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<たった5分のがんリスク検査>9割以上がリピート希望のマイクロCTC検査って何?

メディアゴン / 2024年7月31日 7時30分

<たった5分のがんリスク検査>9割以上がリピート希望のマイクロCTC検査って何?

川内せりな(医療ライター)

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国立研究開発法人国立がん研究センターの最新の調査によれば、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性65.5%、女性51.2%。これは、男女ともに2人に1人以上はがんと診断をされるということを意味する。もちろん、がんと診断されたからと言って、必ずしもがんで死亡するとは限らない。しかしながら、日本人のがんで死亡する確率は40歳以上に絞れば実に43%以上にもなるという。年齢が高くなってくると、半分弱の人ががんで死亡すると聞くと急にリアリティがわくかもしれない。

日本人の交通事故での死亡者数は、1年間で 10 万人あたり 4人であることを考えると、その死亡率がいかに高く、「がんはなってあたりまえ」の病気であることが理解できるはずだ。日本人が生涯で交通事故の加害者となる確率は500人に1人(0.2%)、被害者となる確率が250人に1人(0.4%)であるが、交通事故と同じようにがんを「身近なリスク」として考えている日本人は少ないように感じる。

公益財団法人生命保険文化センターのデータによれば、2022年のがん保険・がん特約の加入率は39.1%である。年々増加傾向にあるとはいえ、ほとんどすべてのドライバーが自動車任意保険に加入している現実を考えると(2023年度は88.4%)、がんへのリスク対応は半数にも満たない。「有数のがんで死にやすい民族・日本人」のがんに対する危機意識は極端に低いように感じる。

世界トップクラスの「がん大国」である日本でのリスク意識の低さはがん保険の加入率だけではない。より実質的なリスク対応であるがん検診の未受診率も6割と、先進国の中でもトップクラスに低い。日本よりもはるかにがん発生率・死亡率の低いアメリカですら8割を超えていることを考えると、日本人のがんに対する認識の甘さを痛感する。

大阪国際がんセンターの調査では、日本人のがん検診の未受診理由の一位として挙げられているのが、「受ける時間がない」であり、これは男女ともに一位である。もちろん、経済的負担なども高い理由となっているが、「時間がない」が圧倒的一位だ。

確かに、全身くまなくがん検査を受けようと思ったら、CTやMRI、胃・大腸内視鏡など多くの検査を組み合わせる必要があり、所要時間は約10時間もかかる。費用も1回28万円程度と経済的負担も小さくない。平均月収並みの支出をして、仕事も休まねばならない・・・となればやはり腰が重くなるのもうなずける。

しかしながら、近年の急速ながん医療技術、がん検査技術の向上により、こういったタイパ、コスパの悪さは劇的に改善している。そもそもがん検診などに関心が向きづらい日本人にとっては、このような情報すら、なかなか身近なニュースにはなっていないが、欧米先進諸国では、時間も費用も大幅に軽減させつつ、最新の技術で高い検査結果を出せる手法も登場している。

例えば、がんの世界有数の研究機関であるアメリカMDアンダーソンがんセンターが開発したCSV(細胞表面ビメンチン)抗体を導入した独自検査手法である「マイクロCTC検査(https://micro-ctc.cellcloud.co.jp)」は、タイパとコスパを著しく向上させた先端がんリスク検査として今大きな注目を集めている。

マイクロCTC検査が注目されている要因は、その検査時間の短さだ。たった1回5分程度の採血だけで検査は終了し、全身のがんのリスクを明示できる。しかも費用も18万円程度で従来の全身がん検査よりも圧倒的に経済的だ。
健康診断の採血検査のような気軽さで全身がんリスク検査ができるのであれば、その受診の敷居は低くなるはずだが、まだまだそのような検査が存在すること自体、多くの日本人には知られていないことはもったいない話だ。

マイクロCTC検査の専門医院である代々木ウィルクリニックが受診者(男女合計330名)に行ったアンケート調査では、マイクロCTC検査を選択した理由として、30%が検査に要する時間の短さを、21%が身体的な負担の少なさをあげている。実に、時間と身体的負担が受診理由の半数を占めていることになる。しかも、受診者のうち、94%が来年も再度受診したいと回答していることからも、その受診しやすさがわかる。

そこで本誌でも、実際にマイクロCTC検査を受診した被験者3名に、率直な感想を聞いてみた。

(以下、インタビュー)

<受診者Aさん(30代・男性)2回目>

インタビュアー・川内せりな(以下、川内):これまでがんリスク検査を受診したことはありますか?

