<忖度文化を考える>日本人はもっと旅をしなければいけない
メディアゴン / 2024年7月15日 7時30分
福田淳(株式会社STARTO ENTERTAINMENT代表取締役CEO/起業家)
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いつもアメリカに行くと日本との社会との違いに驚かされる。
まず日本は忖度社会である。そのことが良いかどうかは別として、忖度とは他人がこう思うだろうと言うことを先んじて想像し考えて実施することを指す。これが悪く作用すると、噂社会や個人と世間の境界が曖昧になり、息苦しい社会が作られる。よく作用すると、気が利いて、おもてなしの気持ちとして評価されることになる。だから、ツーリストが日本に来たとき、その心配りの細かさに驚嘆するのだ。
一方で、アメリカに行くと完全に個人の世界である。個人が社会を形成している。なので、忖度文化は一切ない。これはこれで清々しい気持ちになる。日本人としては、毎回スクラッチから関係を強いられる。「君は何ができるのか?」と問われる。そして自分は「こんなことができる、あんなことができる」と意見を述べる必要がある。それもどんな些細な事でも、いちいち説明しなければならないので、同じことを何度もたくさん言わなければならない。
英語を日本語で翻訳をすると実に短い文章になる。英語は、文章で言うと日本語の2倍しゃべってる感じ。口頭で言うと、3倍位のイメージである。これくらい一生懸命話さないとアメリカではコミニケーションすることが難しい。
冷蔵庫を運んでくる人は運ぶだけできちんと設置はしない。忖度がないと言う事はそういうことだ。このルールさえわかれば逆に忖度がないことが気持ちいい。なんでもかんでも自分がきちんと想像力を働かせて段取りして暮らすことで、誰かが何かしてくれるのが当然と思わなくなる。冷蔵庫を運ばせたら、それをきっちりセットする別の人(インストーラー)を雇っておかなければならない。そんなの来た人がやってよ、というのは忖度文化人の発想だ。
この2つの社会のどちらがいいかと言う問題ではなく、できれば両方知っていた方がコミュニケーションの達人になれるのではないだろうか。
アメリカで冷蔵庫を販売するなら、デリバリーとインストールをセットで提供できれば、新規事業として成功するかもしれない。逆に、日本で人に忖度せず、堂々と自分の意見を述べることができたら一目置かれるに違いない。
このように世界の多様性を知っていると、文明の発展にも寄与できるし、生きている個人としても、爽快な生き方ができると思う。だから、もっと旅をしなければいけないのだ。
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