『週刊さんまとマツコ』はなぜそっちへ行った?残念な理由
メディアゴン / 2021年5月18日 7時30分
高橋秀樹[放送作家/発達障害研究者]
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5月16日(日曜夜6時30分)の『週刊さんまとマツコ』を見終わって、筆者は少しの間動けなくなった。となりでYouTubeを見ていた息子が「どうしたの固まって」と声をかけてきたので我に返って「少し考えることがあって」と答えて席を立った。
何を考えていたのか。「番組の方向性はなぜそっちに行ってしまったのだろう」との思いで頭が一杯になってしまって、その理由を考えていたのだ。企画は「初出社する丸の内OLのためにさんまさんとマツコがそれぞれ、買い出しをし、弁当を作り競争する、その前編」というものだった。
[参考]TBS『週刊さんまとマツコ』の逆張りに期待
単純な感想でいうと、これは、駆け出しの、といってもある程度の力がないとできないが、U字工事あたりがやる、あまりにありきたりの企画だ。同じ企画でもさんまさんとマツコなら、だれも予想のできない違う展開に持っていってくれるだろうと思ったが、この前編を見た限り「普通」だ。笑いの番組で「普通」は悪手である。TBSのキャラクターの男女ブタのベンチに座ったふたりがトークを始めた時点では期待でいっぱいだった。(ちなみに男女ブタとの4ショットで始まる、というのは何らかの意図があるのか。画作りは映画監督の牧野省三氏が言う、映画で大切な三要素1 スジ、2 ヌケ、3 ドウサのうちのヌケ。意味のないカットはバラエティでもありえないのだ。
この企画内容を聞かされたさんまさんの答えは「時間に負けたか6時半の」である。めし時に食べ物企画をぶつけて視聴率が取れると思うスタッフの安易さを指摘しているとも取れる。他には前枠の「世界遺産の(視聴者を)取ろうとしている」との発言もあった。企画意図を聞いてさんまさんは納得しているということだろうか。さんまさんらしくもない考えだ。と僕は思うが、そう思っているうちにまだまだ聞きたかったトークは終わって、ロケバスは出発しスーパーに場面は変わってしまった。ふたりが違うスーパーに分かれる意図もわからない。同じスーパーのほうが事件は起こるだろう。ロケは、特に見るべきものなし。次回の後編は実際に作るらしいが、そこに「普通以外の何か」が待っているのだろうか。
可怪しい。あまりに可怪しい。何が裏があるはずだ。
さんまさんは、他人のために番組をやる時以外は、自分が信ずる企画しかやらない譲らない人だと僕は思ってきた。人の企画には乗らない人だとずっと思ってきた。そうして、おそらくテレビでやりたいことは殆どやってしまったのかもしれない。だから、今回はマツコと若いスタッフに賭けた。若いスタッフの企画をやってみることに賭けた。何かが生まれるかもしれないことに賭けた。その上でのタイトル『週刊さんまとマツコ』なのだ、このタイトルなら何をやっても、どんな企画でもふたりさえ出ていれば、当てはまる。
バラエティの番組タイトルを決めるときは、できるだけ何をやっても良いタイトルにするのが通例だった。だから「ビビデビデオブー」ではなく、「さんまのスーパーからくりテレビ」だったのだし、コント番組だった「タモリのジャングルテレビ」も、料理番組に変えてちょっとでも視聴率が上がる方向を目指して行けたのである。
最初から迷い道を行くのが『週刊さんまとマツコ』。だとしたらすごい。はたまた、ディレクターを育てようとしているのか。弁当作りの次回は飛ばして、その次の回は必ず見よう。
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