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菅政権は「ちょっと何言ってんのかわかんない」

メディアゴン / 2021年1月15日 0時39分

菅政権は「ちょっと何言ってんのかわかんない」

両角敏明[元テレビプロデューサー]

***

「ちょっと何言ってんのかわかんない」はサンドウィッチマンのネタですが、菅総理の「ちょっと何言ってんのかわかんない」話の数々を聞いているうちに医療ばかりか日本社会が崩壊しそうな気配になってきました。

菅総理の「わかんない話」にはいろいろなパターンがあります。まずは言葉そのものが何言ってるのか聞き取れないパターン。1月10日NHK「日曜討論」での発言。

「政府と与野党の協議会というのがありまして、まあ、キセスベキケントウ、シンチョウスベキ、ケンチョナガアリマス」

なんどもくり返して聞き直しましたが、筆者にはカタカナ部分は理解できませんでした。わかりますか?

次に言葉はわかるものの、その意味がとれないパターン。同じ番組で緊急事態発出後の「人出の状況をどう評価しているか?」と聞かれて、

「まだ始まったばかりでありますから、最初はやはりテレワーク7割減と私もお願いしました。しかし休みの前の打ち合わせ等がありましたのでそこは下がっていますけど、思ったほどではなかったのですが、今はかなり大丈夫だろうと思っています。」

これを何度も何度も聞き直したところ、おそらく以下のような意味の文言ではないかと。

「最初はテレワーク7割減とお願いしました。その時はまだ始まったばかりで休みの前の打ち合わせ等がありましたので、実行割合が低く、期待したほどではなかったのですが、今はかなり実効割合が上がって大丈夫だろうと思っています。」

自民党の方が「菅総理は語彙が少ないので説得力がない」と言ったそうですが、語彙よりも話の構成、ことばの並びがメチャクチャなことがわかりにくい要因でしょう。放送を視ながら素直に理解できた視聴者はほとんどいなかったのではないかと思います。どうしてこの時にこういう趣旨の発言をするのか、という意味で「ちょっと何言ってんのかわかんない」パターンも多々あります。

1月4日年頭記者会見。感染者が激増し、2度目の緊急事態宣言発出について菅総理は江川紹子さんの質問にこう答えました。

「どこが問題かということはかなり明確になっていますので、(飲食に)限定的に、集中的に行うことが効果的だというふうに思っています」

せっかくの緊事宣言という切り札を切って国民の危機感を高めようとするはずが、限定的、集中的にと言葉を弱め、アピール効果を薄めてどうすんの、っていう話です。さらに1月7日再緊急事態宣言発出の記者会見、菅総理の冒頭発言です。

「期間は1か月です。第1に飲食店の20時までの時間短縮、第2にテレワークによる出勤者数7割減、第3に20時以降不要不急の外出の自粛、第4にスポーツ観戦、コンサートなどの入場制限であります。」

この4点を対策パッケージとし、飲食店の営業時間短縮が対策の急所と語りました。4点パッケージには昼間の外出自粛要請4県境を越えての往来の自粛などは含まれていません。なぜこんなにユルーイ対策なのか、何のための宣言で何がしたいのか「ちょっと何言ってんのかわかんない」です。

[参考]ウィルスより有害ダメな政府と太鼓持ち

ところが、菅政府は強い批判を浴びて翌週には、「昼間の外出自粛要請をしていないというのは国民の誤解だ」と言い出しました。「第3に20時以降不要不急の外出の自粛」としか言っていないのでから絶対に国民側の誤解ではありません。誤解だなんて「ちょっと何言ってんのかわかんない」発言です。

さらに県境をまたいでの往来自粛要請についても、分科会の一部の専門家は「今回の宣言の中に含めるよう強く主張し、認めれて宣言に含まれている」とテレビで公言しました。しかしなぜか4点パッケージにはありませんし、政府側から宣言の中にあるという話は聞こえてきません。まったくもう「ちょっと何言ってんのかわかんない」状態がひどすぎます。

とにかく政府と国民の間のコミュニケーションがとれていません。これほど菅政府の言うことが「ちょっと何言ってんのかわかんない」状態では感染抑制が進むはずもありません。いまや菅政権のやることなすことすべて裏目裏目の連続で国民の信頼は地に落ち、医療崩壊とともに政権崩壊状態です。こんな状態に筆者はかなり怖くなってきました。大げさではなく日本社会の崩壊すらも視野に入ってきたのではないかと感じたからです。

若者たちは感染しにくく重症化リスクも低いので医療崩壊など怖くないのかもしれません。しかし、医療崩壊を越えて日本社会が崩壊したら、あるいは日本社会の未来が大きく傷ついたら、その影響を真っ向から受けるのは老人ではなく若者です。

コロナに注ぎ込んだ何十兆円という膨大な予算のツケはいずれ誰かが支払わなければなりません。経済力が落ち込めば様々な社会サービスは低下し、世界とはマイナスハンデの競争を強いられます。コロナ禍が強く長く続けば、その分だけ若者は近い未来に過酷な重荷を背負うことになるのです。

コロナなど自分には関係がないと行動を変えない若者のみなさん、そのことでひどく傷ついているのは実は自分たちの未来だとは思いませんか。しかしそうは言っても、きっと若者にはこう言われるんでしょうね・・・。

このジジイ「ちょっと何言ってんのかわかんない」

老兵は消え去るのみ、傷ついた世の中に残ってツケを払うのはあなた方若者なんですがねぇ。

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