<電力会社 徹底比較調査>5年で契約者が約6倍!CDエナジーの魅力がダントツな理由
メディアゴン / 2025年1月15日 7時0分
土居 聖香(本誌ライター)
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電気料金などは、これまでみてこなかった人は多いだろう。エアコンを多用する時期は電気代が少し上がるだろう、程度の認識で、毎月送られてくる明細などは、ダイレクトメール程度にしか確認していない人にとって、この冬、料金明細を見て衝撃を受けた人も少なくないはずだ。
コロナ禍を挟んだ2020年を境に電気料金の値上げが加速、2022年には過去最高を記録し、一人暮らしで月数万円、一般的な家庭でもオール家電であれば、10万円、20万円という信じられない金額が多発したことがニュースにもなった。
そもそも、電気料金といっても誰も理解したいと思ってはいない中で、ある日、電気料金が数倍になったとしたら、なおさら不信感は増していく。しかし解決策もない。そんなジレンマに陥っているのではないだろうか。
営業電話もかかってはくるが、電力会社やガス会社の差は分からず、変更する手間の方が面倒だ・・・そんなことを思っていた人は多いはず。
筆者もその一人だった。ここでポイントは「だった」という点だ。
その手間を省く為に電力会社自ら、「最適な料金」を提案してくれるとしたら?
今回、取材をしている中で、そんな「利用者の事だけ」を考えて、時には自ら料金の値下げを提案してくる会社も存在しており、今回横並びにしてみることで見えてくることもあるように感じる。
とはいえ、2016年以降、日本ではいわゆる「電力自由化」が始まっており、一般家庭への電気の小売に関しては、電力会社や料金にメニューが自由に選べるようになっているが、その権利をしっかりと行使できている人はなかなかいない。
そこで本誌では、日々の電気料金をいかに安くおさえるのか?に着目し、そのための最適な選択について、これまで「電気代の請求書を見て、一喜一憂するだけ」という筆者のような「庶民」でもわかりやすいように解説してみたい。
ただし、「ただ安ければ良い」という点にも注意が必要だ。先述のように、内容がわからないが故に、自分がどのように電気を使い、どのような契約をしているのか?そのことが理解できなければ、それが結果的に、無駄になったり、大きなコスト増になっているケースは多いからだ。
携帯電話でいえば、留守番電話機能を年に0〜1回ぐらいしか使わないような人が、留守番電話サービスを契約しているようなものだ。そして、このようなケースは予想以上に多い。ちなみに、NTTドコモであれば、留守番電話機能は月額330円。年間で3960円だ。少し通話料金が安いぐらいでキャリアを変更する手間をかけるなら、契約内容の見直しをした方がはるかにコストダウンになることは多いが、大部分の人がそれをしていないのが現実だ。実際に携帯電話料金と同じように、初年度は安いかもしれないが、2年目以降を考えると料金が割高に逆転している場合もある。
そこで本稿では、「金額」と「わかりやすさ」、「安定感」の3点に絞って、最良の電気小売会社について考えてみたい。
<電力会社の再検討>
これまで何も考えず契約を続けてきた(というより、契約した記憶すらないだろう)電力会社であるが、変更できるという事実をまずは理解したい。契約会社も利用プランも変更ができるのだ。携帯電話を変えるような感覚でぜひ、変更の余地を探ってほしい。
筆者の考える主な検討ポイントは以下の3点である。
(1)料金の安さ
言わずもがな、電気代を削減したい家庭にとって、料金が安いかどうかは最も重要な要素である。例えば、契約前にいろいろなサイトで料金比較をする読者も多いだろう。ただ、電気は長期間利用することが多いので、一時の割引やポイントではなく、シンプルに利用料金のみを比較してみることをおススメしたい。
(2)サービス内容・契約内容のわかりやすさ
電気料金のサービス内容・契約内容といっても、その中身を「理解したい」と思っている人は実は多くないのではないだろうか。つまり「料金が最適」であれば、それだけで良いのである。つまりそれは、専門的な言葉が羅列されているホームページは論外で、顧客が目指す情報への到達のしやすさ。そもそも消費者として必要な電気料金に関する情報がいかに手軽に入手できるか、ということが何よりも重要だ。
