<小室ミステリー劇場>謎の資金源に司法試験不合格の理由
メディアゴン / 2021年11月19日 7時30分
藤本貴之[東洋大学 教授・博士(学術)/メディア学者]
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今世紀最大とも言えるミステリーと言えば、小室圭米法律事務所職員と眞子元内親王夫妻の結婚に関する謎だろう。当初は「母親の金銭トラブル」だったはずの騒動も、いつの間にやら、謎多き圭職員のリアル・ミステリーと化している。
小室夫妻の結婚をめぐる騒動には、憶測や下世話なスキャンダルを含め、いささか加熱気味であるという同情もあろうが、それでも小室夫妻に関わるミステリーは私たちの想像力や好奇心を激しく喚起し、刺激するものだ。
連合赤軍事件、豊田商事会長刺殺事件、オウム真理教地下鉄サリン事件など、私たちをテレビに釘付けにした歴史的な事件は少なくない。いづれも謎と疑惑に溢れた事件であり、「気にするな、と言われても、気にせずにはいられない」という事件。小室ミステリー劇場もその一つに並ぶかそれ以上の水準にある。
主なミステリーをかいつまんでみるだけでも強烈だ。
小室圭職員は9月27日に3年2ヶ月ぶりに帰国したが、その前後からミステリーは加速する。帰国直前にマスコミにキャッチされた圭職員の風貌が、以前とはまったく違うと言っても過言ではないほどに変貌していたからだ。これを「痩せて精悍になった」と評したメディアも少なからずあったが、ネット界隈では、整形疑惑さえ取り沙汰された。
帰国を前に多くの報道陣から追われることは容易に想像できることであるのに、態度も風貌もまったく他を寄せ付けない戦闘的なスタイルになった。「これ以上、謎を作ってどうする」「わざと敵を作ってる?」と多くの国民が感じたはずだ。おそらくそれは宮内庁や皇室関係者だって感じただろう。
そして、10月1日には宮内庁から小室圭・眞子両氏が10月26日に結婚し、入籍後に記者会見をすることが発表されたが、加えて、眞子元内親王が「複雑性PTSD」である診断だされたことも報告された。
入籍後に記者会見という方法は、おそらく「何をしても批判されるんだから、この際、後戻りできない状態(入籍後)で会見しよう」と判断したのであろうが、とはいえ、それが少なからず、後々まで批判と揶揄の素材になることは子供でもわかる。ある意味、リスキーな選択をしたと言えるが、そのような幼稚は判断をした理由もミステリーである。「放っておいて欲しい」のであれば、いくらでも別のやり方があったのではないか。
しかも、眞子元内親王が複雑性PTSDと診断されたということも発表されたが、なぜか、その後も公務に参加したり、原因の中心であるはずの結婚騒動に関わる「結婚記者会見をする」という発表にも、多くの国民が驚かされた。
いうまでも無く、PTSDという病気は、「ちょっと気分が悪いので仕事を休む」とか「ストレスで傷ついたので精神科の診察を受ける」といった程度の病気ではない。通常であれば、アメリカの在留ビザも降りない可能性すらある、十分な治療とケアと理解が必要な、極めて難しい病気である。
[参考]ロイヤル忖度?流行語大賞に選ばれない「小室ワード」の謎
しかし、それが公務や記者会見、海外渡航といった激しい生活が可能な眞子元内親王に診断されるということで、間違った理解が広がるのではないか、といったPTSD当事者やPTSD当事者団体などからの不安の声も出された。
眞子元内親王も十分な診察が受けているのだろうが、渡航を目前に控えている眞子元内親王がなぜ、このような発表をしたのかということも、よく考えれば謎である。宮内庁にもその問題の大きさ、悪手であることを理解している医者はいるだろう。もちろん、複雑性PTSDと診断されたと発表したことで、事実上渡米は閉ざされたのではないか、という話題もネット中心に盛り上がった。
しかし、ネット世論の憶測をよそに、普通ではありえないスピードでビザは降り、問題なくアメリカに入国した。「ロイヤル忖度」という指摘もあるが、発揮されたパワーと経緯も不明である以上、一般的には謎としか言いようがない。
それだけでは終わらない。結婚会見直前になって、突如「質問には応じず、一方的に報告をして、質疑応答はせずに紙を配る」という、これまた100%一般国民から理解されない方法に変更するという謎。小室夫妻に同情的なメディアですら「やらないほうがマシ」という意見が多くを占めた。
もちろん、結婚記者会見から渡米までの間にも謎は登場する。
