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長時間特番「FNSラフ&ミュージック」と東京五輪開会式の残念な共通点

メディアゴン / 2021年8月31日 7時30分

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高橋秀樹[放送作家/発達障害研究者]

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今年もやらない『FNS 27時間テレビ』の代替という位置づけだという。2夜連続の『FNSラフ&ミュージック~歌と笑いの祭典~』第一日目(8月28日:土夜6時半から5時間10分)を見た。見終わって疲れていると、「これ、なんかと似ているなあ」との思いがしてきた。しばし考えて、あっと思いついた。似ているのはあの『東京オリンピック開会式』だ。

どこが似ているか。「何をやりたいのか全く意図の伝わらないグズグズなショウであること」である。その原因はなんだろう。その理由を以下に述べる。

(1)全体をまとめる一人の演出家の不在

五輪開会式と同じ。単品では、かまいたちのコントなど、見るべき物はあるのに、全体の構成が全くできていない。ばらばらで、見てもらい続けるための努力が全くなされていない。理由は、まとめ上げる演出家の不在である。

(2)何をやりたい番組なのかわからない。

したがってどう見たらいいかわからない。ラフ&ミュージックと謳っているから、そうかと思うが、内容がそうなっていない。笑いと歌のコラボもあるとはいうが、このコラボが最悪につまらない

ロッチの中岡がフィッテイングルームでズボンの試着。店員のコカドがカーテンを開ける。と、中岡がまだパンツ姿。との散々見た使い古しのコント。さてそこに、こっそり森高千里がやってきてコカドと入れ替わる。何がコラボか。ただのせこいドッキリではないか。

[参考]ガラパゴス化した日本のコントは世界から消えるのか?

マジカルラブリーのM-1優勝ネタ。つり革に捉まりたくない野田が、我慢しているうちに揺れて転がり…と言うネタの途中にジェネレーションズが電車の乗客になって、はいってきて野田と同じ動きを始める、それが次第に踊りにもなって…この何がコラボなのか。くっつけただけではないか。見せたいのは笑いなのか、踊りなのか。例えば笑いだとしたら「やりに行く」というネタは決して笑えなく、ネタはしょうがなく「そうなってしまう」ことで笑いにするのだ。その鉄則も忘れている。

どぶろっくの「大きなイチモツをください」を、城田優(35)山崎育三郎(35)尾上松也(36)によるエンターテインメントプロジェクト「IMY」と一緒に演ずる。変なことと面白いことは違う。番組の“キャプテン”を務める松本人志は「ちょっと涙出てきた。涙腺がちょっと…すごかったね」と言っていたが、これは、面白いという意味で言ったったのではないことは、大抵の人は見てわかるだろう。

(3)出演者の意味がわからない。

ドラマで言えばミスキャストとか、もっと悪く言えば人物設定の破綻と言ってもいいだろう。

松本人志は司会進行はやらないし、やってもヘタなのは誰もが知っているだろう。だがらキャプテンの位置づけだ。それにしても、松本の面白さをもっと引き出す方法はあるだろう。さらに、進行が新人女子アナ3人というのはいくらステマ問題があるからと言って酷だ。できないのは最初からわかっているのに。唯一笑いを取ることがなくても、平気で司会進行のできるナインティナインの矢部が番組をすすめようとして目立つ。矢部が目立つのは番組としては失敗ではないのか。面白くないから。

岡村は、このメンバーに入ると松本の「◯◯カス」である。だから5時間の番組中一回もヒットを打たなかった。中居正広は笑いも混ぜながら司会もできるから、このメンバーなら、センターに置いても良いと思う。きっと頼んで断られたのだろう、それから、浜田にも。

松本人志と、爆笑問題・太田光の共演。このコーナーは番組の最後に配置された。松本が「これだけで最後まで引っ張るんだから」と異議申し立てをしていたが、そう言いたくもなるだろう。

ということで、画面に写った出演者たちは多くが損をしてしまった。この多くは、このほとんどは、この全ては、演者の責任ではなくスタッフの考えが不足しているからである。フジテレビのバラエティ班はもう、慢心はしていないと思うが、猛省はしなければならないのではないか。

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