(3)安定感
料金の安さにのみ重点を置くのも注意が必要だ。電力自由化に伴う負の側面として、突然の事業撤退や料金改定による昨今の電気料金関連のニュースを耳にして、不安を感じている読者も多いはず。料金の安さだけではなく、サービス提供側の安定と信用も非常に重要な要素となっている。
上記を踏まえ、選択肢として人気の5社を抽出し、3人家族(40A、300kWh/月)で利用する一般的な核家族家庭を想定して比較してみたい。
***
<東京電力(プラン名:従量電灯B)>
「従量電灯B」と言うプランがあり、これがこれまで多くの家庭で選ばれてきた基本プランである。もちろん、プランCもあるわけだが、正直言って説明を見ても素人には全く理解ができない。ホームページを見れば、「Bが一般用」「Cが業務用」ということはなんとなく理解できるものの、何が一般で何が業務なのかは理解できない。当然「プランA」もあるが、これは集合住宅用なのだろうか、説明ページすらない。そもそも東京電力は信頼と実績に基づいた契約なのだろう。安定した供給体制であることは理解できる一方で、料金面では競争力が低く、他社と比較すると高めである印象を受ける。そう考えれば、コスパや価格や重視する大部分の一般家庭にとって東京電力は向いていないだろう。ただし、歴史と信用のある大企業を何よりも信頼する、毎月の料金の微妙な違いで細かなサービスを選んだりするのは煩わしい、と考えているような人にとっては、迷わずこの一択なのかもしれない。もちろん、そういう人は、ホームページを見ても、書かれている説明や契約内容については、まったく理解できないと思うが、そもそも理解する必要もないだろう。
<東京ガス(プラン名:基本プラン)>
ガス会社であるため、当然、基本プランのガスとのセット割引が魅力だ。特に、ガス使用量が多い家庭ではメリットが大きい設計だ。「ガス・電気セット割」を適用すると毎月の基本料金+電力量料金の合計額から0.5%を乗じた額が割引かれる。ようは、家庭の中で、どこでガスを利用し、どこで電気を使っているのか。自分たちのガス家電がどの程度あり、どのように使っているのかをちゃんと把握して使えているような家庭には最適なプランというわけだ。しかし、大部分の「訳もわからず利用している」家庭の場合は、高い節約効果を期待することはなかなか難しそうだ。一方で、エネファームなど、ガスを利用した自家発電するような環境を導入しているような場合は最適だろう。
<Looopでんき(プラン名:スマートタイムONE)>
この会社の特徴は電気の一部を市場で調達しているということだろう。電気が市場価格に連動しており、30分ごとに、需要が多ければ値上がりし、少なければ値下がりするという構造である。具体的には、電気を使う人が少ない日中は電気料金が安い、という仕組みだ。最安値は1kWhあたり0.01円というから驚きだ。自分のライフスタイルによっては、大幅にコスト削減が可能な会社である。ただし、当然ながらリスクもある。FXや株式の資産運用と同じように、気付かないうちに市場価格が高騰した場合はすぐに電気料金に反映されてしまう。すぐに電気料金を切り替えようにも手続きの煩わしさは言わずもがなであるため、日中以外に節約して電気をなるべく使わないようにできるといった方でなければそのメリットを充分に享受できない可能性は頭に入れておくべきだろう。
<CDエナジー(プラン名:ベーシックでんき)>
CDエナジーは中部電力と大阪ガスが50%ずつ出資した新電力会社であるため、安定感は大手企業並みである。また燃料費調整制度を採用しているので、有事の際の料金の高騰に対するリスクは低い。この燃料費調整制度は、中身こそ多少の違いはあれど、東京電力や東京ガスも使っており、電気を作るための燃料費が上がっても即座に料金に反映させるのではなく、過去3か月の平均燃料費を反映させるため、市場価格連動型に比べて、急激な値上げを抑えてくれる特徴がある。また、主力のプラン「ベーシックでんきB」は、電気使用量に応じて電気代に使用できるポイントが貯まったり、ガス料金とのセット割引もあり、料金体系が非常にシンプルで透明性が高い。かつ貯まったポイントは電気料金に充当できる。これは電気料金だけを切り取って比較すると(長期に使うことを前提とすると)かなり割安な料金である。