まず、卒業したはずのフォーダム大学ロースクールの卒業名簿から圭職員の名前が消されたこと。理由は不明だ。そんなこと、ありうるのだろうか。勤務先の法律事務所の学歴や受賞歴が毎週のように変更される。挙げ句の果てに、日本から閲覧ができないように、アクセス制限までかけられてしまう。
そして住居。日本での在在先である高級ウィークリーマンションの滞在費は誰が支払ったのか。渡米先でも月額50万円とも80万円とも言われる高級マンションに居を構えたというが、どうやって、誰が支払うのか。眞子元内親王の貯金という説もあるが、ニューヨークの新居は帰国前に圭職員が契約をすませていたはずである。契約主は圭職員であろう。しかし、法律事務所助手の年収を超える家賃支払いが発生するようなマンションに、まだ初任給すらもらってない可能性のあった圭職員は、どうやって賃貸契約ができたのか。普通なら、保証人がいたとしても、圭職員名義では契約できないだろう。謎だ。
渡米後に、夫婦でどうやって生活費をまかなうのか。妻の眞子元内親王の貯金だけを頼りにしているのであれば、それはそれで批判や指摘も増えるだろう。そもそも義父母である秋篠宮皇嗣殿下・妃殿下にどのように説明をするのか。「娘さんの貯金があるんで、大丈夫です」とでもいうのだろうか。皇族でなくても、一般家庭だってNGな展開だ。しかし、全てが藪の中で、謎であり、不明だ。
また、渡米直前には、母親・佳代氏との金銭トラブルを抱える元婚約者と電撃面会をして、解決金400万円の支払いに合意した。借金をして渡米、ロースクークルに行き、収入源もなかった圭職員はどこからのその資金を入手したのか。眞子元内親王の貯金(お手元金)という話もあるが、一方で、背後に謎の支援者がいるという噂も絶えない。深すぎる謎だ。
などなど、溢れる謎は尽きない。いづれにせよ「お金を持っているはずのない小室圭職員が、短期間に莫大な金銭を動かしている」ということは事実であり、これはあまりにミステリーだ。代理人弁護士は「お金の出どころは答えられない」という謎を加速させる回答をしている点もポイントだろう。
渡米後も謎は絶えない。小室圭職員の代理人弁護士が「(今回の司法試験)不合格は『学力の問題ではない』」と述べていたと報道された。
司法試験の不合格理由に「学力以外の問題」などあるのだろうか? 一部では、ストレスで体調が十分ではなく、試験を途中で棄権したといった推理もたてられているが、小室圭職員は帰国後に秋篠宮皇嗣殿下と面会し、司法試験は合格する、自信がある、と伝えていたとも言われる。だからこそ、入籍に至ったはずである。
「学力以外の問題」が事前にあったのであれば、「合格します」となどと言えるはずがない。もちろん、嘘をついていたとすれば論外だが、「学力以外の問題」が要因ではあれば、それこそ発表前に不合格はわかっていただろう。不合格がわかっているのに、すぐバレる嘘をつくなどといった愚かな行為をするだろうか。とにかく、これも謎である。
謎につぐ謎。アガサ・クリスティもびっくりのミステリーである。そしてこの小室ミステリー劇場のすごいところは、尾鰭のついた想像や噂の類ではなく、実際に、「お金を持っているはずのない人が、実際に巨額の金を動かしている」という事実がある、というところだろう。憶測に基づくフィクションではなく、目の前で時事刻々と展開している「事実のミステリー」なのだ。
宮内庁や皇室関係をその資金源とする見方も多いが、法律で厳しく制限をされているそういったお金が、そうそう簡単に民間人の手に渡るとも思えない。しかも、小室圭氏は今、日本で一番有名な人物であり、その一挙手一投足が注目されている。トラブルと疑惑の要因が金銭である人物に対して、皇室・宮内庁サイドから容易に疑われるような資金提供がなされるとも思えない。
噴出する資金源や挙動についての疑惑や謎について、ほとんど説明や情報が提供されない、という事実もまたすごい。民間人なのだから余計なお世話、といえるのかもしれないが、内親王と結婚し、「重要人物」となって、莫大な公金がその生活と警備などに利用されているのであるから、「答えられない」とか「言いたくない」と簡単に断ることができない立場にいるにもかかわらず、だ。
そもそも、そういった「答えない」という答えが、更なる不審と疑惑をうむことは容易に想像できるのに、なぜ、火に油を注ぐような挙動に徹するのか。とにかくミステリーだ。
小室ミステリー劇場を終わらせ、「ニューヨークで静かに暮らす」ためには何をすべきだろうか。やはり、通常のミステリー・ドラマと同様に、最後の種明かしをすべきだろう。謎が解け、結論がわかれば、ドラマは終わるのだ。小室圭職員による最後のネタばらしに期待したい。
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