<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産(22)「スターはコント55号ではなく久米宏だ」その2

メディアゴン / 2014年11月23日 0時40分

高橋秀樹[放送作家]

* * *

 僕「大将(萩本欽一)が、沖縄で見かけたのが久米(宏)さんだったんですね」
 「そう、久米ちゃん。名前は知らなかったけど。それで、沖縄のことは特に話さずに、プロデューサーの長谷部さんにお願いしたの、俺と二郎さんは回答者、だからTBSのアナウンサーを司会にしたいって。そしたら長谷部さんはうちにはいませんて言う。いないことないでしょテレビ局なんだからって言ったら、2人見つけてきた。一人は既にラジオで人気があった小島一慶さん、それからなんだかわからない久米ちゃん」(注・その後、小島一慶さんも司会をつとめている)
 「長谷部さんに選んでもらった。タレントは絶対タレントをキャステイングしちゃいけないのね、必ずあとで、問題が起こるから。曲の人に選んでもらう。そしたら、長谷部さんは久米ちゃんを選んだ、僕も、久米ちゃんだった。長谷部さんと同じだったってことは心が通じてるのかなって」
 「それで、『ぴったしカン☆カン』の目標、向かっていくところはひとつ決まった。久米ちゃんをスターにすることだ。久米ちゃんをスターにするための作戦も練ったよ」

その前に、長谷部さんに教わって、僕の身に染み付いた番組のコンセプトを書いておこう。これは、クイズの形をとっているけど、クイズじゃなくて笑いを取る番組。クイズの形のコントだ。

答えるのは言葉で答えるからこれは子供向けのわかりやすい笑い。でもそれだけじゃ視聴率は取れないから、大人の笑いも入れる、それが久米くんとゲストのトークだ。

 「そう、そのとおり、お前まできちんと伝わってたのは、長谷部さん偉いね」
 「久米さんをスターにするにはどんな作戦があったんですか」
 「これは長谷部さんがやったんだけど、素人出演者を選ぶ時のオーディションは久米ちゃん自身にやってもらった」
 「僕も何度もついて行きました。オーディションに来た人に前説をして、それから久米さんを呼びこむ、久米宏です!って、登場すると会場からぎゃーっていう声が上がる、その声が会を重ねるごとに大きくなっていきました」
 「それからね、スタジオで久米ちゃんと客席のカットバックを撮る、久米ちゃんが何か言って、次に笑う客席というカット。その時写る客席に、客席全体の半分程度だね。全部かわいいモデルさんを仕込んでもらった。観客のバイト代3倍位払って。だから、久米ちゃんがのことを見て歓声上げてる人は、全部かわいい女性」
 僕「それは知りませんでした」
 「馬鹿だねえ。客席の右と左、可愛さのレベルがはっきり違ってたでしょ。それから、とにかく久米ちゃんには自分のペースで司会をしてくれって頼んだ、俺にも、二郎さんにも気を使う必要は全くないって。アナウンサーのテンポで「振り」をしてくれって。それを「こなし」て、ボケるのは僕達の役目だからって」
 僕「大将がマヌケな答えをすると、久米さん、大将に向かって『バカッ』って言ってました」
 「それでいの。それから、55号以外の回答者も長谷部さんに見つけてもらった。条件の一つは東大出身で二枚目の俳優さん知識はあって、一生懸命やることをバカにしない人」
 僕「それが平田昭彦さん(東京大学法学部政治学科卒。ゴジラの芹沢博士役)ですね」
 「もうひとつの条件は、バカをやっても不自然にならない人、バカが演じられる人」
 僕「オヒョイ(藤村俊二)さん」

これで、久米さんをスターにする態勢は揃った、久米宏31歳、萩本欽一34歳、坂上二郎41歳、生放送で番組はスタートした。

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