<楽天でんき>
その名の通り、楽天が運営する電力小売会社である。最大の特徴は楽天ポイントが貯まる、ということ。毎日使う電気だけに、貯まるポイントも安定的に高くなるため、楽天経済圏で生活をしている人にとってはポイントで電気料金も支払えるので、魅力的な選択だろう。また、これも楽天らしいが、基本料金0円とポイント還元を組み合わせることで、相対的に「従来の電気料金よりも割安感がある」という印象を与えている。ただし、電気料金そのものは単価36.85円/kWhと特別安いわけではない。また合わせ技での「割安感」であって「割安」ではない、という口コミが多いのも気になる点だ。楽天経済圏にいない人にとっては注意が必要だ。
<ジャパン電力>
従量料金単価「最安値クラス」を標榜しているのがジャパン電力だ。もちろん、これが虚偽であれば景品表示法になるので、それは誇大広告でないことは推察できる。最大の特徴が「電気を使えば使うだけ、割安になる」というものだ。例えば東京エリアでの代表的なプラン「くらしプランS」を見てみよう。400kWhまでは単価27円であるが、401kWhを超えると26円に下がる。もちろん、この割合や基準もプランによって様々だ。家庭の利用スタイルに最適なプランを選ぶことで、利用料が多めの家庭には、高い節約効果が期待できる。しかし、注意したいのは従量料金単価以外のコストだ。調達費調整単価といった独自の費用が存在し、結局は我々がよく目にする基本料金や従量料金単価というもの以外がどれくらい電気料金に影響するのか分からないというのが不安要素ではある。
<中国電力>
「ぐっとずっと。プラン」は、地域密着型のサービスで信頼性が高いと評判である。地域密着色を全面に出しているせいか、いろいろと丁寧でわかりやすい説明が公開されている。しかしながら、公式サイトを見ると気になる記載が目に入った。「従量電灯A等の規制料金メニューには燃料費調整における上限を設けていますが、『ぐっとずっと。プラン』等の自由料金メニューには上限を設けていません。燃料価格が高騰した場合や、書面発行による手数料がかかる場合には、『ぐっとずっと。プラン』等より従量電灯A等の規制料金メニューが、割安となることがあります。」つまり、場合によっては既存の料金体系の方が安くなる、という意味だ。このリスクはどの会社にもある。しかし、丁寧な説明をしているがゆえに、あまりにも目立つように書かれているので、正直、不安になる。もちろん、詳細な他社比較はしていないが、不安の増大は避けられない。
<コスモでんき>
コスモ石油グループのコスモ石油マーケティング株式会社による運営である。一般家庭向けの「コスモでんきスタンダード」は、契約アンペア数と毎月の使用量に応じて料金が割引されるプランであり、わかりやすい。しかし、他のプランがいまいちよくわからない。dポイントが貯まるプランや、NTTドコモによる動画配信サービス「Lemino(レミノ)」がセットになったプラン、再生可能エネルギーを指定した環境に優しいプランなどが並ぶ。ほとんどの人にとっては、残念ながら全く電気会社選びの基準にはならないように感じる。ピンポイントで刺さる人は一定数いるとは思うが、必ずしも節約効果を狙った選択ではない。
さまざまな電力会社を調べている中で、筆者が魅力的なサービスであると感じたのは、CDエナジーの「最適プラン定期便」である。
これは、利用状況から、年2回、各家庭に最適な利用プランを提案してくれる、というものだ。電力会社側から料金プランを定期的に提案してくれる、というのはなかなかの魅力だ。
簡単に言うと、1度決めてもライフステージやライフスタイルが変わるたびに、より最適なプランがあればそちらを提案してくれるというもの。文字通り、常に「最適」になれているわけで、まさに賢く生きていきたいという現代に生まれるべくして生まれたサービスのように感じる。
