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<「たまたま偶然」こそテレビの特性②>たまたま見た!上川陽子法相の棒立ち・狂犬化した安倍首相

メディアゴン / 2014年11月13日 17時8分

藤沢隆[テレビ・プロデューサー/ディレクター]

* * *

「たまたま偶然」にテレビで目撃した番組で、「たまたま偶然」目撃したかショッキングなシーンについて書きましたが、今回は「たまたま偶然」に見てしまったNHK国会中継での話。

お恥ずかしい話ですが、政治に対していろいろ言うこともあるわりには、「NHKの国会中継」を視ることはまずありません。ところが最近、「たまたま偶然」に国会中継が映っていて、わりと興味深い場面に出くわし、「たまたま偶然」視てしまいました。

11月4日午後のことです。居眠りから目覚めたら「たまたま」テレビに国会中継が映っていました。

画面では参院予算委員会で、西川公也農相が栃木県職員時代に収賄による逮捕歴があることについて質問を受けていました。野党の質問者は、松島みどり前法相の辞任で新たに就任した上川陽子法相に対して、「不起訴と起訴猶予の違い」について質問をはじめました。

西川農相が自分の逮捕歴について「不起訴」だったと答弁していることを受け、質問者は「不起訴」ではなく「起訴猶予」だったのではないか?と追求している流れの中での質問でした。

筆者の浅薄な知識ですが、これをざっくりと言ってしまうと、不起訴には、

1. 嫌疑なし
2. 嫌疑不十分
3. 起訴猶予

の三つがあります。

「嫌疑なし」なら「完全無罪」で問題なし。「嫌疑不十分」であれば、起訴するに足りるほどの証拠はないが「嫌疑はある」。「起訴猶予」は、起訴しようとすればできるケースで、もちろん「アウト」なんだけれども「何かしらの事情」を斟酌して起訴はしない。

・・・と、こんなような違いになります。

西川議員は、「不起訴だった」という言い方で、「自分は真っ白で、問題なし」としたいのでしょう。それに対し、質問者は「起訴猶予であるからアウトだったんじゃないの?」と言いたいわけです。

さて、「たまたま」視ることになった国会中継のこの場面。上川法相は「個別の案件には答えられない」といういつものワンパターン答弁でやり過ごそうとしたのですが、一般論の質問されているわけですから通りません。

さらに答弁を求められた上川陽子法相ですが、議長に促されてもまったく自席から立ちません、いや立てません。ただ固まってじっと座っているだけなのです。その「あるまじき姿」にヤジが飛び始めますが、上川法相は微動だにしません。ただひたすらフリーズしながら役人の救援を待っているのでしょう。

しかし、その役人がなかなかやってきません。安倍首相が質問者に対して、「この質問になんの意味があるんだ?」というようなヤジをとばしたようにみえた場面もありました。もちろん、議長が何度も「上川法務大臣!」と呼んで答弁を促す場面もあり、けっこうな時間が経過します。それでも、上川法務大臣は立ち上がることができません。

それはそれは「異様な光景」です。

「さらし者」状態がしばらく続いたあと、ようやく役人がやってきて長い長い「耳打ち」。その後、六法全書を片手に立ち上がり、答弁に立った上川陽子法相ですが、その答弁たるやグズグズで何を言っているのかわかりません。

そして、そんな光景が二度、三度とくり返されたのでした。法律を作る専門家であるはずの立法府議員の中から法務行政の長として天皇陛下から認証された法務大臣が、一般の日本人ほどの法律知識すらお持ちでないという姿を、「たまたま偶然」に見せつけられたシーンでした。

原発再稼働の責任者である宮澤経産大臣が、大臣になるまで福島に行ったこともなく、さらに再稼働について最大の関心事である川内原発を「カワウチ」と読んでいるぐらいですから、法務大臣が国会でこういう姿をさらすのも宜なるかな、ということでしょうか。

この「11月4日のNHK参院予算委員会中継」では、安倍首相の「すごいお姿」も「たまたま偶然」お見かけしました。

ここのところの安倍首相ですが、疑惑議員についての質問で野党議員が用意した顔写真入りパネルについて執拗に噛みついたり、民主党の枝野幹事長の献金問題を口を極めて攻撃したり、疑惑追及に関して「撃ち方やめ」発言の記事について朝日新聞だけを「捏造」と決めつけたりと、立て続けに常ならざる安倍首相の威圧的な言動が報じられています。

この日に視たのは、野党の議員が安倍首相の何年も前の脱税問題について質問している場面でした。たしかに週刊誌の記事だけを根拠としたこの質問に対し安倍首相が反論するのは当然です。しかし、問題はその時の安倍首相の様子です。反論するその激しさは異様でした。首相とはとても思えぬ激しい口調で、まるで子どもの喧嘩のように同じ言葉を何度も何度もくり返したのです。

そのあまりの激しさと執拗さは、筆者の脳裏には、「興奮して狂ったように吠え続ける犬」の姿とオーバーラップする瞬間さえあったほどです。筆者が、この時「たまたま偶然」テレビで視たのは、この国の首相がこれほどのことで冷静さと品性を捨て、視る者にいささか恐怖すら感じさせるような姿でした。

「たまたま偶然」にすごいものを視ることになるのもテレビの特性でしょうが、残念ながら良いものばかり視ることになるわけじゃありません。往々にして哀しいものや怖いものを視ることになります。だからこそ私たちのテレビ、ですね。

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