<悩む人の明日をひらく。>士業・医業コンサルティングに特化したスタイル・エッジの強さ
メディアゴン / 2024年11月15日 7時0分
岡部遼太郎(ITライター)
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近年、弁護士事務所や病院といった「士業」「医業」でもWeb広告を積極的に出すようになっている。病院の倒産件数が毎年記録を更新し続けているといったニュースもあり、士業・医業も開業すれば安泰といった時代でなくなっているのが大きな要因だろう。
そういった時流に合わせて士業・医業でも経営コンサルティングや広告代理店に集客や広告を依頼するケースが急増している。士業・医業に特化したコンサルティングファームである株式会社スタイル・エッジは他に類を見ない事業手法で急成長し、注目を集めている。クリニックの運営を行う一般社団法人AND medical groupの経営支援を行い、同法人は2020年の開業からわずか4年で全国27クリニックにまで拡大した。
株式会社スタイル・エッジ 代表取締役・島田雄左氏は「他に競合他社はいない、完全に独自の業態」であると述べる。本稿では、士業・医業といったプロフェッショナルを対象にしたコンサルティングファームの現在から今後について、株式会社スタイル・エッジの代表取締役である島田雄左氏に市場分析も踏まえ話を聞いた。
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(以下、インタビュー)
ITライター・岡部遼太郎(以下、岡部):株式会社スタイル・エッジは、士業・医業をメインとしたプロフェッショナルに向けた経営支援を専門にしていますが、御社の特徴について教えてください。
株式会社スタイル・エッジ 代表取締役・島田雄左(以下、島田):スタイル・エッジは、17年前の2008年に創業しました。その頃は士業、特に弁護士の先生方へのサポートが中心でした。2000年が弁護士の広告が解禁された時期ですから、そういった業界動向とも連動しているのだと思います。私がスタイル・エッジに入社したのは2019年で、2021年から経営を引き継いでいます。それまで士業だけだった業態を、医業も含めるようになったのは私が入社して以降です。
岡部:なるほど、もともとは弁護士支援の会社だったわけですね?
島田:はい。医業というのは士業業界以上に業界ならではの法令や慣習があり、一筋縄ではいきません。投入するエネルギーやリソースも多大であるため、ここ2、3年でようやく本格的な業務成果を出せるようになってきて、急成長できた、という流れです。
岡部:士業と医業ではどのような違いがあるのでしょうか?
島田:クライアントや市場そのものには当然違いはありますし、ターゲットに合わせた手法も異なります。しかし、どのようなクライアント、業界であれ、私たち自身が取り組む上では大きな違いはないと思っています。
岡部:具体的にはどういう意味ですか?
島田:士業であれ、医業であれ、もちろんそれ以外であっても、私たちは「悩む人の明日をひらく。」というミッションが軸となっています。全ての仕事がそこにつながっています。
岡部:士業であれば、弁護士さんたちに依頼してくるお客さん、クリニックであれば、病気やコンプレックスを治すために通ってくる患者さんたちの「明日をひらく」という意味ですか?
島田:はい。医業のコンサルティングというのは、私たちが医師を総合的に支援することで、クリニックや医師の価値を高め、それがひいては悩みを抱えている患者様を救うことにつながる。そういう形で、一人でも多くの患者様を救うこと、助けになることが私たちのミッションである「悩む人の明日をひらく。」です。
岡部:スタイル・エッジの急成長の背景についてお聞きしたいのですが、士業・医業などプロフェッショナルに特化したコンサルティングファームとして、どのような事業を展開されているのでしょうか?
島田:17年前に士業のコンサルティングを事業として創業してから変わっていないことではあるのですが、実は一つ一つはごく普通の業態の事業です。ただし、本来であればそれぞれがバラバラな事業を、わたしたちは総合的にやっている、という点が非常に特徴的だとは考えています。私たちの事業の柱は「インフラ」「マーケティング」「システム」「コンサルティング」の4つから構成されています。それぞれ単体で得意とする事業会社は多いと思いますが、それらを総合的に提供できるのは私たちスタイル・エッジの最大の強みだと思います。
岡部:医業の総合支援の中で、インフラ事業とはどのようなことをするのでしょうか?
島田:それはクリニックの開院支援です。私たちが店舗やテナントを借り、それをクライアントである医師にお貸しするわけです。インフラ事業を提供するクライアントの多くは、スタートアップや、これからまさに拡大しようと考えている医師たちです。そのような段階では「患者様との接触を増やすために、クリニックを増やしましょう」と言ったところで、それができる与信もなければ、資金もないのが実情です。そこで弊社が支援を行うことで、資金力や与信のない医師であっても、毎月のランニングコストだけで開院が可能になります。
岡部:なるほど・・・インフラ事業といっても、ハードウェアの仲介や紹介という意味ではなく、実際にクライアントの代わりにクリニックを借りるところまで含まれるわけですね。これは画期的です。
島田:クリニック数が増え、全国に開院できればブランド力が高まるだけでなく、集客のための広告効果も高まります。そもそも売り上げは集客があってこそなので、それがクライアントの収益構造を安定させ、利益を高めていくことに繋がります。
岡部:マーケティングについては今はWeb広告やWebシステムを使うと思います。Web関連の企業は多いですし、それこそさまざまな業態があります。そういったWeb関連の企業と比較した際のスタイル・エッジの強みはどこですか?
