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<玉川徹の蟄居> 「電通力」に怯えるメディア

メディアゴン / 2022年12月30日 13時58分

<玉川徹の蟄居> 「電通力」に怯えるメディア

山口道宏[ジャーナリスト]

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ネット上ではいまだ「玉川節」の賛否でかまびすしい。

テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」の名物コメンテーター・玉川徹氏は、鋭い庶民感覚と物おじしない独特の言い回しでファンは多い。

その玉川氏が、故・安部晋三元首相の国葬で、弔事を読んだ菅義偉前首相の文章が<出来すぎだ>と得心すると「電通が(スピーチ作成に)関わっている」と発言。後日、その玉川は先の発言に根拠なしであった、ということで撤回と謝罪。しかし、「サッカーW杯の放映権ほしさにテレ朝は玉川おろしを急いだ」の噂?は、いまさらながらメディア界の「電通力」をみせつけた格好だ。

それは玉川VS菅か!? 玉川VS電通か!? 玉川氏は誰に対して失礼をしたのか!?

そんななかでゾロでてきた昨年開催の「東京五輪」の贈収賄、談合だ。五輪はいまや当初の精神に反し、今回もまた開催の前から利権の場と化していた。ここで件の電通の出番だ。五輪組織委元理事の高橋某は電通OBで、その時は「みなし公務員」とか。

[参考]<紅白初出場?>謎の韓流グループが象徴する紅白の現在

我が国の広告業界では絶大なる力をもつ電通だ。「五輪でウチも一儲け」を目論んだ企業体には得難いチャンスと「五輪さまさま」「高橋さまさま」「電通に敵なし」を見せつけた。コロナ感染でも絶対にやめない、やめられないニッポン政府が強行突破の理由がのぞける。

広告収入に依存するのがメディア業界だ。地方放送局の元幹部はこう話す。

「テレビのCMといっても地方ではCMを出せる企業はない。東京(電通)から手をまわしてもらうしかない。電通は地方メディアにも影響は大きいのです」

『電通公害論』(猪野健治編 日新報道・昭和46年)からは、こんな一節を引こう。

「ある『電通番組』の企画会議で、ディレクターがT、K、Mなど社会派とよばれる作家の起用を提案した。しかし電通側がこういっただけでその起用は流れた。『それで視聴率あがりますか?』。スタッフの一人は、もし強行して低視聴率となると、恐らく電通番組から永久追放でしょうな、と暗い顔をしかめた。ーーー『ジャーナリスト』2月15日号に載った『国策機関 電通の暗い素顔』の記事はさらにこうも書いている。硬骨漢のHプロデューサーは、部長昇格とひきかえに『電通番組』から絶縁された。重役の椅子さえ電通ににらまれたら怖いという神話がまかり通っているのがマスコミ界なのだ。これが番組の内容に影響しないわけがない。と。」

それは50年も前の話だろうか。

電通の社風は変わったか? 特異のDNAは永遠か?  五輪事件で残念なことに広告業界全体がイメージダウンした。健全な業界に戻ることへの期待は大きい。また同様に民放はNHK化を歩むのか? になる。

ところで、玉川氏の蟄居はいつ解けるのか。

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