

大相撲11月場所は大関貴景勝(24)が13勝1敗で、照ノ富士が12勝2敗で、結びの一番で対戦するという千秋楽となった。勝負の帰趨は置いておいておく。今回、とりあげるのは北の富士・舞の海・NHKアナ、3人の解説トリオによるコントの教科書のような爆笑展開である。

まず、この3人、コントでは最も大切なキャラクター設定が見事にできあがっている。

<北の富士>解説は余技で気楽な観客の気持ち。

<舞の海>解説が天職、相撲ファンに感心されたい。

<NHKアナ>ひたすらまじめ、見事に進行したい、いい質問をして感心されたい。

トリオ・コントの役目で言い換えれば、「北の富士:ボケ」「舞の海:ニヤケ」「NHKアナ:ツッコミ」ということになる。ここまで、見事にキャラクター分けがしてあれば、コントならあとは場面設定とセリフをぶち込んで、自由にやってもらうだけである。今回は作り物ではなくマジだ。

[参考]<上から目線の辛口批評>テレビ朝日の『お助け!コントット』

今回目撃した次のシーンは、取り組みの間だったので、すべてカメラに映っていた。解説席の下手にアナ。上手に北の富士。2人の間は、コロナ対策の透明パネルで仕切っている。[以下概要。セリフなどは正確ではない]

NHKアナ「貴景勝関が1勝リードでの結びの一番ですが、どういう気持ちでしょうねえ? 北の富士さん?」

北の富士「(よそ見していたので)あ?」

NHKアナ「1勝リードの貴景勝関が、照ノ富士関と結びで対戦しますねえ」

北の富士「そうねえ、まあ、そういうことだねえ。1勝リードねえ。そうだね」

手ぶり身ぶりを何か加えて言おうと思ったのか、動かすが、間に透明パネルがあるのを忘れていたので、ぶつけてしまう。

NHKアナ「(答えを用意していないことを悟ったので話を他に振る)向正面の舞の海さん。いかがですか」

舞の海「(1人マイクに向かっている)はい、どちらも、この一番と言うことで、優勝決定戦のことは考えていないと思いますよ。貴景勝関は、いつものように真正面から向かっていく相撲です。照ノ富士関は、ちょっと動きがあるかも知れません。どちらにしろ、この一番を、終えない限りは何も決まりませんから、集中していると思います」

NHKアナ「なるほどねえ、どうですか、北の富士さん?」

北の富士「(ごく素っ気なく)そのとおりです」

筆者は、北の富士が「そのとおりです」と言った途端、爆笑してしまった。コントの原型がここには見事に表現されている。普通のセリフなのに笑える。最高である。

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