島田:これは私自身の持論なのですが、「自社で全部やらない」ということだと思っています。本来は、どんなことでも内製化した方が制作コストも運用コストは安くなります。管理するのも楽になるかもしれません。しかし、そういった形式だと、時代や状況、クライアントの変化に耐えらない。それ以前にクライアントの事業のリスクへッジができない、といった別の懸念も起きます。
岡部:「総合的な支援」と聞くと、あれもこれも全部背負い込むといった印象ですが、そうではないわけですね。
島田:スタイル・エッジにはいくつかの「強いパートナー企業」があります。SEOが得意な会社があれば、リスティング広告が得意な会社もある。それこそみなさん得意分野は様々です。パートナーと信頼関係を築くことがリスクヘッジにつながります。例えば、今回はこの部分がうまくいかなかったけど、こっちの部分は成果が上がっている。ここは弱かったけど、あそこは強化できた・・といった感じで、最終的にはクライアントの成果につながるわけです。そういったバランスを17年間とり続けてきたことも、スタイル・エッジの強さにつながっていると思います。
岡部:システム事業に関しては、何を提供しているのでしょうか?
島田:この部分は、士業も医業も共通しています。基本的にはCRMシステムの提供がメインになります。CRMとは、Customer Relationship Management(カスタマー リレーションシップ マネジメント)の略で、顧客情報から、顧客ひとりひとりと良好な関係性を構築して満足度を向上させ、利益や企業価値を高めていく業務マネジメントの手法です。私たちはまさにこの部分を強化するシステムの提供をしています。「業務効率化」と「情報の一元化」の2つの達成を目的としたシステムです。
岡部:そのシステムは自社開発ですか?
島田:はい、自社開発で特許も取得しました。「業務効率化」で言えば、お客様がどういった媒体、経緯で来院されたのかを明確にした上で、最終的に成約に至ったのか、至らなかったのか。誰がどういう対応をして、どのような結果になったのか。私たちのCRMシステムを使えば、そういった情報の把握がすべてできるので、広告効率を飛躍的に高めることができます。「情報の一元化」については、お客様の情報について、来院前の段階から施術後のアフターケアの段階まで、クリニックの方々がこれを見ればすべてわかるという情報をつくりあげています。仮にお客様からお問い合わせが来たとしても、「前回はこういった対応をした」といった情報にも簡単にアクセスすることが可能です。
岡部:なるほど・・・それは心強いシステムですね。
島田:スタイル・エッジとしては、まずマーケティングの強化からプロジュエクト始めますが、マーケティング事業とインフラ事業、システム事業が連動することで、クライアントの経営拡大が実現していくのです。
岡部:最後に、コンサルティングについて聞かせてください。
島田:私たちがクライアントに提供しているコンサルティングは大きく2つあります。一つ目が、クライアントの事業をうまくいかせるための広告やシステムとの連動です。システムや集客事業の時に話をしましたが、実は、この部分もある意味、コンサルティングの一環になっています。つまり、システム事業やマーケティング事業、より広い目で見れば、ブランディングとも連動して機能しているコンサルティングということになります。これがまず、1つ目です。
島田:そして、2つ目が営業支援領域としてのコンサルティングです。お客様からは、電話やメール、LINEメッセージなどがたくさんきます。この最初の入り口の部分でどのような対応をするかで、その後の成約に大きな影響を及ぼします。
岡部:集客してお客様からのお問い合わせを獲得するだけでなく、その後の対応の良し悪しが成約につながるか否か、利益につながるか否かに大きく影響しますよね?
島田;そうなんです。だから、最初の窓口はものすごく重要です。そこが不十分でお客様やビジネスチャンスを取り逃しているケースを山ほど見てきました。
その最初の窓口のサポートをスタイル・エッジが担い、クライアントのクリニックをお客様にお選びいただけるようにすることで、成約の確率は飛躍的に高まります。そういった営業スキルの提供もコンサルティングに組み込んでいます。
(以上、インタビュー)
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「競合他社がほぼいいない」という状態であるスタイル・エッジの強さの根源は、包括的な支援であることを痛感した。島田氏によれば、細かい事業、細かい専門性を持った企業はいくらでも存在しているが、それを総合的に提供できるという部分に、「競合他社がほぼいいない」状態を作り出しているのだという。
本誌では引き続き、株式会社スタイル・エッジ 代表取締役・島田雄左氏へのインタビューを続ける予定である。
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