Aさん:はい、検査を受けるのは2回目ですが、初めて受診した検査がマイクロCTC検査でした。なので、マイクロCTC検査は2回目になります。マイクロCTC検査を受けるまでは、全身がん検査を受けたいと思ってはいたものの、時間的にもコスト的にも踏ん切りがつきませんでした。

川内:マイクロCTC検査は受診していかがでしたか?

Aさん:前回はマイクロCTC検査どころか、がん検査自体が始めてだったので少し怖かったです。しかしマイクロCTC検査は単なる採血検査で所要時間も5分でしたので、あれ?これで終わり?と思ったぐらいです。私の全身がん検査への敷居が一気に下がりました。2回目の今回は、それこそコンビニに買い物に行くついでにフラっと立ち寄るような気持ちでした。

川内:やはり社会人にとって、タイパは重要ですか?

Aさん:日本人はがん検査をあまり受けない、というイメージですが、実際にそうだと思います。ただし、それは日本人が「がんを甘く見ている」のだとは私は思いません。2人に1人はがんで死んでいるのですから、誰もが関心はあるはずです。とはいえ、仕事を丸一日休んで、大がかりな検査をする・・・となると、急に腰が重くなってしまいます。

川内:その意味では、マイクロCTC検査は画期的ですよね。

Aさん:はい、これであれば、定期的に受診できますね。

川内:費用はどうですか?

Aさん:最先端のがん検診のようなものは、ある程度費用がかかる、ということは誰もが理解していることだと思います。しかし、それでも私のような一般庶民の感覚からすれば「最大20万円」というのが上限になっていると思います。20万円未満であれば、年に1回は受診できるよね、という感覚です。20万円以上、30万円、40万円となると、検診の必要性や価値はわかっていてもなかなか手が出せません。

川内:その意味では、18万円というマイクロCTC検査の価格は手頃でしょうか?

Aさん:この価格帯であれば、年1回の保険だと思えば、問題なく出せる金額だと思います。

<受診者Bさん(40歳・女性)1回目>

川内:マイクロCTC検査を受けた率直な感想を聞かせてください。

Bさん:早いです!採血には5分もかかりませんでした。あまりにも短いので、こんな検査でちゃんと結果がでるのか不安になりました。

川内:いえ、むしろ従来の検査よりもリスク探知能力は格段に向上しているそうです。

Bさん:だとすれば、こんなに受けやすいがんリスク検査はありませんね。

川内:受診して不安はありませんでしたか?

Bさん:たった5分の採血検査ですからね。まったく不安を感じませんでした。簡単すぎて不安にはなりましたが(笑)

川内:時間もそうですが、身体的苦痛や健康リスクもがん検査の受診率が上がらない要因かもしれません。

Bさん:私の勤務先では、がん検査の費用補助が受けられます。その検査は、PET-CT検査だったのですが、拘束される時間もさることながら、身体的な不安の方が私は大きくて、結局受診していません。放射性薬剤を体内に投与し、その分析を特殊なカメラでとらえて画像化する・・・といったものだったのですが、検査の後24時間は子供と接触禁止と言われて、そんなに被ばくするのかと、とにかく不安で。

川内:私も同感です。女性は、身体的な苦痛や健康リスクを気にするかもしれません。

Bさん:そういう人は多いと思います。特に私のような中高年になると、いろいろと健康に不安な部分がでてきます。その上、放射性の薬剤を体内に入れる・・・と聞くと不安です。その意味では、たった1回の採血で終わるマイクロCTC検査は魅力的です。

<受診者Cさん(30代・男性)1回目>

川内:マイクロCTC検査を受けて、いかがでしたか?