携帯電話なども同様だが、一度契約するとなかなかプランの変更はしないだろう。むしろ「使いもしないプラン、自分の利用スタイルにあっていないプラン」を気づかずにずるずると契約しつづける・・・というのがよくあう話だ。そして、そのような「変更し忘れ、解約し忘れ」が典型的なビジネスモデルになっている企業も多い。実際、解約しようにも、何をどう解約すれば良いのかがわからない。変更方法や手続きもわかりづらい・・・それを理由に解約や変更を諦める人は多いはずだ。その意味では、CDエナジーの「最適プラン定期便」は画期的といっても良いだろう。
このように、電気小売はどこもしのぎを削った価格競争、サービス競争を繰り広げているが、価格だけで決めることはできないのが現実だろう。「最安値」を標榜する企業も続出しているが、なんとなく不信感が残るケースは多い。そもそも契約内容がほとんど理解できていない人がほとんどだろうから、結局、多少割高でも昔ながらの電力会社に落ちつきがちだ。
そういう意味では、「最適プラン定期便」を展開するCDエナジーは消費者目線にたった、衝撃的なサービスだ。むしろ安いプランをおすすめすることで、企業としては収益が減るはずなので、それなりに覚悟が必要だったはずだ。
CDエナジーはここ数年で急成長した新電力会社であるが、5年間で契約者を6倍にまで増やしているという。その背景にあるのは、価格というよりは、むしろ消費者目線のサービス展開である。
CDエナジーは煩雑な契約手続きをスマートフォン一つで完結するサービスを早くから提供してきたエネルギー会社のひとつだ。「最適プラン定期便」などもその一つで、手軽に、気軽にプラン変更ができるというわけだ。
また、わかりやすさという意味では、割引などの付加サービスも重要だ。魅力的で大規模な割引を提供する会社は多いが、その割引を受けるための条件や仕組みが複雑でわかりづらい場合は非常に多い。割引を期待して乗り換えたのに、結局、その恩恵を受けられないという経験をしたのは筆者だけではあるまい。
そういった課題への解として、CDエナジーではすべてのユーザーに対して、利用した電気料金に応じて勝手にポイントが付与される特典を提供している。これにより、「条件を満たすために余計なコストがかかる」という事態を回避できる。
<比較のまとめ>
まず、今回の比較のまとめとして、忘れてはいけないのが、電気やガス水道といった契約は、大部分の人がほとんど何の理解もできずに、入居時に、不動産屋のいわれるがままに契約しているケースが大部分であるという点だ。
そんな中で総合的に判断すると、最後に挙げたCDエナジーダイレクトは、「ほとんどの人」にとって一番メリットのある最良の選択肢となるのかもしれない。
(1)料金の安さ(2)サービス内容・契約内容のわかりやすさ(3)安定感という切り口どれを取っても「高水準」であるからだ。
その最大の特徴は、やはり透明性と簡便さだ。電力会社のプランを調べる中で、「条件が複雑すぎる」「手続きが面倒」と感じることが多かったが、CDエナジーはシンプルでまだ分かりやすかった。一度契約してしまえば、半年に1回今のプランが安いかどうか教えてくれ、その契約変更も実質何度かタップするだけで、訳の分からない番号の入力や個人情報を何度も入力する必要がない。
つまり、筆者のような、電力会社の明細を読まない、契約内容を理解したいとは思っていない・・・といっためんどくさがり屋としてはCDエナジーがイチオシという結論に至った。
とはいえ、家庭により、人により、電気とは使う量も使う時間も、そして求めるサービスも全く異なる。筆者には、「家は寝るだけ」の友人がおり、彼女は電気を全くと言っていいほど使わない。携帯の充電すら勤務先で済ませてしまうので、電力会社は基本料金ぐらいしか選択基準がないという。一方で、完全夜型の仕事をしている友人は、昼間が睡眠時間であるため、まったく電気は使わず、むしろ夜に稼働する。彼の場合などは、夜の電気料金が割安になる電力プランが最適なわけだ。
本稿で、筆者のような「一般的な庶民」の目線から比較検討をしたが、人によってその基準は様々であることを忘れてはならない。
そしてまず何より、一度、自分の電気生活を再確認してみることをおすすめする。意外なところで、意外な出費をしていることを発見できるだろう。
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