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菅義偉氏が招いた医療崩壊の悲劇 -植草一秀

メディアゴン / 2021年8月15日 4時0分

菅義偉氏が招いた医療崩壊の悲劇 -植草一秀

植草一秀[経済評論家]

***

8月13日の東京都新型コロナ新規陽性者数が5773人になった。過去最高を更新した。コロナ感染が爆発している。8月12日の全国新規陽性者数は1万8902人になった。急激な拡大を示している。

感染爆発の主因は二つ。

第一はL452R変異株の感染力が強いこと。

3月にインドで確認された。直ちに水際対策強化が必要だったが菅内閣は対応しなかった。菅内閣が対応を始めたのは5月に入ってから。ウイルス解析体制構築も遅すぎた。警戒対象がN501YからL452Rに変化しているのに、L452R検出体制を迅速に整備しなかった。L452Rは易々と日本国内に流入した。

第二は菅内閣が五輪開催を強行して、人々の行動抑制のたがが外れたこと。

その結果として感染爆発が生じている。菅内閣は6月21日に緊急事態宣言を解除したが、1ヵ月も経過しない7月12日に緊急事態宣言の再発出に追い込まれた。6月21日の宣言解除が間違っていた。すでに人流は拡大に転じており、東京都の新規陽性者数は6月21日から増加に転じた。五輪の有観客開催決定を強行するために緊急事態宣言解除が強行された。結局、有観客開催は一部例外を除きできなくなったが、五輪開催自体を強行した。有観客で開催していたら被害は想像を絶する規模に達していたはず。有観客開催を強行した宮城県、静岡県、茨城県で感染が急拡大している。五輪開催強行下での緊急事態宣言発出は、どんちゃん騒ぎをしながら絶対安静を命令するもの。

完全な論理破綻。

緊急事態宣言を発出したが人流抑制は実現しなかった。菅義偉氏は人流が抑制されていると発言したが事実でない。広い日本の細部を探せば人流が減った場所がないわけがない。その例外を取り上げて人流が抑制されていると主張するのは見苦しい限り。アップル社が公開している日本の人の移動指数がある。これを見ると人流が緊急事態宣言発出後も増加し続けていることが分かる。人流拡大と新規陽性者数拡大のタイムラグは3週間。

7月22日からの4連休。菅内閣は感染が拡大している首都圏から全国各地への民族大移動を放置した。この影響が今週表れている。全国の感染が爆発している。菅コロナ大失政で日本は危機に突入した。コロナ対応を根本から誤り続けた結果。さらに、五輪開催強行で人為的な感染爆発がもたらされた。

菅義偉氏を即刻解任するべきだ。感染爆発で医療崩壊が生じている。菅義偉氏は感染者を自宅に放置する方針を示した。そして、自宅に放置されて死亡する事例が報告され始めた。菅内閣による実質的な殺人である。2020年度に補正予算が三度編成されて73兆円もの国費が配分された。この資金があれば何でもできる。

ところが、何よりも必要なことが行われていない。すべての発症者に宿泊療養または入院を保証すること。この基本が完全崩壊した。菅義偉氏は直ちに辞任して責任を取るべきだ。

[植草一秀の公式ブログ『知られざる真実』はコチラ]

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