Cさん:私は以前、既存タイプのがん検査を受けたことがあります。その時は人間ドッグのように、丸一日拘束された上、前後1日もなんだかんだで仕事にはなりませんでした。こんなんじゃ〜ちょっとやりづらいな・・・とがん検査には、ネガティブな印象でした。しかし、今回の検査は5分で終了する、と聞いて受検しましたが、本当に5分でした。

川内:結果はどうでしたか?

Cさん:はい、私は時間の短さもさることながら、結果のわかりやすさの方に魅力を感じました。私が以前受診した検査では「E判定」とか「B判定」のような表現で結果が記されていました。おそらく、私が受診した検査以外でもほとんどはそうだと思います。A判定が良くて、B判定ぐらいが普通で、C判定以下が要注意・・・といったことぐらいはまぁ、わかるのですが、結局、曖昧すぎて結果に納得できないんですよね。

川内:マイクロCTC検査ではどのような結果が表現されるのでしょうか?

Cさん:採血した血液から、血中に流れる悪性度の高いがん細胞のみを直接補足してくれて、その数まで明確に提示してくれる、という結果提示でした。AとかBとかC・・・みたいな漠然とした判定ではなく、実数での結果になるので、納得感が非常に高いです。

川内:確かに、健康診断でも「ふとりすぎ」とか「やせすぎ」みたいな表現よりも、「標準より3キロ多い」とか「標準より10キロ少ない」みたいな実数表記の方がわかりやすいですよね。

Cさん:その通りです。金額的にも毎年受診できるレベルなので、定期健康診断だと思って毎年受けようと考えています。

(以上、インタビュー)

これから全身がんリスク検査を受けようかな・・・と思ってはいるものの、なかなか踏ん切りのつかない人にとっては、タイパ、コスパに加え身体的負担が少ないマイクロCTC検査のプライオリティは高いのではないか。もちろん、これは受診者の側だけでなく、ドクターやクリニックの側にもメリットはあるという。

マイクロCTC検査を導入している「サンクリニック ブレストケア・イムノケア」(東京都墨田区)の杉野三千男院長は次のように語る。

 「マイクロCTC検査導入により、さらなる早期発見が期待できると考えています。できれば1年に1回、人間ドックと並行して行うのがベストで、特にマイクロCTC検査で陽性になったら人間ドックで全身をくまなく調べてみることを勧めています」(杉野三千男院長)

つまり、単に全身がんリスク検査をして、受診者にリスク理解をさせるだけではなく、クリニックとしても早期発見に繋がり、その他の人間ドッグなどと組み合わせることで、より高クオリティな治療や対応ができるようになる、というわけだ。従来のような曖昧ながんリスク検査だとなかなか次の具体的な展開に繋げにくいが、マイクロCTC検査によりきめ細かな対応が格段にやりやすくなるのだという。

冒頭にも書いたように、日本は世界でもトッププラスの「がん大国」であるにもかかわらず、それに対する対応は必ずしも十分とはいえない。本来であれば、毎年のインフルエンザの予防接種よりも、がん検査を受診する方がはるかに必要な環境に私たちはいる。

しかしながら、これは日本人の生真面目な民族性のせいかもしれないが、仕事を休んでがん検査を受けることをよしとしないことが、さらにがんでの死亡率を高めているように思う。一方で、欧米では進んでCTC検査のような最新の検査方法がどんどんと浸透し、がんリスク検査が行われるようになっている。

市場調査会社Vantage Market Researchの最新報告によれば、世界のCTC診断市場は急速に拡大している。2021年に19億941万米ドル(約3000億円)だった市場規模は、2028年には36億5638万米ドル(5500億円)にまで達すると予想されている。2030年までに436億米ドルになるといわれる世界のがん診断市場もさることながら、CTC診断が特に急成長している注目技術であることがわかる。

最新の技術に対して懐疑的な人は日本では多いが、一度、たった5分の全身がんリスク検査を受診してはいかがだろうか? 実際に受けた人の94%もの方が来年も受けたいと思う検査が出てきたことは、がんが国民病になっている日本人にとっては朗報ではないだろか。

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